朗読劇『日の名残り』プレスリリース

あうるすぽっとのプレスリリース

          
          

 

原作:カズオ・イシグロ(早川書房刊)
訳:土屋政雄   
上演台本・演出:村井 雄

出演:眞島秀和/大空ゆうひ・小島 聖(Wキャスト)/マキノノゾミ/桂 やまと・ラサール石井(Wキャスト)

2020年9月30日(水)~10月4日(日)
会場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
一般前売 8月23日(日)

2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの代表作『日の名残り』を朗読劇として立ち上げます。
『日の名残り』は1989年刊行、英語圏最高の文学賞とされるブッカー賞を受賞しました。
カズオ・イシグロの世界は、平易な言葉、親しみやすい表現を使いつつ、人間の心の奥深い、複雑な本質を描き出すところに特徴があります。特に本作品は全編にわたり、静謐な語り口で貫かれており、朗読劇の題材としても適していると言えます。
二つの大戦から戦後にかけてのイギリスを舞台に、貴族の屋敷ダーリントン・ホールに仕えた老執事スティーブンスの一人語りで物語は進みます。品格ある執事の道を追求し続けたことで得られたもの、手からすり抜けたもの、現在と過去が交錯する中、次第にスティーブンスの“今”が見えてきます。
イギリスの物語ですが、仕事を一途に生真面目に生きてきたからこその回顧、老境に差し掛かる不安など現代の私たちの姿と重なります。
一つの職業に実直に一生を捧げた人間の、プライドと悲哀、そして、人生を振り返った主人公が、再度顔を上げて次の一歩を踏み出す人生の輝きを描いています。

どんなに社会が変わろうとも
いかに人は尊厳と品格を持って自分らしく生きるべきかを問う

 

写真提供:早川書房
(C)Hiroshi Hayakawa

 
著者:カズオ・イシグロ
●プロフィール
1954年11月8日長崎生まれ。1960年、5歳のとき、家族と共に渡英。以降、日本とイギリスのふたつの文化を背景にして育つ。ケント大学で英文学を、イースト・アングリア大学大学院で創作を学ぶ。1982年の長篇デビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年に発表した『浮世の画家』でウィットブレッド賞を受賞。1989年には長篇第三作の『日の名残り』でブッカー賞を受賞した。その後、『充たされざる者』(1995)、『わたしたちが孤児だったころ』(2000)、『わたしを離さないで』(2005)、短篇集『夜想曲集』(2009)、2015年に『忘れられた巨人』(以上ハヤカワ文庫)を発表。2017年には長年の功績に対してノーベル文学賞が授与された。

 

●あらすじ
物語は1956年の「現在」と1920年代から1930年代にかけての回想シーンを往復のなか進む。
第二次世界大戦が終わって数年が経った「現在」。執事であるスティーブンスは、新しい主人ファラディ氏の勧めで、イギリス西岸のクリーヴトンへと小旅行に出かける。前の主人ダーリントン卿の死後、ダーリントン・ホールをアメリカ人の富豪ファラディ氏が買い取った。屋敷では、深刻なスタッフ不足を抱えていた。人手不足に悩むスティーブンスのもとに、かつてダーリントン・ホールで共に働いていたミセス・ベン(ミス・ケントン)から手紙が届く。その手紙には、現在の悩みとともに、昔を懐かしむ言葉が書かれていた。ミセス・ベンに職場復帰してもらうことができれば、人手不足が解決する。そう考えたスティーブンスは、彼女に会うために、ファラディ氏の勧めに従い、旅に出ることを思い立つ。しかしながら、彼には、胸に秘めた問題があった。彼女がミセス・ベンではなく、旧姓のミス・ケントンと呼ばれていた時代からのものだ。旅の道すがら、スティーブンスは、ダーリントン卿がまだ健在で、ミス・ケントンとともに屋敷を切り盛りしていた時代を思い出していた。
今は過去となってしまった時代、スティーブンスが心から敬愛する主人・ダーリントン卿は、ヨーロッパが再び第一次世界大戦のような惨禍を見ることがないように、戦後ヴェルサイユ条約の過酷な条件で経済的に混乱したドイツを救おうと、ドイツ政府とフランス政府・イギリス政府を宥和させるべく奔走していた。次第にダーリントン卿は、ナチス・ドイツによる対イギリス工作に巻き込まれていく。
再び1956年。車で旅し、ミセス・ベンと再会を済ませたスティーブンスは、不遇のうちに世を去ったかつての主人や失われつつある伝統に思いを馳せ涙を流すが、やがて前向きに現在の主人に仕えるべく決意を新たにする。

