【国立映画アーカイブ】上映企画「没後50年 映画監督 田坂具隆」開催のお知らせ

文化庁のプレスリリース

上映会チラシ

 国立映画アーカイブでは、10月8日(火)より上映企画「没後50年 映画監督 田坂具隆」を開催いたします。

 日本映画の豊かな歴史を眺めた時、文芸映画から戦争映画、青春映画、時代劇に至るまで、誠実かつヒューマニズムに満ちた作風を貫いた田坂具隆(1902-1974)の名を忘れることはできません。しかし、輝かしい作品群に誇りながらも、田坂は長らく再評価の機会に恵まれませんでした。
 没後半世紀となる本年、現存するすべての田坂作品を集めるとともに、彼にゆかりのある人々の作品や、田坂ら戦時下の映画人に賞賛されたドイツ映画を含め、計41作品(32プログラム)という大規模な企画上映となります。併せて開催される当館初の展覧会とともに、その軌跡を振り返ります。

見どころ

現存する田坂具隆監督のすべての作品を集めた大規模な特集上映

 1927年の『更生』から1968年の遺作『スクラップ集団』まで、現存するすべての田坂作品を集めた本企画では、小さきもの、弱きものに一貫して寄り添った田坂の作風に光を当てます。子どもを見つめた文芸作品『この父に罪ありや』(1937)や『路傍の石』(1938)から、戦争映画『五人の斥候兵』(1938)や『土と兵隊』(1939)を経て、生まれ故郷である被爆地・広島で撮った記録映画『ぼくらのゆめ』(1950)、青春映画『若い川の流れ』(1959)、田坂初の本格的時代劇『親鸞』と『続 親鸞』(いずれも1960年)に至る、多彩な作品群を紹介します。また、田坂が力を注いで育成したスターたちの作品にも注目します。石原裕次郎と田坂の初タッグ作品『乳母車』(1956)、中村錦之助主演の『ちいさこべ』(1962)、佐久間良子主演の『五番町夕霧樓』(1963)など、田坂作品の中で光るスターたちの出演作をお楽しみください。

『乳母車』
『ちいさこべ』
『五番町夕霧樓』

田坂具隆監督ゆかりの人々の作品を含む幅広いラインナップ

 公私ともに田坂を支えた俳優の瀧花久子をはじめ、田坂監督のゆかりの人々の作品も含むラインナップ。助監督時代からの盟友・伊奈精一の『家なき娘』(1939)や内田吐夢の『限りなき前進』(1937)、田坂の助監督を務めた小西達三郎が監督し、瀧花久子の弟・瀧花唫一が撮影監督を担った『感激の一夜』(1939)などの上映により、人とのつながりを大切にした田坂映画のひろがりを感じていただけます。戦時下の映画人に賞賛されたカール・リッター監督の『最後の一兵まで』(1937)と『誓ひの休暇』(1938)も上映します。

『限りなき前進』
『誓ひの休暇』
『月よりの使者』

サイレント映画の弁士・伴奏付き上映

 サイレント映画『更生』(1927)と『愛の町』(1928)の上映および、『特急三百哩』(1928、三枝源次郎)と『暢気眼鏡』(1940、島耕二)の上映に際しては伴奏付の上映回を設けています。また、『月よりの使者』(1934)の上映では弁士・伴奏付きの上映回を設けています。サイレント映画伴奏の経験が豊富なピアニストと活動写真弁士の共演にご期待ください。

上映作品41作品、32プログラム

田坂具隆監督作品

更生』(1927)★、『愛の町』(1928)★、『月よりの使者』(1934)★、『この父に罪ありや』[『真実一路』改題短縮版](1937)、『街の魂』(1940)、『ぼくらのゆめ』(1950)、『五人の斥候兵』(1938)、『路傍の石』(1938)、『爆音』(1939)、『土と兵隊』[最長版](1939)、『海軍』(1943)、『情報局制定 必勝歌』(1945)、『君と僕』(1941)、『どぶろくの辰』(1949)、『雪割草』(1951)、『長崎の歌は忘れじ』[短縮版](1952)、『女中ッ子』(1955)、『乳母車』(1956)、『今日のいのち』(1957)、『陽のあたる坂道』(1958)、『若い川の流れ』(1959)、『親鸞』(1960)、『続 親鸞』(1960)、『はだかっ子』(1961)、『ちいさこべ』(1962)、『五番町夕霧樓』(1963)、『』(1964)、『冷飯とおさんとちゃん』(1965)、『湖の琴』(1966)、『スクラップ集団』(1968)

田坂監督ゆかりの人々とその作品

遅咲きの花』(1939、伊賀山正徳)、『感激の一夜』(1939、小西達三郎)、『大地の楽園』(1940、小西達三郎)、『限りなき前進』[改篇版](1937、内田吐夢)、『トーキーステージ竣工式実況』(1936)、『母に捧ぐる歌』(1939、伊奈精一)、『家なき娘』(1939、伊奈精一)、『特急三百哩』(1928、三枝源次郎)★、『暢気眼鏡』(1940、島耕二)★、『最後の一兵まで』(1937、カール・リッター)、『誓ひの休暇』(1938、カール・リッター)

★印はサイレント映画

開催概要

企画名:企画上映「没後50年 映画監督 田坂具隆」

(英題:Tomotaka Tasaka Retrospective)

会期:2024年10月8日(火)-10月20日(日)/11月5日(火)-11月24日(日) ※月曜休館

会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU[2階]

主催:国立映画アーカイブ 協力:午牛会

HP:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/tomotaka-tasaka-retrospective202410/

 問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

チケット:詳細はHPをご確認ください。

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