「働く女性」が当事者となり、多忙で劇場に行けない「リアル」を表す映画賞 今年も開催
特定非営利活動法人映画業界で働く女性を守る会のプレスリリース
子供を育てながら働ける映像業界を目指し、業界全体の労働環境の改善に取り組む、特定非営利活動法人映画業界で働く女性を守る会(https://swfi-jp.org/ 代表:SAORI 以下swfi)では、2023年より、「観たいのに観れなかった映画賞~いやぁ、 時間がなくて~」(略称 MME賞)を開催してきました。この映画賞は、女性たちが映画館で観たいのに忙しすぎて見れなかった映画に投票するものです。3度目となる今回は、「すべての働く女性」が投票できる映画賞として開催、1月24日よりオンラインにて投票を受け付けております。
◆第3回「観たいのに観れなかった映画賞」リリースページ
https://swfi-jp.org/posts/news/3rdmmeawards
2月14日(金)投票締切予定、3月10日(月)結果発表予定
◆開催趣旨「すべての働く女性が映画館に足を運ぶきっかけにつながる映画賞」
MME賞は当初、映画業界で働くキャスト・スタッフの多くが感じている、「映画が好きで映像業界に入ったのに、撮影や子育てが忙しく映画を観に行く時間がない」という皮肉な現状をあえて楽しめる映画賞にしてしまい、映像業界外の方にも知ってもらいたいという気持ちで立ち上がりました。
映画業界で働いていても、メインスタッフ、メインキャストでないと映画賞や映画祭に当事者意識を持てずにいる人が多いのです。「観たいのに観れなかった映画」に投票する映画賞ならば、そういった人たちでも当事者になれる。そしてジェンダーバランス調査によると、受賞者や審査員の女性比率が低いので、ならば最初から女性だけで作り上げよう!と、映像業界で働く女性で作る映画賞として開催してきました。
MME賞はただ投票するだけではなく、労働環境の改善や、映画館に行く機会を増やすことに繋げたい、という思いで、投票時に「どういった環境であれば映画館に行けたか」という質問に答えてもらいそれを可視化することに取り組んでいます。興行収益がもっと向上し潤えば、映画制作の現場も潤い、私たちが本来目指す、「子育てしながら働ける映像業界」という目標に近づくことができるという思いからです。
2年開催してきた中で、「映画館と距離ができているのは映画業界の女性だけではない」というお声をいただいたことと、投票数がもっと多くなれば、興行側にも説得力のあるデータを提示でき、興行収益の向上や現場の労働環境改善が早く進むのでは、という思いのもと、今回から業種に関わらず「すべての働く女性」に対象を広げて開催することとしました。
映像業界で働く女性たちの投票の部門賞は残しつつ、あらゆる業種で働く女性たちが「映画館で観たいのに観れなかった」映画はなんだったのか、どういった環境であれば映画館に行くことができたのか、様々な女性達の『観れない』事情や思いを知る事で今後の映画界がより良いものに変わるように、今年も調査を兼ねた映画賞を開催中です!働く女性の皆様、ぜひ投票をお願いいたします。
(観たいのに劇場に観に行けなかった悔しさを表すため、協議の結果「ら」ぬき言葉である
「観れなかった」を使用しています。)
◆MME賞の目標は「この映画賞が無くなる事」
昨今の働く女性の映画館利用率は全体的に低下傾向が続いており、特に30代以上の女性では約40%が映画館利用を減少させたと報告されています。
(厚生労働省調査より https://www.mhlw.go.jp/content/000505170.pdf)
女性全体で見ると、映画館を「まったく利用しない」割合は31.8%に達し、「1年に1回も見ないことがあるが習慣はある」という層を含めると、60%以上で映画館利用頻度が低い状態です。
(株式会社プラネット調査よりhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000162.000030978.html)
働く女性の映画館離れの要因には、動画配信サービスの普及や、共働きの増加といったライフスタイルの変化、映画館の料金上昇など経済的要因など複数の要因が絡んでいると思われます。swfiではMME賞を通じて、より多くの働く女性のご意見を集め、開いてしまった映画館との距離を、業界と共にもう一度近づけていきたいと考えています。
具体的には、まずすべての働く女性が、1年に1回は映画館で映画を楽しんでいただける環境作りを目指します。
さらに、働く女性が観たい映画を何本でも映画館で観れるような労働環境へと変わる未来を目指して、この『観たいのに観れなかった映画賞』 がなくなることを目標としています。
参考:第2回「観たいのに観れなかった映画賞」投票結果&結果報告書
◆主催団体概要
NPO法人映画業界で働く女性を守る会 swfi (スウフィ) は、映画業界を「子供を育てながら働ける業界にしたい」「映画をつくるたのしさを実感でき、入りたい、続けたいと思える業界にしたい」という思いから誕生しました。私達は、まず女性が抱える悩みや問題点をみんなで共有しながら、労働環境の改善を目指し、それにより女性だけに限らず、芸能・映像業界で働くあらゆるジェンダーの人が安心して働けるようになることを目標にしています。
女性スタッフがどんどん増えている今、自分たちの置かれている状況をみつめて、意見交換ができる場をつくりたい。自分たちの心地の良い映像業界をつくっていきたい。女性スタッフが安心して働き、安心して産休育休を取れるようになり、労働環境が改善されれば、女性だけでなくあらゆるジェンダーのスタッフが働きやすい、持続可能な世界になっていくはず、という思いで活動しています。
スタートアップメンバーは子育て中の女性スタッフに限らず、男性スタッフ、子供のいないスタッフ、妊娠を機に業界をやめた女性など多様なメンバーがおり、ジェンダー問わず賛同してくださるメンバーで活動を行っています。
◆活動内容
設立すぐに、「コロナ禍における芸能・映像業界で働くスタッフ・キャストへの影響実態調査」を実施。2023年には、第1回「観たいのに観れなかった映画賞(MME賞)」開催。ハラスメントセミナーの定期開催。action4cinema 公開 「日本版 CNC、 なぜ必要?」動画内に、swfi実施の[映像業界]なぜやめた?アンケート調査の結果が引用される。正会員登録者は、フリーランス協会の提供するベネフィットプランへの加入特典プランあり。WEBサイト内での相談窓口の設置、気軽に意見交換ができるオンライン談話室を毎月開催、フリーランスで映像業界で仕事をするための心得とストレスチェック票を記載した「心得カード」の作成・配布、専門学校での講演など、働きやすい映像業界にするために、啓発活動を中心に行っています。
・ 団体名:特定非営利活動法人映画業界で働く女性を守る会
Support for Women in the Film Industry.(swfi)
・ URL:https://swfi-jp.org
・ 代表理事:SAORI
・ 設立日:2020年1月8日
◆本リリースに関するお問い合わせ
NPO法人映画業界で働く女性を守る会
E-mail:info@swfi-jp.org