株式会社ソウワ・ディライトのプレスリリース

5月16日、音楽家・冥丁による公演「赤城 夜神楽」が、群馬県前橋市の三夜沢赤城神社にて開催されます。本公演は、最新作『瑪瑙』の発売記念巡演の一環として行われるものです。拝殿前でのご祈祷から始まり、日の入りとともに演奏へと移行する本公演は、神社という場に流れていた時間の在り方を、あらためてひらく試みでもあります。私たちの力の及ばぬ自然や存在に対する感謝や祈り──かつて日常の延長線上にあったそうした感覚は、いま、少しずつ遠のきつつあるのかもしれません。本公演は、その記憶に静かに触れるひとつのきっかけとなるでしょう。主催は、前橋を拠点とする電気工事会社、SOWA DELIGHT。赤城という場との長い関係性の中で育まれてきた文脈のなかに、この一夜が立ち上がります。
ご神域の森と共鳴する音
これまで冥丁は、前橋の文化財・臨江閣での演奏(2024年)、そして赤城山・小沼での演奏(2025年)を通して、この土地と静かに関係を深めてきました。湖畔での音が風景に溶けていった昨年の体験を経て、今回の舞台となるのは、三夜沢赤城神社の境内にあるご神域──約2000年の時間を内包する鎮守の杜です。
本公演は、あらかじめ構築された演出を提示するものではありません。冥丁自身も「何が起こるかわからない」と語るように、その場に身を委ね、場所と響き合うことで立ち現れる時間そのものが、体験の核となります。
神社という場を、思い出す
本公演において問われているのは、単に“神社で演奏する”ということではありません。
八百万の神という感覚が示すように、日本には水や風といった自然、人の力の及ばない存在への感謝と畏れがありました。神社とは、そうした存在に向き合い、その関係を確かめ直すための場でもあったはずです。
しかし現代において、神社や神楽、鳥居といった存在の意味そのものは、少しずつ遠のきつつあります。本来それは、特別な儀式ではなく、「いただきます」と口にするような、日常の延長線上にあった感覚でもありました。神楽とは、神を迎え、人と神のあいだにある境界をひらくための行為です。そのための場として設えられてきたのが神楽殿であり、そこは単なる舞台ではなく、見えない存在と人とが交差する場でした。
本公演では、拝殿前での御祈祷から始まり、日の入りとともに演奏へと移行していきます。その一連の流れそのものが、かつての神楽の在り方を現代に呼び戻す構造となっています。
ライブ演奏というよりも、場に身を置き、音を通して忘れかけていた感覚に触れる。そのための時間が、この夜にひらかれます。


小沼での奉納演奏「幽愁」を経て、冥丁が見つめ直すもの
2025年、冥丁は赤城山の山頂に位置する火口湖「小沼」で演奏を行いました。水神が宿る神域とされてきた小沼では、当時、水位が急激に低下し、数ヶ月で半分以下にまで減少する異変が起きていました。その状況を受けて行われたのが、「雨乞い」としての奉納演奏です。松明の音だけが響く空間で「自分がどこにいるのかわからない」という感覚の中に立つ時間は、音楽を志した原初の記憶と重なるものでした。この体験は、“幽微なもの”をつくり続けることへの確信を与えたと冥丁は語ります。
今回の赤城神社での公演は、その文脈を引き継ぐものです。湖への祈りから、神と人とが交わる場へと移行し、人が拠り所としてきた自然やその摂理への感謝を見つめ直す機会として行われます。


冥丁コメント
20代の頃から、広島・尾道そして京都という土地で、一人音楽と向き合ってきました。その孤独な時間の中で、誰もが生活の中で感じ知りえているはずなのに言葉では言い表せない微かな日本の印象──自明でありながらも幽微な存在として漂う日本──を「失日本」と名づけて、日本を主題とした独自の音楽表現を行ってきました。
表現を続ける中で、自分なりの「拠り所」と呼べるものが、少しずつ見えてきたように感じています。それは、自分の目的や存在を超えたところにある魂に近いものです。
世の中には様々な正しさがあります。そこに自分の感覚が合わないと感じる人がいるのは自然なことだと思います。そのような経験は私達の心に自身の「拠り所」を与え、運命に試されるように、私達の抱く正しさを見出す瞬間を授けてくれているのだと思います。私にとって音楽はそのような意味を持っています。
小沼での演奏では、意識が深く沈んでいくような、自分がどこに立っているのか分からなくなるような感覚がありました。その瞬間に感じたこの感覚は、どこかでその「拠り所」と繋がっている気がしています。今回の公演も、どのような形になるのかはまだ分かりません。ただ、音楽が導く流れに身を任せて最後の瞬間を迎えたいと思います。渡邉さんや眞隅田宮司をはじめ、自分を繋いでくれる方々の存在や流れのようなものは、確かに感じています。そうしたものと向き合いながら、演奏できることを楽しみにしています。
なぜデンキの会社が本公演を主催するのか
本公演を主催する SOWA DELIGHT は、デンキを扱う企業でありながら、「何を照らすべきか」という問いを起点に活動を続けてきました。利便性の先に、本当に照らすべきものは何か。その問いの先にあったのは、「未来そのものを照らす」という視点でした。その実践として、代表・渡邉は赤城神社の思想に着想を得て《鏡界の鳥居》を制作し、境内に奉納しています。この作品は、鳥居という境界の意味を問い直すものです。
本公演もまた、その延長線上にあります。音を通して、神社という場の意味や、人と自然の関係をあらためて問いかける試みです。

