河出書房新社のプレスリリース
50万部突破のベストセラー小説、映画化も決定した『おらおらでひとりいぐも』(河出書房新社 2017年刊)、6月25日に待望の文庫が発売となります。
『おらおらでひとりいぐも』は文藝賞史上最年長の63歳で第54回文藝賞、その後、第158回芥川賞をダブル受賞した若竹千佐子のデビュー作です。
◯孤独だと決めつけられている独居老人の、イメージとは真逆のあかるい生活
主人公は、74歳でひとり暮らしをしている桃子さん。
24歳の秋、東北の故郷を飛び出し上野に降り立って50年。住み込みのアルバイト、夫との出会いと結婚、二児の誕生と成長、そして夫の死。
「この先一人でどやって暮らす。こまったぁどうすんべぇ」
40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で、ひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、桃子さんの内から外から、声がジャズのセッションのように湧きあがってきて──。
ひとりなのににぎやか! さびしいのに圧倒的に自由!
世間的なイメージでは孤独だと決めつけられている独居老人の、イメージとは真逆のこわいものなしのあかるい生活を描いた本作は、青春小説の対極、歳をとるのも悪くない、と思わせてくれる「玄冬小説」と呼ばれ、桃子さんの同世代、そして他の世代の女性たちからも圧倒的な支持を集め、50万部を突破しました。
◯毎日のように文庫化のリクエストが届いた本作、待望の文庫化!
文藝賞選考委員 斎藤美奈子氏に「東京オリンピックの年に上京し、二人の子どもを産み育て、主婦として家族のために生き、夫を送って「おひとりさまの老後」を迎えた桃子さんは、戦後の日本女性を凝縮した存在だ。桃子さんは私のことだ、私の母のことだ、明日の私の姿だ、と感じる人が大勢いるはず」と評されたとおり、「これは私の話だ」と全国から共感を呼んだ本作。単行本発売から2年半、満を持しての文庫化です。より多くの方に、気軽に手にとっていただけるよう、少し大きめの読みやすい文字組みで刊行します。
2020年秋公開を予定している映画版は、本日豪華キャスト、スタッフ情報が解禁。
https://oraora-movie.asmik-ace.co.jp/
映画の前にぜひ原作をお楽しみください。
【書誌詳細】
『おらおらでひとりいぐも』
若竹千佐子 著
河出文庫 文庫 ● 192ページ
ISBN:978-4-309-41754-7 ● Cコード:0193
発売日:2020.06.25(予定)
『おらおらでひとりいぐも』特設サイト
http://www.kawade.co.jp/oraora/