「日の名残り」主な登場人物
スティーブンス眞島秀和  物語の主人公 – 英国の貴族、ダーリントン卿に執事として仕えてきた。今はアメリカ人の富豪ファラディに仕えている。実直で執事としての仕事に誇りを持っている。
ミス・ケントン大空ゆうひ/小島 聖(Wキャスト)  以前ダーリントン・ホールで女中頭をしていた女性。十年程ダーリントン・ホールで働いたのち、三十代半ばで結婚退職した。今は夫と暮らしている。娘がおり、もうじき孫が生まれる。
ダーリントン卿 ほかマキノノゾミ  ダーリントン・ホールの前の主人。伯爵
ファラディ ほか十数役ラサール石井/桂やまと(Wキャスト)  ダーリントン・ホールの現主人。アメリカ人。ダーリントン卿亡き後、ダーリントン・ホールを買い取る。ダーリントン・ホールに住み始めて日が浅い。

●出演者プロフィール

【眞島秀和】HIDEKAZU MASHIMA  執事 スティーブンス
1976年11月13日生まれ、山形県出身。  
李相日監督の映画デビュー作『青chong』で、俳優としての道をスタート。
NHKスペシャルドラマ『海峡』、WOWOW『なぜ君は絶望と闘えたのか』
で評価を得る。映画、テレビドラマ、CM等幅広く活躍。
近年の主な出演作品として
[舞台]『月の獣』(19)「チャイメリカ」(19)
[映画] 『蜜蜂と遠雷』(19)『愚行録』(17)
[ドラマ]NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』(20)、ネットフリックス『Followers』(20)
NHK土曜ドラマ「サギデカ」(19)、WOWOW『坂の途中の家』(19)
 

【大空ゆうひ】YUHI OZORA ダブルキャスト  女中頭 ミス・ケントン
東京都出身。1992年宝塚歌劇団に入団。2009年に宙組男役トップスターに就任。
11年に第32 回松尾芸能賞・優秀賞を受賞。
12年に退団後、2013年蜷川幸雄演出『唐版 滝の白糸』で女優としての活動をスタート。
以降、舞台や映像作品で活躍しながら、自身が企画・プロデュース・主演を務めた
舞台『La Vie』や、音楽ライブの開催など多彩な表現活動を展開している。
近年の主な出演作として [舞台]『鎌塚氏、舞い散る』(19) 『今日もわからないうちに』(19)
[映画]『カイジ ファイナルゲーム』(20)
[ドラマ]WOWOW連続ドラマW『誤断』(15)、NHK『紅白が生まれた日』(15)
 

【小島 聖】HIJIRI KOJIMA ダブルキャスト  女中頭 ミス・ケントン
3月1日生まれ、東京都出身。
1989年、NHK大河ドラマ『春日局』でデビュー。
1999年、映画『あつもの』で第54回毎日映画コンクール女優助演賞を受賞。
コンスタントに映像作品に出演する一方、話題の演出家の舞台にも多く出演。
近年の主な舞台出演作に、舞台『海の風景』(16)、『DISGRACED -恥辱-』(16)、
『この熱き私の激情』(17)、『誤解』(18)、『往転』(20)などがある。

 

【マキノノゾミ】NOZOMI MAKINO  ダーリントン卿 ほか
静岡県出身。劇作家・演出家・俳優。同志社大学文学部卒業。劇団M.O.P.主宰(1984~2010)
主な受賞作品 01年『赤シャツ』(作)『黒いハンカチーフ』(作・演出)
第36回紀伊國屋演劇賞個人賞01年『怒濤』(演出)で第8回読売演劇大賞優秀演出家賞・作品賞
08年『殿様と私』(作)第15回読売演劇大賞作品賞
11年に『ローマの休日』(脚本・演出)で第36回菊田一夫演劇賞受賞などがある。
近年の俳優としての活動に、NHKドラマ10『ミス・ジコチョー』(19)
NHKプレミアム 静岡発地域ドラマ「プラスティック・スマイル」、「55歳からのハローライフ」
などがある。

