
いつその季節が始まったのか、はっきり意識する瞬間は多くありません。 買い物かごに最初のクリスマス菓子が入ったときかもしれません。 街にイルミネーションが灯り始めたときかもしれません。 あるいは、誰かのためにそっと隠しておく小さなプレゼントを手にした瞬間かもしれません。
気づけば、楽しみは少しずつ増えていきます。
二人でゆっくり過ごす夜。
子どもたちがプレゼントを開ける瞬間の表情。
一年を振り返りながら迎える、静かなひととき。
まだ何も起きていなくても、周りに現れる小さな“サイン”が、心の中に季節の形をつくっていきます。
「もうすぐだな。クリスマスが来る。」
そして、少し立ち止まり、静けさや安らぎを味わう時間が近づいていることを感じます。
そんなタイミングで寄り添う存在が、支援団体や財団です。
PM-International のブランド FitLine から生まれたプログラム PM We Care も、そのひとつ。
困難な状況にある人々、特に子どもたちを支援することを目的とし、教育、水、生活環境の改善に取り組んでいます。
そしてそれは、クリスマスだけの特別な活動ではありません。
一年を通じて、世界中のさまざまな地域で続けられています。
FitLine とは何か
ブランド、製品、そして一時間のいのちというイメージ
FitLine は、サプリメント、フィットネス、ビューティケアといった分野の製品ブランドです。
日々の生活の中で人々に寄り添うことを大切にしており、
より意識的に暮らしたい人、仕事やスポーツ、家族との時間など多忙な日常を整えたい人に向けて、
自分なりの生活リズムやライフスタイルを築くためのパートナーでありたいと考えています。
ただし、FitLine の理念は製品の外側にも広がっています。一つひとつの製品は、もう一つの意味を持っています。
売上の一部が PM We Care の支援プロジェクトに活用されることです。
社内ではこれを「一時間のいのち」と表現します。
厳密な時間ではなく、支援によって生まれる“具体的な一時間の価値”を象徴しています
たとえば、こんな瞬間です。
・本来なら教育を受ける機会の少ない子どもに、学びの一時間を届けること
・危険な水源ではなく、安全な飲料水を一時間安心して使えること
・医師の常駐により、一時間の確かな医療を受けられること
FitLine を選ぶ行動の裏側で、こうした“誰かの一時間”がそっと支えられています。
単に製品を使うことにとどまらず、経済的な成果の一部が支援プロジェクトへと還元される仕組みの一部になるのです。
意識的な消費について考える人が増えている今だからこそ、
自分のことを大切にしながら、同時に他の誰かのためにもなっていると感じられるモデルに意味が生まれます。
自分自身の生活を整えるとき、その決断が、遠く離れた場所で誰かの大切な一時間につながっていく。
FitLine は、その両方を結びつける選択肢の一つでありたいと考えています。
PM We Care と世界の子どもたち – パートナーとともに未来をつくる
PM We Care は、単独で動くのではなく、経験豊富な支援団体と手を取り合って活動しています。
小さな単発の支援をいくつも並べるのではなく、長期的な変化につながるプロジェクトを選び、継続して取り組むことを重視しています。
パートナー団体は、それぞれの地域の状況をよく知っています。
現地の言葉を話し、人々と日常的に関わりながら、どのような仕組みや支援が本当に必要とされているのかを理解しています。
そのため、すべてのプロジェクトは、まず現状を丁寧に把握することから始まります。
今もっとも切実なニーズは何か。
家庭や子どもたちはどのような環境で暮らしているのか。
親たちは自分の子どもにどんな未来を望んでいるのか。
こうした問いに向き合い、その答えをもとに、地域とともに歩む施策が形づくられます。
外部から一方的に押しつけられたと感じられる支援ではなく、
人々自身が必要だと感じ、共に支える取り組みになるよう意識されています。
それによって、善意であっても、実際の生活からかけ離れた支援になってしまうリスクを減らすことができます。
PM We Care が見つめるのは、個々の家族だけではなく、地域全体です。
子どもが教育の恩恵を十分に受けるには、学校という建物があるだけでは足りません。
教える人がいて、学ぶための教材があり、安心して通うことのできる環境が整っていることが欠かせません。
同じように、月に一度だけ医師が来るのではなく、
日常的に相談できる場があることが、本当の意味での安心につながります。
そのため PM We Care のプログラムは、水、教育、医療、インフラなど、複数の分野を同時に支えます。
近くに安全な水があるから、子どもたちは朝から学校に通うことができます。
安全な飲み水の確保は、暮らしの基本のひとつです。
それでもなお、世界には不安定な水源に頼らざるを得ない地域や、衛生環境が十分でない地域が少なくありません。
また、親たちが子どもを近くの病院に連れて行けるようになれば、長い道のりを何日もかけて移動する必要はなくなります。
時間をかけて、地域全体の姿は少しずつ変わっていきます。
一晩で劇的に変化するわけではありませんが、一歩一歩、確かな前進が積み重なっていきます。
PM We Care が目指しているのは、支援を永続的に必要とする状態ではなく、自立へとつながる道筋です。
いずれ地域の人々自身が、整えられた仕組みを引き継ぎ、守り、発展させていけること。
そのために、現地で責任を担う人材を育て、
家族や学校、診療所など、さまざまな場で知識と経験が根づいていくように働きかけています。
同時に、PM-International と FitLine の成長に合わせて、この取り組みも歩みを止めることはありません。
企業の成長にともなって、新しいプロジェクトが加わり、支援できる地域が増え、より多くの子どもたちに手を差し伸べることができるようになります。