実施概要
冥丁『瑪瑙』発売記念巡演2026
前橋公演「赤城 夜神楽」
開催日 | 2026年5月16日(土)
会場 | 三夜沢赤城神社 境内(群馬県前橋市三夜沢町114)https://akagi-jinja.com/
開催時間 | 開場 18:00 / 御祈祷 18:30 / 開演 18:44(日の入り)/ 終演 20:00-20:30頃
*開演に先立ち18:30より神社拝殿前にてご祈祷を行いますので、時間厳守でお集まりください
初穂料 | 10,000円
*ご来場の皆様には、御神木を用いたお守りとともに、お茶とお茶請けの振る舞いをご用意しております。
*当日券の販売は未定です。
出演 | 冥丁
ご祈祷 | 三夜沢赤城神社 眞隅田 宮司
振る舞い | お茶:RAVE ESTATE / お茶請け:ヤマノタミ(yamano food labo)
チケット販売 | Peatix
販売開始:2026年4月11日(一粒万倍日) 10:00より
*チケットご購入前に下記の【注意事項】を必ずご確認ください。
*ご購入後のお客様都合によるキャンセル・変更はできません。
アクセス | 三夜沢赤城神社 https://akagi-jinja.com/access/
Google Map https://maps.app.goo.gl/CAj6WQeGM1mQBSx8A
お車でお越しの場合:北関東自動車道「伊勢崎IC」より約30分(駐車場あり)
公共交通機関をご利用の場合:上毛電気鉄道「大胡駅」より予約制ふるさとバスで約20分
*ご注意:終演後の時間帯は赤城神社から最寄り駅へのバスの運行はございません。タクシーをご利用ください。
注意事項 |
*本公演は神社境内にて執り行われますので、節度を持ち、心穏やかにご高覧ください。
*本公演は屋外での開催となります。雨天時はステージ付近での傘の使用を禁止とさせていただきます。レインコート等をご利用ください。
*開演に先立ち、拝殿前にて御祈祷(18:30開始)を行います。時間厳守でお集まりください。
*会場内は全面禁煙となっております。
*終演後の時間帯は、赤城神社から最寄り駅へのバスの運行はございません。公共交通機関でお越しの場合は、タクシーのご利用をご検討ください。
主催 | SOWA DELIGHT http://www.sowadelight.com/#1
お問い合わせ | TEL 027-266-6711(担当:今井・中里)
協力 | 三夜沢赤城神社 https://akagi-jinja.com/

