株式会社グラヴィスのプレスリリース
LAA1
エアロスミスの「エンジェル」がBGMで流れるなか、ステージ袖からメンバーが気合いを入れる声が響く。続いてBGMのボリュームが上がり、暗転、SEが会場を盛り上げると、オーディエンスの拍手と歓声が一気にヒートアップした。
「Don’t be Afraid -English version-」から始まったライヴは、あえて言うまでもなく、このバンドがL’Arc-en-Cielのトリビュートバンドとしての宿命を背負っているがゆえに、セットリストにはL’Arc-en-Cielの曲が並ぶ。しかし、tetsuya(B)、jekyll(Vo)、reno(G)、saki(G)、hibiki(Dr)の5人から放たれる音は、紛れもなく彼らだけのオリジナルだ。むしろ、トリビュートという制約があるからこそ自由な衝動に満ちた、剥き出しのロックバンドの姿が見られる。
続く2曲目に披露したのは、L’Arc-en-Cielが1994年に発表した2ndアルバム『Tierra』に収録されている「Inner Core」。リズムを中心に疾走感を増幅させながら各パートが複雑に絡まり合う展開が魅力の、かなりレアな楽曲であり、こういう曲が今の解釈にきちんと落とし込まれたアレンジで演奏されるというのもLike-an-Angelの魅力のひとつだ。また同時に、この曲をなぜ披露したのかが後ほどこの日のライヴに起きる“事件”の大いなる伏線となっていたということも合わせて記しておく。
さらに「The Rain Leaves a Scar」「Be destined」とL’Arc-en-Ciel初期楽曲を投入していく。まるで自らのルーツを模索するような選曲に、Like-an-Angelとしての確かなオリジナルの萌芽を感じさせた。そしてその土壌はステージなのだという彼らの強い意志も。
jekyllの「Let’s Dance!」の掛け声とともに始まったのは、「Pretty girl」。ひたすらノリのいいポップでパンキッシュな楽曲に会場が揺れる。「海辺」ではシーケンスの音も加えながら、より深い音楽世界へオーディエンスを誘い、儚さと美しさ、そしてゾッとするような悪意までもが共存する「砂時計」へ。この曲の途中、マイクトラブルでjekyllのヴォーカルが出なくなった場面があった。しかし他のメンバーは一切の動揺を表さず演奏は続き、jekyllがマイクをチェンジしているあいだ、サビをオーディエンスが合唱するという、もはや予め決められていたのではないか?と思ってしまうくらい、完璧な“ライヴ”がそこにはあった。
圧巻は「いばらの涙」だった。L’Arc-en-Cielの楽曲の中でも、相当細かな表現力が要求されるという点においてかなり難曲の部類に入るが、タイト、かつ奥行きを感じさせる演奏は、繊細な空気感をきちんとはらみながら、それを壊すことなく空に放つようなバンドとしての一体感を存分に堪能できる珠玉のパフォーマンスだった。特に後半にいくに従い盛り上がっていく楽曲にあって、その手綱の引き締め方と解放の仕方のバランスが絶妙で、オーディエンスの呼吸を巧みに吸い込んで会場ごと震わせていった。
「すごいでしょ。すごくない?L’Arc-en-Cielのトリビュートバンドとかそんなの抜きですごくない?」とtetsuya。そしてメンバーを振り返り、「すごいね」と笑う。
「(演奏しながら)ぶっ飛んでましたよ、『いばらの涙』」とrenoも確かな感触を伝える。
実は、「いばらの涙」はこの日の2ndステージではやる予定になかったという。しかし、あまりに良すぎるグルーヴに、2ndもやろう!となったのだと明かしてくれた。
そして、先ほどのマイクトラブルに触れ(実は「砂時計」の後の「Cureless」でもマイクの音が出なくなった)、tetsuyaが言った。
「マイクの音が出なくなったときに、どうするのかなって思いながら僕はあえて何もしなかった。そしたらrenoくんが演奏しながらちゃんとスタッフに合図を出して伝えてくれて。素晴らしいな!だからほんと、頼もしいです。そして何より楽しい」
「風にきえないで」に続いて披露したのは「bravery」。tetsuyaの印象的なベースから始まるこの楽曲は、どこか懐かしさを感じさせるメロディが、ハッとする言葉とともに心に染み渡る。曲終わり、一際大きな拍手に包まれたのは、オーディエンスからの大いなる感謝のしるしだ。何があってもステージに立ち続ける、tetsuyaの姿勢を誰もが受け入れ、今この場で起こっていることを楽しんでいた。
「スマホ持ってる?次の曲、撮影タイムにしちゃう?」とtetsuyaがいうと、renoが「せっかくファイナルなので」と「Blurry Eyes」、そして本編最後の「GOOD LUCK MY WAY」の2曲でオーディエンスによる撮影が許可された。ラスト2曲、ここまでLike-an-Angelがオーディエンスとともに創り上げた楽園は、極彩色に彩られ、確かな記憶として一人ひとりの心に刻まれた。
さて――。冒頭で伝えたとおり、アンコールではとんでもない光景を目の当たりにすることになる。まずはtetsuyaが「アーティストとして、ミュージシャンとしてみんなを尊敬してるけどさ、一緒にバンドを組んでこんなことになるなんて思ってなかった。みんなに火をつけられて、スイッチを押された感じもあるしね」とLike-an-Angelのメンバーへ素直な思いを語った。そして、「僕たちのこういう場にあの人は入れるかな?」と意味深なことを言うと会場がざわつき始める。
なんと、tetsuyaが呼び込んだのは、Sakura。1997年までL’Arc-en-Cielのドラマーとして在籍していたメンバーだ。「マジで!」「ウソでしょ!」「信じられない!」といった言葉が渦を巻いて、会場はとんでもないカオスに!(ちなみに先ほど伏線と記した「Inner Core」は、Sakuraが作曲で唯一クレジットされている楽曲)。
「去年に初めてライヴをやった代官山UNITから観ていて、トリビュートバンドで、まあそうなんだけど、このツアーを通じてちゃんとバンドとしての塊になっているなって思った」とSakuraが語ると、さらにtetsuyaに「30年越しに言いたかったことがあるとすれば」と言ってこう続けた。「あのときはごめんなさい。今も友達でいてくれてありがとう」。
それを聞いたtetsuyaは後ろを向いて、涙を拭った。
「みんなのおかげ、ほんとに。幸せ」
ステージには、hibikiの隣にSakuraのドラムセットがセッティングされている。曲は「I’m so happy」。1996年にリリースしたシングル「風にきえないで」のカップリング曲で、ファンの間では今でも絶大な人気を誇る楽曲だ。サビに入るSakuraの低音コーラスも聴きどころの一つになっている。Sakuraとhibikiのツインドラムで両者の個性がこれほど際立って聴こえるのもすごい。それが一つの楽曲になるというバンドマジックをその場で見ているような感覚になる。曲終盤には、Sakuraとhibikiによるドラムバトルが実現。元L’Arc-en-Cielのメンバーと、Like-an-Angelのメンバーによる競演を、いったいどんな言葉で表現すればいいのだろう?現実と空想の中間――そんなような気分で、目の前の光景を見つめ、身体に突き刺さる音を受け止めていた。
大歓声に見送られてSakuraがステージを後にした。ここから「賽は投げられた」「Link」「瞳の住人」とパフォーマンスして一気に駆け抜けてツアーファイナルを終えた。
「楽しいよね」と何度も口にしたtetsuya。バンドをやる理由は、もしかしたらそれ以上でもそれ以下でもないのかもしれない。そんな褪せることのない初期衝動をいつまでも響かせるLike-an-Angelの次のライヴが4月26日(土)EX THEATER ROPPONGIで決定した。また、今年12月にはTETSUYAのBillboard Live Tour 2024も決定と、ステージで描く夢は終わらない。
【TETSUYA Information】
■2024年10月3日に行われた“Like-an-Angel”「CLUB CIRCUIT 2024 L’Arclassic」ツアーファイナル、2024年11月10日よりU-NEXTにて独占配信決定!
配信詳細: https://video.unext.jp/livedetail/LIV0000006712
■Like-an-Angel ワンマンライヴ決定!
2025年4月26日(土) EX THEATER ROPPONGI
■Like-an-Angel 初のツアーを収めたブックレット写真集発売決定!
詳細はオフィシャル通販サイト
https://official-goods-store.jp/like-an-angel/
■“TETSUYA Billboard Live Tour 2024”決定!
2024年12月01日(日) Billboard Live TOKYO
2024年12月09日(月) Billboard Live YOKOHAMA
2024年12月13日(金) Billboard Live OSAKA
詳細はTETSUYA OFFICIAL WEB SITE
https://www.tetsuya.uk.com