本作は5つの国際アワードを受賞、日本国内でも映画祭での上映や、「AIと倫理」をテーマにしたトークイベントを開催しています
株式会社Creator’s NEXTのプレスリリース

アーティスト 窪田望が監督したドキュメンタリー作品『AIが消し去る声』がBerlin Indie Film Festivalのショートドキュメンタリー部門にて、最優秀監督賞を受賞しました。本作は「AI社会の背後にある分類の暴力性」を、生まれつき5本指ではなく暮らす裂手症の当事者やご家族、医療従事者の方々への取材映像をもとに浮かび上がらせる作品です。
本作で投げかけている問いを より広範な国際的対話へと拡張していくために、日本国内でも東京ドキュメンタリー映画祭での上映や、特別トークイベントを開催するなど、精力的に活動を展開しています。
■Berlin Indie Film Festivalについて
Berlin Indie Film Festivalは、ベルリンで開催される国際的なインディペンデント映画祭で、世界中から集まった映画を上映し、独立系の才能ある制作者の発掘と紹介に力を入れています。
受賞作はベルリン各所の映画館で上映され、長編・短編・ドキュメンタリーなど幅広いジャンルで多数の賞が授与されます。映画技術や表現の独自性、ストーリーテリングの質を重視し、新進クリエイターにとって国際的な発信と評価の場となっています。

■ドキュメンタリー作品『AIが消し去る声』について

生成AIの現場ではよく5本指にならないトピックスが話題になります。エンジニアは、5本指にならない指を5本指にするために大量のGPUや電気代を使ったりしますが、果たしてその行為はただのエラー修正、と記述して良いものなのか?「そこには排斥されているマイノリティの暮らしがあるのではないか。」窪田はそう考え、生まれつき5本指ではなく暮らす裂手症の当事者やご家族、医療従事者の方々に話を伺い、ドキュメンタリー形式の映像作品を制作しました。
出演(敬称略)
浅原ゆき (NPO法人Hand&Foot)
大塚悠 (NPO法人Hand&Foot)
川端秀彦 (南大阪小児リハビリテーション病院 院長)
すらいむ (インフルエンサー、起業家)
■5つの国際映画祭・国際アートアワードで受賞させていただきました
今回の受賞で、『AIが消し去る声』は国際映画祭・国際アートアワードで5つめの受賞となります。
・アメリカ ハリウッド Hollywood Stage Script Film Competition2025にて
「BEST SHORT DOCUMENTARY」受賞
・アメリカ ニューヨーク ICP Entertainment Film Festival2025にて
「BEST HUMANITY FILM」受賞
・タイ・日本 CENRETA ART AWARD 2025にて
「最優秀賞」受賞
・インド 第14回 Delhi Shorts International Film Festivalにて
「BEST DOCUMENTARY」受賞
・ドイツ Berlin Indie Film Festivalにて
「ショートドキュメンタリー部門 Best Director」受賞
■日本国内でも、特別上映や「AIと倫理」をテーマにしたトークイベントを開催
本作で問題提起しているのは、『AIの進化の影で無自覚に進むマイノリティの排斥』です。この問いをよ
り広範な国際的対話へと拡張していくために、日本国内においても精力的に活動を展開しています。2025年12月には、東京ドキュメンタリー映画祭での上映や、東京渋谷で開催されたAI BB TOKYO 2025 のプログラムの一環として、特別上映&トークイベントを開催しました。
AI BB TOKYO 2025 のプログラムの一環として、特別上映&トークイベントを開催




特別上映&トークイベントでは、本作の上映後に窪田が登壇し「AIと倫理」をテーマに鑑賞者とオープンなディスカッションを実施。
「AIに何を教え、何を教えないべきか」
「そもそも私たちは倫理的な態度を取ることができるのか」
「AIがまったく知らないデータは、どのように扱われるのか」
といった問いが次々と投げかけられ、窪田と鑑賞者とのあいだで応答が往復する、緊張感のある時間となりました。ディスカッションを通して共有されたのは、特定の結論に収束しない「AIと倫理」というテーマの深さと、考え続けることの重要性でした。
その後、
・裂手症の当事者であり、インフルエンサーでもある すらいむさん
・NPO法人Hand&Foot 代表理事の浅原ゆきさん
ドキュメンタリーの出演者である2名が登壇。クロストーク形式のトークイベントも行われました。
トークで共有されたのは、ドキュメンタリーの中でも触れられた「いなかったことにされてしまう恐ろしさ」。誰かを積極的に排除するのではなく、最初から存在しなかったことにする——その構造自体が、現在のAI社会の根幹にあるのではないか、という問いが投げかけられました。
■現代美術家 窪田望の活動について
コンセプト『外れ値の咆哮』
AIの社会実装事業を推進する企業の経営者としての顔を持ち、国内外に20のAI特許を持つ窪田は、これまでデータ解析やAI 技術を20年来研究してきました。AI開発の現場では入力するデータに異質なデータが混じると良い出力精度が出なくなることがあり、これを外れ値と呼び、通常はこれを排除します。窪田は「社会的マイノリティーなどの生活は無視されて良いはずはないのに、進化の過程で見落とされている」とこれらの実態に疑問を感じました。作品制作を通じて、社会の中で不要とされてきた外れ値の価値を再評価し、本質的価値を浮き上がらせるような表現を追求していこうとしています。


