「生きづらさ」を抱えるすべての人に――困難に立ち向かう主人公の成長を描いた桜木紫乃さんの渾身の長編小説『孤蝶の城』は、新潮文庫より本日3月28日発売!

株式会社新潮社のプレスリリース

カーニバル真子として活躍する秀男は、手術を受け、念願だった「女の体」を手に入れます。そして、次々と立ちはだかる壁に挑み――。読む人の運命を変える圧倒的な物語。カルーセル麻紀さんをモデルにした『緋の河』に連なる作品で、本作が完結編に当たります。

著者の桜木紫乃さんが、「自分から逃げない主人公の生き方と成長に、大きく励まされたのは、誰よりも作者であるわたしでした」という本作『孤蝶の城』。

『孤蝶の城』は、俳優のカルーセル麻紀さんをモデルにした小説です。ある対談をきっかけに親しくなったというカルーセルさんと桜木さん。桜木さんが、「麻紀さんのことを小説に書きたいです」とお願いしたところ、「いいわよ。そのかわり、あたしをとことん汚く書いてね」と言われたというエピソードも。

こうして、釧路に生まれ、家を飛び出して札幌、東京、大阪の夜の街、そして芸能界へ道を切り拓いていくまでを描いた『緋の河』、さらにその後モロッコにわたって女の身体を手に入れ、芸能界での生き残りをかけ奮闘する姿を描いた本作『孤蝶の城』が生まれました。

本作の文庫解説で、文芸評論家の内藤麻里子さんは「一人の人間として居場所を求めてもがく哀しみ、苦しみ、そして陶酔にまでも筆が及ぶ物語」と評し、「時代は昭和、悩む余裕がまだ社会になかった。とにかく働いて生きていかねばならなかった。時代は違えど、生きていくとは、そういうことだ。そのことに現代の我々は妙に励まされるのだと思う」と書いています。

桜木紫乃『緋の河』(新潮文庫刊)

■書籍内容

カーニバル真子としてクラブや芸能界で活躍する秀男は、モロッコで手術を受け、念願だった「女の体」を手に入れた! 帰国後の凱旋ショーは大成功をおさめるが、気まぐれな世間の注目を集め続けることは難しい。歌手デビューや地方回り、話題づくりのための結婚などあの手この手で奮闘するが、その先に待っていたのは!? 出会い、別れ、新たな始まり──。読んだ人の運命を変える圧倒的な物語。

■著者紹介:桜木紫乃(さくらぎ・しの)

1965年、北海道釧路市生まれ。2002年、「雪虫」でオール讀物新人賞を受賞し、2007年、同作を収録した単行本『氷平線』でデビューした。2013年、『ラブレス』で島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で直木賞を、2020年、『家族じまい』で中央公論文芸賞を受賞。ほかの著書に『硝子の葦』『起終点駅(ターミナル)』『裸の華』『ふたりぐらし』など多数。

■書籍データ

【タイトル】孤蝶の城

【著者名】桜木紫乃

【発売日】2025年3月28日

【造本】新潮文庫

【定価】1045円(税込)

【ISBN】978-4-10-125486-9

【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/125486/

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