 

【桂 やまと】YAMATO KATSURA  ダブルキャスト ファラディ ほか
三代目 桂 やまと
東京都出身。1974年生まれの落語家。都内各寄席をはじめ全国の落語会、講演会で活躍中。
生粋の東京っ子らしい明るく闊達な口調、リアルな人物描写を持ち味として古典落語を
演じる。目指すのは、演じる自分自身が噺に溶け込み、登場人物たちそのものが
お客様の目の前に表れるような表現。
江戸時代から先祖代々住んでいる東京の下町・尾久(おぐ)を愛する。
1999年中央大学卒業とともに桂才賀に入門し、2004年真打昇進。
一般社団法人落語協会所属。

 

【ラサール石井】LASALLE ISHII ダブルキャスト ファラディ ほか
大阪府出身。「コント赤信号」を結成し、80年「花王名人劇場」でテレビデビュー。
俳優、タレント、作家、演出家と幅広く活動。
ミュージカル『HEADS UP!』では第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。
近年の主な作品として [舞台]『両面睨み節』(19)『星屑の町 完結篇』(19)『熱海五郎一座』
(06~)『メタルマクベスdisc3』(18)『死神の精度-7Days Judgement』(18)
『円生と志ん生』(17) [映画]『無頼』(20公開予定)『星屑の町』(20)
[ドラマ]NHKドラマ10『ミス・ジコチョー』(19)『おかしな刑事 スペシャル』(19)
[アニメ] 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(声:両津勘吉)

●公演概要
公演名:朗読劇『日の名残り』
原作:カズオ・イシグロ(早川書房刊) 訳:土屋政雄 上演台本・演出:村井 雄
美術:竹邊奈津子 照明:杉本公亮 音響:清水麻理子 衣装:日下和則 舞台監督:今野健一 
宣伝美術:タカハシデザイン室 イラストレーション:山口洋佑
プロデューサー:根本晴美 馬場順子
出演:眞島秀和/大空ゆうひ・小島 聖(Wキャスト)/マキノノゾミ/桂 やまと・ラサール石井(Wキャスト)

東京公演:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター) 
2020年9月30日(水)〜10月4日(日) 前売開始 8月23日(日)

料金◎全席指定(税込)4,500円
U24:2,250円(24歳以下 限定数)※1  豊島区民割引:4,000円 ※2  障害者割引:3,500円 ※3 
※1 入場時に学生証・年齢確認証要提示  
※2 豊島区民割引(在住・在勤・在学)は前売のみ取扱/証明書要提示
※3 障害者割引は介助者1名まで同額/障害者手帳要提示 
※未就学児のご入場はご遠慮ください 
※車イスでご来場のお客様は事前にとしまチケットセンターまでお問合せ・ご予約ください 

前売取扱◎としまチケットセンター 
電話:0570-056-777 窓口:としま区民センター 1階(電話10:00~17:00 窓口10:00~19:00/臨時休業あり)
WEB: https://www.owlspot.jp/(24時間受付 電子チケットモバパス利用可能) 
お問合せ:あうるすぽっと 03-5391-0751 https://www.owlspot.jp/

ツアースケジュール
兵庫:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール 10月6日(火)
お問合せ:芸術文化センター 
0798-68-0255 http://www1.gcenter-hyogo.jp

山形:伝国の杜 置賜文化ホール 10月9日(金)
お問合せ:0238-26-2666 https://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/

岩手:盛岡劇場 メインホール 10月11日(日)       
お問合せ・チケット予約:盛岡劇場 019-622-2258 https://www.mfca.jp/morigeki/

企画協力:早川書房 共催:石井光三オフィス
主催:あうるすぽっと(公益財団法人としま未来文化財団)/豊島区/東京芸術祭実行委員会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。