『MACO~Thanks, goodbye next Tour 2025~』ツアーファイナルの12/7(日)ラフォーレミュージアム原宿のライブレポートが到着!
株式会社ディスクガレージのプレスリリース

多彩なラブソングで愛と恋を紡ぐシンガーソングライター、MACOによる全国ツアー『MACO~Thanks, goodbye next Tour 2025~』の千秋楽が、12月7日にラフォーレミュージアム原宿にて開催された。
かつては「自分の歌を聴いて、みんなにも恋愛したくなってほしい」と思っていたMACO。しかし現在は、「音楽って耳に響いて、心にも響いて、鼓膜にも響いて「いい音楽だな」って思うのが入口だなって思ったりする」なんて口にする。今回の『Thanks, goodbye next』は、MACOが「リスナーに恋愛したくなってほしい」と願っていた自分に感謝を伝えると共に、次のフェーズに進んでいくための一歩を踏み出したような公演だった。
場内BGMが直前SEの般若「INTRO」へ移り変わると、一斉にTEAM MACO (MACOのファン呼称)はスイッチオン。「待ちに待った時間が、いよいよ始まる」と言いたげに空気がグッと熱くなる。暗転したステージを赤いライトが照らせば、いよいよ真打ちMACOの登場だ。
淡いピンク色のレースが印象的な衣装で姿を現すやいなや、「東京よろしくー!」とフランクに声かけ。肩の力が抜けた雰囲気で「LOVE MYSELF」を導いた。両親を思い描きながら《ママはいつも泣いてたね パパは最期逢えずに 今は一番星に》と口ずさんだかと思えば、《私が出来ることは 遠く彼方まで この声を届けること》と決意を固く刻みこむ。堂々とした佇まいは「今回のメインテーマがこれです」と言葉なく告げるよう。《愛するみんなへ》と差し伸ばされた手は穏やかで、一緒に未来を作っていく希望に溢れていた。とはいえ、甘く優しくだけでは行かないのがMACOスタイル。「盛り上がりが足りないんじゃない? 今から最終日だよ!」と焚きつけ、「初恋はいつも君と」へ。手元のリングライトを輝かせながら、少女のようにキラキラと瞳を輝かせる。「恋人同士」では舞台上にダンサーを呼びこみ、仲良くステップ。彼女たちに合わせて場内のサイリウムも左右に揺れ、一体感のある空気を作り出していた。
胸に手を当てながら深々と礼をして、潜りこんだのは「深夜3時」だ。艶やかで切ない歌声に、オーディエンスもスゥッと吸い込まれていく。「君が教えてくれたもの」ではビブラートを響かせ、震える心をスキルで表現していた。このまま順調に進んでいくかと思えたが、「ちょっと待ってね」とフロアに声をかけるMACO。どうやら音の聴こえかたに違和感を持ったようで、リアルタイムで音響をチェックする。TEAM MACOも「最高の歌を届けたい」というMACOの想いを感じつつも、内心はドキドキしていたのだろう。テストとして「End Love?」が封切られると、手に汗握るようなハラハラ感が充満した。1フレーズを歌い切って確認を済ませたMACOは「仕切り直して、聴いてください」と告げ、もう1度「End Love?」を投下。想いを宿すように、祈りをこめるように、丁寧に言葉を編みあげていく。TEAM MACOの緊張も解けたようで、伸びやかなボーカルにゆったりと身を委ねていた。
続いては、会場一体となって盛り上がるポップソングゾーンへ。「0時過ぎてもシンデレラ」がドロップされると、再びダンサーが顔を出した。恋に心弾ませる気持ちを歌とダンスに乗せて、ポップで軽やかに魅せていく。さらには、キーボードとダンサーの紹介に連ねて、「動揺している! 歌手を辞めない、シンガーソングライターのMACOです!」と力強く宣言。タオルやライトスティックがクルクルと空を舞う「Sweet and Bitter」、ハツラツとして声で《Hey!》と合いの手が沸き起こる「PEEKABOO」と、華やかなアップチューンが繰り広げられていく。オーディエンスの熱が上がったのを感じたのか、「MACOの違和感に気づいて、みんな盛り上がってくれましたね。これが絆!」とMACOもにっこり。TEAM MACOは、ハプニングすら味方にして団結力を生み出し、楽しいライブの糧にしていった。
その後も、たくさんのファンに愛されている「lonely」、前日のリクエストを受けて追加された「夜明けがくるまで」を披露。そして、「ハートを壊されたことがある人もない人も、この曲を聴いて『ふーん』って思ってもらえればいいと思います。恋愛なんて別にしなくてもいいし、私のことを応援したかったらしていいし、離れたいと思ったら離れてくれていい。音楽は自由だと思ってます。だけど、ここにいるみんなは、私の味方だと思ってます」と語りかけ、最新シングルの「HEARTBREAKER」を誘った。胸のうちを吐露するように、大人びた声色で言葉を紡ぎあげていく。《ありがとう バイバイ 忘れないよずっと。》と呟きながら、左手のリングライトに視線を馳せるさまは憂いを帯びていた。
このまましっとりと幕を下ろすと見せかけて、なんとMACOから嬉しいサプライズ。「『HEARTBREAKER』で終わるはずなんてない!」と明言し、間髪を開けずに「We Gonna be Happy」へなだれこんだ。一瞬にして、しんみりムードはハッピー空間にチェンジ。最後まで遊びつくすぞと言わんばかりに、最後のギアを踏みこんでいく。ラストには「さよならもう」で言葉ひとつひとつを真剣にマイクへ落としこみ、弱さもひっくるめて自分らしく進んでいくMACOの生き様を焼きつけたのだった。
TEAM MACOによる「LOVE」の大合唱を経て、アンコールへ突入。黒のパーカーに着替えたMACOは、ハリのある声質で「だから終われない恋」を歌い上げる。自身について《くだらないね》と零しつつも、決して非難するようなニュアンスはなく、すべてを受け入れたうえで前を向く彼女の凛々しさを映し出していた。
オオトリのMCでは「今日は頭のなかが真っ白になるような日だったけど、これもまた運命。決まっていたことだなって思うと、どうってことないよね」と笑い飛ばすMACO。そのまま「人生は前向きに生きましょう。1秒前のことも過去だから、前に進むしかないよね。やりたいことを何歳から始めても遅くない。恋とか愛とか夢とか何歳からだっていいし、なんだっていいよ。しゃべるよりも、この曲を歌ったほうがみんなに伝わるかな」と続け、《心はずっと自由でいいんだよ》と呼びかける「タイムリミット」へ繋いだ。ピンクの照明を背負いながら《前進あるのみ》と突き出す拳はパワフルで、自分の心に偽りなく生きていくと決めた彼女の信念を感じさせる。「気持ちは素直に、心は正直に」とメッセージを残し、ステージを後にしたのだった。
<SET LIST>
1. LOVE MYSELF
2. 初恋はいつも君と
3. 恋人同士
4. 深夜3時
5. 君が教えてくれたもの
6. End Love?
7. 0時過ぎてもシンデレラ
8. Sweet and Bitter
9. PEEKABOO
10. lonely
11. HEARTBREAKER
12. We Gonna Be Happy
13. さよならもう
encore
14. だから終われない恋
15. タイムリミット
12/7 Final Tokyo
16. 夜明けがくるまで

<ライブ写真>





取材・文/坂井彩花、撮影/ TOYOHIRO MATSUSHIMA
●MACO オフィシャルサイト

