本事業は、沖縄県および公益財団法人沖縄県文化芸術振興会による「令和7年度 沖縄文化芸術の創造発信支援事業」の支援を受けて実施した取り組みです。
琉球コンパス合同会社のプレスリリース
琉球器楽の会(主催)は2026年2月11日(水)、那覇文化芸術劇場なはーと 小スタジオにて「琉球箏低十三絃(仮称)製作発表・試演会」を開催しました。沖縄の器楽アンサンブルにおける課題の一つである“低音域”に着目し、琉球箏の新たな可能性として低音域を担う試作楽器を開発。本試演会では、製作の背景や意義を共有するトークセッションと、試作1号を用いた試演会(演奏披露)を行い、終演後には有識者を交えた意見交換会を実施しました。
●“低音が入ることで、合奏の景色が変わる”~新たな器楽合奏の選択肢へ
琉球器楽の会は2018年の発足以来、「楽器が主となる」をテーマに、琉球古典芸能に伝承される箏・胡弓・笛を中心とした器楽合奏の可能性を追求してきました。一方で、近現代において琉球楽器を用いた音楽創造が広がるなか、アンサンブルに不可欠な“低音域”を十分に担いきれないという課題も共有されてきました。
本試演会は、その課題に向き合い、琉球箏の音域を拡張する新楽器「琉球箏低十三絃(仮称)」の試作1号を公開し、実演と議論を通して改良点と将来像を探る場として実施しました。
▼当日配布パンフレット(PDF)
パンフレットをオンラインでご覧いただけます:
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● 事業が目指す「3つの変革と創造」
本事業は、沖縄県・公益財団法人沖縄県文化芸術振興会「令和7年度 沖縄文化芸術の創造発信支援事業」の支援のもと、新楽器「琉球箏低十三絃(仮称)」の開発を通して、沖縄の器楽合奏の可能性を拡張する取り組みです。2月11日の試演会は、試作1号を公開し、実演と意見交換を通じて改良点と将来像を共有する“検証の場”として実施しました。
本事業では、低十三絃の開発を契機に、次の3つの変革と創造を図ります。
1)⦅音楽及び楽器⦆の変革と創造
器楽合奏における“低音域”という課題に向き合い、琉球楽器側で低音を担う新たな選択肢を提示します。音域が拡張されることで、合奏の設計や響きの厚み、表現の幅を広げ、沖縄の音楽表現に新しい可能性を生み出します。
2)⦅享受者⦆の変革と創造
器楽が主役となる舞台体験や、新しい響きを入口に、伝統音楽に馴染みの薄い層にも届く発信を行います。試演会・記録・情報公開を通じて“知る/聴く/感じる”機会を広げ、沖縄の伝統音楽の受け手(享受者)を増やしていきます。
3)⦅担い手⦆の変革と創造
開発と検証のプロセスを共有し、演奏家・製作者・研究者が連携できる環境を整えることで、次代を担う人材が挑戦しやすい土壌をつくります。新楽器の整備と新レパートリーの創出を並行して進め、器楽分野の担い手の裾野拡大と継承につなげます。
● 開催概要
イベント名:琉球箏低十三絃(仮称)製作発表・試演会
開催日:2026年2月11日(水・祝)
会場:那覇文化芸術劇場なはーと 小スタジオ(沖縄県那覇市久茂地3-26-27)
料金:観覧無料(要予約)
主催:琉球器楽の会
支援:沖縄県/公益財団法人沖縄県文化芸術振興会(令和7年度 沖縄文化芸術の創造発信支援事業)
【第1部】試作品発表会(トークセッション)
製作に至った背景や狙い、今後の展望について、演奏家・研究者・製作者が登壇し、多角的な視点で共有しました。
登壇者
池間北斗(琉球箏曲家/琉球器楽の会)
三島わかな(沖縄音楽史研究家)
中井智弥(生田流箏曲家・二十五絃箏奏者・作曲家)
中島卓(株式会社琴光堂)
又吉恭平(琉球芸能史研究家/琉球器楽の会)
入嵩西諭(琉球笛奏者/琉球器楽の会)
【第2部】試演会
試作1号を用いて、低音域が加わることによる響きや合奏バランスを実演で提示しました。
演目
1.琉球箏曲・低十三絃 斉唱「地菅攪・対馬節」
箏:中村優希/低十三絃:林杏佳
2,沖縄音楽メドレー
「てぃんさぐぬ花~赤田首里殿内~ヒヤミカチ節」
箏:中村優希/低十三絃:池間北斗
3.組曲「千鳥の系譜」
歌三線:仲村逸夫/箏:池間北斗/低十三絃:町田倫士/笛:入嵩西諭
4.琉球箏四重奏「浅葱色に澄む」(作曲:中井智弥)
箏1:中村優希/箏2:池間北斗/箏3:林杏佳/低十三絃:町田倫士/笛:大城建大郎
終演後には有識者・関係者を交え、音色、合奏時の役割、運用面(調弦・配置・演奏性)などについて意見交換を実施。試作1号の検証結果をもとに、次段階の改良・展開につなげるための議論を行いました。
本試演会で得られた所感と議論を踏まえ、琉球箏低十三絃(仮称)の試作を継続し、改良を重ねていきます。あわせて、低十三絃を取り入れた器楽曲の演奏機会を創出し、沖縄の伝統音楽の新たな表現の可能性を広げるとともに、担い手・享受者の拡大につなげていきます。
●琉球器楽の会について
琉球器楽の会は、琉球古典音楽の地謡を構成する「琉球箏・胡弓・琉球笛」の演奏者で構成される団体です。器楽が主役となる舞台を通して、楽器そのものの魅力と表現の可能性を探ることを目的に2018年に発足。自主公演シリーズ「Reverberation」を軸に、伝統的な技芸の継承を大切にしつつ、近年沖縄で生まれた楽曲や新作にも取り組み、器楽合奏のレパートリー拡張と新たな客層の獲得を目指しています。