日本のロマンチック・コメディ映画の輝き【2026年5月15日~8月2日】
学校法人早稲田大学のプレスリリース

早稲田大学坪内博士記念演劇博物館(所在地:東京都新宿区西早稲田1-6-1、館長:児玉竜一)は、2026年春季企画展として2026年5月15日より企画展「千変万化する恋 日本のロマンチック・コメディ映画の輝き」を開催します。
「恋愛」という翻訳語が生まれた明治期以来、知識人の間で「新しい思想」として論じられた恋愛は、昭和初期にかけて、より広い人々の日常生活へと浸透していきました。ほぼ同時期、 日本映画は、トーキーの採用などの大きな革新を経ながら産業として発展し、「千変万化する恋」をスクリーンに映し出してきました。
本展では、演劇博物館が所蔵する多彩な資料を中心に、日本のロマンチック・コメディ映画が綴った恋の軌跡をたどります。新婚夫婦が抱える日常の葛藤と喜び、都市文化のなかで花開くモダンガールの恋模様、戦中の抑圧から解き放たれた若者の自由恋愛、さらに型破りなヒロインを軸に展開する恋の顛末まで―。モダニズムの到来、戦争と終戦、 高度経済成長といった日本の近現代史の歩みとともに変化してきた恋のかたちを一堂に展示することで、恋愛観や家族観の変容、戦争や敗戦を契機とするジェンダー観の再編など、恋愛や結婚を取り巻く社会風俗や価値観の変遷を浮かび上がらせます。
あわせて、近年、動画配信サービスなどを通して親しまれている東アジアの映画やドラマにも目を向け、ロマンチック・コメディが今日、いかにトランスナショナルな広がりのなかで受容されているのかもご紹介します。
笑いとときめきに満ちた数々の恋のかたちを、 ぜひ会場でご堪能ください。
展示概要
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会期: |
2026 年 5 月 15 日(金)~ 8 月 2 日(日) |
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開館時間: |
10:00~17:00(火・金曜日は19:00まで) |
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入場料 |
無料 |
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会場: |
早稲田大学演劇博物館 2 階 企画展示室Ⅰ・Ⅱ・特設ギャラリー |
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主催: |
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点 |
各章の紹介
第 1 章 新婚夫婦の恋のかたち
戦前から戦後にかけて製作された、新婚夫婦を主人公とするロマンチック・コメディを通して、映画がいかに結婚観・家族観の形成に関与し、理想と現実の結婚生活のあいだに生じるズレを笑いへと転化してきたのかを読み解きます。
展示資料例:


第 2 章 モダンガールの恋模様
1920〜30年代のスクリーンに表れたモダンガールの表象に光を当てます。同時代の多くの映画において否定的に描かれるモダンガールが、ロマンチック・コメディにおいては自らの魅力を発揮し、愛をも手に入れる点に注目することで、戦前の映画における女性表象の多様性を示します。
展示資料例:


第 3 章 戦争と揺れ動くロマンスの行方
戦中から敗戦直後にかけて製作された多様なジャンルの映画を取り上げ、戦時体制下で抑圧された男女の性愛表現が、敗戦後、戦後民主主義のもとでどのように再浮上していったのかをたどります。
展示資料例:

第 4 章 都会にきらめく恋
震災や戦災から復興した東京を舞台に展開されるロマンチック・コメディを紹介します。都市にきらめく華やかな恋の軌跡をたどるとともに、戦後のスターたちにも目を向けることで、ロマンチック・コメディがいかなる憧れや想像力をかたちづくってきたのかを探ります。
展示資料例:

第 5 章 ジェンダー規範の揺らぎ
ロマンチック・コメディには、女性のあるべき姿として規定されてきた規範を軽やかに逸脱するヒロインがしばしば登場します。戦後流行語となった「恐妻家」の表象にも光を当て、こうした撹乱的な女性表象に投影された社会変化と不安のあり方を読み解きます。
展示資料例:


第 6 章 さらに千変万化する愛
映画界の世代交代やメディア環境の変化、恋愛文化の変遷に目を向けながら、1970年代以降、さらに千変万化する恋愛表象の諸相と、それを映し出す映画表現の広がりを概観します。
展示資料例:

第 7 章 小説から映画へ 愛の物語を紡いだ小説家たち
沢田撫松、菊池寛、石坂洋次郎、中野実、源氏鶏太など、恋愛映画に多くの原作を提供した小説家たちに光を当てます。彼らの作品を原作とする多様なジャンルの映画を取り上げ、日本映画を支えてきた豊かな文化的土壌を示します。
展示資料例:

第 8 章 東アジアの映画とドラマのなかの恋
韓国、中国、台湾の映画やドラマを対象とする本章では、国境を越えたリメイクや翻案の事例などを通して、ロマンチック・コメディのトランスナショナルな展開を同時代的な視点から捉え直します。
展示資料例:



