高橋悠治と坂本龍一による幻の対談本『長電話』発売前重版決定!『長電話』の復刊によせたコメントを公開中

坂本龍一氏が生前から準備していた図書構想「坂本図書」の第二弾として、今年8月30日に書籍『長電話』(発行:一般社団法人坂本図書、発売:バリューブックス・パブリッシング) 復刊。発売前重版が決定。

株式会社バリューブックスのプレスリリース

復刊前から話題を呼んだ『長電話』の発売前重版が決定いたしました。 重版分の出来は9月末を予定していますが、それまでは品薄でご迷惑をおかけするかもしれません。しばしお待ちいただければ幸いです。 

復刊にあたり編集者・若林恵氏や小説家・朝吹真理子氏、ラッパー・TaiTan氏らによるコメントを掲載いたします。

『長電話』復刊によせてのレビューコメント

朝吹真理子|小説家

本をひらくと、ふたりがいましゃべりはじめたようにきこえてくる。言葉は、読むひとがいるかぎり、新鮮に、何度も生まれなおす。
電話での会話は、文字になることはないから、切った後、おしゃべりした体感だけ残るものなのに、通話が文字で残ってしまった。約40年前の通話記録だけれど、いまとなにが違うのだろうと思って怖くもなる。
時間は、昨日今日明日へと一本の線でつづいているようにふるまっているだけで、現在(いま)はあらゆる時間とつながって同時に流れている。その感覚を読みながら思いだしていた。

TaiTan|ラッパー

言葉が遅くて安心する。これだけ博識同士の会話なのだから、さっさと結論を急げばいいのに、ふたりはそうしない。あくまでも会話のための会話を楽しむように、意味よりもリズムを、情報よりも冗談を、断定よりも可能性を、常に優先する。どんなに議論が深まって核心へ迫っても、どちらかが必ず筋を逸らして、「フフフッフ」とか笑いながら別の話題へと逃げてしまうのだ。無論、その度に、読者は宙吊りになる。だけれども、なぜだろう。そうしたやりとりの応酬が、現代を生きる私には羨ましい。ふたりは普通に会話をしているだけだろうに、たったそれだけのことが充分に羨ましい。総じて、言葉が論破だとか動員だとかの道具に成り果てた時代の処方箋として読んだ。今、復刊されることに価値がある。

若林恵(編集者・黒鳥社)による長文レビューは以下よりご覧いただけます。

『長電話』の復刊によせて:ラディカルな編集のスタイルズ

『長電話』について

『長電話』は、1984年に坂本龍一主宰の出版社《本本堂》から最初に出版された、 作曲家・ピアニストの高橋悠治と坂本龍一の対話を収録した一冊です。

長電話で語られる内容は音楽や芸術の枠を超え、多岐に渡り、二人の軽妙な会話から飛び出す言葉の数々は大きな示唆に富むものでした。事実、この本は“長電話“という手法も含め、多くのアーティストに影響を与えることとなり、絶版である今では幻の名著と呼ばれるに至っています。

[対話の話題] *一部抜粋

長電話、大好き/電話というメディア/ウォークマン/ブルース/ロックンロール/ヴィジュアルなコンサート/パフォーマンス/目立ちたがり/見守られる不快/夢の時/現代音楽・コンピュータ・未来/時代のファッション/社会の経済的余裕/都合のいい考え/主義主張/武道館で音楽が成立する時代/正義は勝つか/国家か企業か/CM表現/アメリカの桁/仕事の断り方/お金の話

書籍情報

書名 『長電話』

ISBN 978-4-910865-08-9 

著者 高橋悠治、坂本龍一
デザイン 日本デザインセンター 色部デザイン研究所
発行 一般社団法人坂本図書
発売 バリューブックス・パブリッシング
発売日 2024年8月30日(金)

価格 3,080円(税込)

頁数 225ページ

判型 四六判

バリューブックス予約特典付き購入ページはこちら *8月29日正午まで購入可能

書店向け注文ページのご案内

『長電話』は、「一冊!クラブ」直取引代行を通じて、書店さまの店頭にお届けします。ミシマ社の本のお取り扱いがある書店さまであれば、同様のルートで注文ができます。卸正味は70%となります。

*現在在庫が少なくなっているため、すぐにご用意できない場合がございます。在庫がなくなった場合は、9月末以降順次発送させていただきます。

 ▼一冊!クラブの詳細に関してはこちらからご確認ください▼
 https://1satsu.jp/club/

「一冊!取引所」(https://1satsu.jp/ )より、ウェブ注文をご利用ください。新規口座開設も簡単です。電話・FAXのご注文は、ミシマ社が窓口となって承ります。

 ▼書店さま向け書籍紹介ページ▼
 https://1satsu.jp/item/18004/

バリューブックスは、本書を販売してくださる書店さまとの連携にも積極的に取り組んでいます。フェアやイベントの開催をはじめ、どんなことでもお気軽にご相談ください。

本件に関する問い合わせ

バリューブックス出版担当 神谷(s.kamiya@value-books.jp)

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。