こうして PM We Care の活動範囲は、企業の発展と歩調を合わせるように広がり、
経済的な成長が、少しずつ確かな社会的なインパクトへと姿を変えていきます。
具体的なプロジェクトとその広がり水、教育、医療を支える取り組み
水プロジェクトと安全な飲み水へのアクセス
安全な水は、暮らしを支える最も基本的な条件のひとつです。
しかし多くの地域では、長い距離を歩かなければならなかったり、水源が不安定であったり、健康上のリスクを抱えていたりします。
PM We Care は、そうした地域で水プロジェクトを支援しています。
井戸の建設や配管の整備、そして水を浄化するためのシンプルで効果的な仕組みの導入など、
地域に根ざした形で安全な水を届ける取り組みです。
具体例のひとつが、タンザニアのワサ地区でのプロジェクトです。
ここでは、516人の子どもたちとその家族が支援の対象となっています。
重点は、安全な飲み水の供給を長期的に確保することに置かれています。
PM We Care は、支援団体 World Vision と協力しながら、
井戸や給水ポイントの建設・整備・定期的な保守を行っています。
その結果、地域のコミュニティや学校に、将来にわたって利用できる安全な水源がつくられていきます。
村が安定した水源を得ると、日常は目に見えて変わります。
子どもたちは水汲みに費やす時間が減り、より規則正しく学校に通えるようになります。
汚れた水が原因となる病気が減り、家族が治療に割かなければならない時間や費用も少なくなります。
ワサのようなプロジェクトは、安全な水への安定したアクセスが、
日々の健康に結びつき、長い目で見れば新たな可能性をひらくことを具体的に示しています。
学校や医療施設の整備
教育と健康は、自分らしい未来を選び取るための二つの大きな柱です。
そのため PM We Care は、学校の建設や整備、医療施設の拡充を支援しています。
目指しているのは、華やかな象徴ではなく、きちんと機能する場所です。
黒板と机がある教室。
基本的な設備が整った診察室。
雨や強い日差しから人々を守る屋根。
そうした現実的で必要なものに焦点を当てています。
ジンバブエでのプロジェクトは、その一例です。
ここでは PM We Care が World Vision と共に、地域の医療センターの整備を支援しています。
この施設は、子どもたちや母親を中心とした地域全体の医療体制を、長期的に支える場となることを目指しています。
これまで学校に通うことが不規則だった子どもたちも、
学びの場が整うことで、継続的な授業を受けられるようになります。
親たちは、子どもが読み書きや計算を身につけていく様子を目の当たりにし、それが将来の選択肢を広げる力になることを実感していきます。
医療施設や診療所では、妊婦健診や乳幼児検診が行われ、
病気の兆しを早い段階で見つけて対応することができます。
こうした一つひとつは、見た目には派手ではありません。
けれども、多くの小さな改善が折り重なって、
家族の日常を支える基盤が少しずつ、確かなものになっていきます。
家族の日常に生まれる、安心と見通し
水、学校、医療。
これらは、それぞれ別々の取り組みのように見えますが、共通する効果があります。
それは、家族の日常がより見通しのあるものになるということです。
母親が、安全な飲み水が確保されていること、
体調が悪いときに頼れる場が近くにあること、
子どもたちが毎日学校に通えることを知っているとき、
心の中には、数字では測りにくい安心感が生まれます。
その安心感は、生活をはっきりと変えていきます。
絶えず不安を抱える時間が減り、
少し先のことを考えたり、小さな目標に取り組んだりする余裕が生まれます。
家庭菜園に挑戦してみることもあれば、子どもの進学を具体的に思い描くこともあるでしょう。
だからこそ PM We Care は、プロジェクトを始めるだけでなく、
長い時間をかけて見守り、定期的にその変化を確認することを大切にしています。
たとえば、次のような指標が重視されます。
・安全な飲み水にアクセスできる人の数
・定期的に学校へ通う子どもの数
・医療施設がどれくらい利用されているか
こうした数字は、変化を捉えるうえで欠かせません。
一方で、数字だけでは見えてこない部分もあります。
本当の意味での変化は、日常が穏やかで予測しやすくなったときに表れます。
安全な水が当たり前のように利用できること。
必要なときに医療サービスが受けられること。
学校へ通うことが、特別なことではなく、日々の生活の一部になっていること。
このような当たり前の姿は、一日で実現するものではありません。
長く続く支援と、多くの人の関わりが少しずつ積み重なった結果として形づくられていきます。
これからの歩み – 責任を未来へつないでいくこと
最後にもう一度、最初の場面に戻ってみることができるかもしれません。
買い物かごの中の最初のクリスマスのお菓子。
街に灯るイルミネーション。
誰かのために用意しておく小さなプレゼント。
身近な人を思い浮かべて選ぶ、ささやかな贈り物のひとつひとつのあいだに、少しだけ遠くを見つめる選択を一つ加えることもできます。
自分の毎日を少し豊かにしてくれる製品を選ぶこと。
そして、その選択が、どこか別の場所で誰かの一時間のいのちを支える一歩にもなっていること。
二人で過ごす静かな夜を想い、子どもたちの笑顔を思い浮かべる喜び。
その横には、私たちの目には見えなくても、どこかで確かに広がっている光景が静かに寄り添っています。
きれいな水が注がれたコップ。
教室の中の一つの机といす。
病院までの安全で短い道のり。
PM We Care の根底にあるのは、まさにそのイメージです。
この季節のあたたかさを、自分の家の玄関先で終わらせるのではなく、
少し先へ、まだ出会ったことのない誰かのもとへと届けていくこと。
その想いとともに、PM-International と FitLine、そして PM We Care の活動は、これからも歩みを続けていきます。