『瑪瑙』について


<商品情報>
発売日 : 2026年4月17日(金)
アーティスト:冥丁(めいてい)
タイトル : 瑪瑙(めのう)
レーベル:KITCHEN. LABEL
流通 : Inpartmaint Inc.
フォーマット①国内流通盤CD
本体価格 : 3,520 (税込)
フォーマット②国内流通盤LP(*180g重量盤アナログ)
本体価格 : ¥5,940(税込)
フォーマット③デジタル配信
収録曲(*カッコ内は説明)
1. 覇王(未発表新曲)
2. 新花魁(古風 2020年「花魁Ⅰ」再編成)
3. 新貞奴(古風 2020年「貞奴」再編成)
4. 新和蝋燭(古風Ⅲ 2023年「和蝋燭」 再編成)
5. 旧劇(古風Ⅱ 2021年「忍」「黒澤明」再編成)
6. 新花魁Ⅱ(古風 2020年「花魁Ⅱ」 再編成)
7. 新江戸川乱歩(古風Ⅲ 2023年「江戸川乱歩」再編成)
第1弾先行シングル「新花魁」ストリーミング配信中
https://kitchenlabel.lnk.to/52P3moDM
第1弾先行シングル「新花魁」ミュージックビデオ公開中
https://youtu.be/HE3cKoq8Q0o?si=SgWs_w-V28B2u6rf
第2弾先行シングル「新和蝋燭」ストリーミング配信中
<作品説明>
2020年から2023年にかけて発表された三部作『古風』において、冥丁は“自明でありながらも幽微な存在として漂う日本”の印象を「失日本」と名付け、日本文化から失われつつある感覚や記憶を現代的な感性で再構築してきた。最新作『瑪瑙』は、『古風』を追伸し、進化させた作品である。
長い時間をかけて層を成し、圧力と沈殿を経て形成される鉱物・瑪瑙の生成過程を音楽的思考の比喩とし、粒子が積み重なり、層をなし、やがてひとつの質感となるように、冥丁は過去の作品と向き合い続けてきた。
本作には、『古風』三部作の楽曲を再構築・拡張した作品群に加え、新曲も収録されている。日本・欧州・アジアを巡るツアーで、ライブハウスや文化財、歴史的建造物など多様な空間で演奏を重ねる中で変化してきた楽曲の構造や時間感覚が再編成され、現在の冥丁の視座から再提示されている。環境によって息遣いや佇まいを変え、時間の流れとともに革新してきた音。その堆積が本作に刻まれている。
20代の頃より京都に身を置き、自転車で町を巡りながら夜の路地や寺社仏閣、池に浮かぶ月影、暮らしの奥に潜む気配を見つめ続けてきた冥丁にとって、日本とは単なる固定された様式ではなく、辺りを漂い続ける印象であった。そこで着想を得た音楽を「失日本」と名付け、誰もが感じる言葉にならない繊細な感覚を音として提示してきた。
『古風』三部作は、民俗、怪談、演劇、忘却された都市の記憶といった断片を素材としつつ、単なる歴史の再現ではなく、現在の視点から過去を見つめ直す試みでもあった。
『瑪瑙』では、その視線がさらに内側へ向かう。過去を参照するのではなく、過去を抱えながら今を前進する姿勢が鮮明に表れている。朽ちゆく音の層を漂う声、非伝統的に用いられる古楽器、明確な終止を持たない旋律。そこには、日本的感性を問い続けてきた冥丁の現在地が示されている。
本作のジャケット原画は、京都・西陣の唐紙工房「かみ添」による京唐紙作品を基に制作された。京唐紙とは、版木を用いて和紙に文様を写し取る、京都に古くから伝わる装飾技法である。平安時代より、寺社や町家を彩り、日本の美意識と共に受け継がれてきた。冥丁が「失日本」という視点から日本的感性を再解釈してきたように、「かみ添」もまた伝統技法を現代の感性で再構築している。本作では、その原画をもとにアルバムのアートワークの仕様として印刷再現している。
タイトルの書は、冥丁が自ら台北で声をかけたBio Xieによるもの。海外公演の折に台湾で感じた、現代の日本から失われつつある時代を越えて残る記憶の残り香。そのような背景とBio Xieの漢字表現が響き合い、本作への参加が実現した。
ライナー写真は、前作『泉涌』のビジュアルも手がけた写真家・岡本裕志によるもの。冬の海、孤高の断崖、砕ける波。それらは、広島で過ごした十年間の内面的な孤独な葛藤を象徴している。
マスタリングは、Flying Lotus、Madlib、J Dillaらの作品を手がけてきたKelly Hibbertが担当。
『瑪瑙』は、「失日本」という視点を掲げ続けてきた冥丁が、さまざまな経験を重ねた先に見出す現在の姿。それは、時間の堆積の中から立ち上がる、新たな音楽の結晶である。
冥丁 プロフィール

冥丁は、“自明でありながらも幽微な存在として漂う日本”(誰もが感じる言葉では言い表せない繊細な日本)の印象を「失日本」と名付け、日本を主題とした独自の音楽表現を展開する、広島 尾道出身・京都在住のアーティストである。現代的なサウンドテクニックと日本古来の印象を融合させた、私的でコンセプチュアルな音楽表現を特徴とする。『怪談』『小町』『古風(Part I, II, III)』からなる三部作シリーズを発表し、その独自性は国際的に高く評価されている。TheWireやPitchforkなどの海外主要音楽メディアからも注目を集め、冥丁は近年のエレクトロニック・ミュージックにおける特異な存在として確立された。⾳楽作品の発表だけに とどまらず、国際的ブランドや⽂化的プロジェクトのための楽曲制作に加え、国内外における公演活動や⾳楽 フェスティバルへの出演、ヨーロッパやアジアでのツアーを通じて活動の幅を広げてきた。さらに近年は、寺 院や⽂化財、歴史的建造物といった空間での単独公演へと表現の場を拡げ、⽇本的感性と現代的表現の新時代 を⾒いだし続けている。
Instagram:https://www.instagram.com/meitei.japan
SOWA DELIGHT 会社概要

株式会社ソウワ・ディライトは、「宇宙のミライにワクワクする」をビジョンに掲げる電気工事会社です。デンキにアートと遊び心を融合させた異色のコミュニティです。白馬やロバを社員とし、子供をオフィスに迎え入れ秘密基地を作るなど地域に開放。万博での光のアートや街づくりを通じ、常にワクワクを創造しています。
HP:http://www.sowadelight.com/#1
Instagram:https://www.instagram.com/sowadelight/

