日本初一般上演!キャリル・チャーチル『Love and Information』

演出家 桐山知也、出演 大野拓朗 高橋大輔らによるゲネプロ公演&囲み取材レポート

株式会社R Plays Companyのプレスリリース

左から:演出 桐山知也 出演 阿南敦子、大石継太、エリアンナ、大野拓朗、清水葉月、高橋大輔、水江萌々子、田中亨

イギリスを代表する劇作家キャリル・チャーチルが2012年に発表した戯曲『Love and Information』が、R Plays Companyにより日本初の一般上演として、本日 2026年5月16日(土)にKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて初日の幕が開く。

科学・宗教・記憶・孤独・秘密・テクノロジー——現代社会を象徴する断片的なシーンを積み重ねる本作を、演出・桐山知也がリーディング公演で立ち上がる。

■ ゲネプロレポート

2026年5月15日(金)、KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて、R Plays Companyと神奈川芸術劇場による提携公演、リーディング公演『Love and Information』の公開ゲネプロが行われた。

舞台上にあるのは、美しい糸が連なる幕と、その背後に並ぶ椅子だけ。装飾を極限まで削ぎ落としたシンプルな空間の中から、俳優たちの「声」だけが客席へと届いてくる。

兄弟なのだろうか、恋人か、はたまた思いがけない関係性なのだろうか——。

耳を澄ませるうちに、さまざまな境遇に置かれた人物たちが短い対話の中で次々と立ち現れてくる。照明や音響効果も相まって、のめり込んでいくような感覚を覚えた。

本作は、特定の登場人物や決まったストーリーを持たない短いシーンの積み重ねで構成されている。各シーンにはタイトルがつけられているが、それと内容が必ずしも一致していないように感じるのも本作の妙味のひとつだ。一見複雑に思えるかもしれないが、実際の会話は至ってシンプルで、ユーモラスな掛け合いが心地よく続く。科学・宗教・記憶・孤独・テクノロジーといった現代社会の断片が積み重なりながら、「愛」と「情報」というテーマへと収束していく構造は、台本…いや、iPadを片手に俳優達が紡ぎ出す「リーディング公演」という形式と見事にかみ合っている。

左から:清水葉月、水江萌々子
キャストがiPadを手にしている

大野拓朗や大石継太などの演劇常連メンバーに加え、演劇初挑戦のフィギュアスケートオリンピアンである高橋大輔らが個性豊かな表現で輝きを放ち、声だけで無数の人物と関係性を生み出していく様は、このリーディング公演ならではの醍醐味と言えるだろう。

大野拓朗
髙橋大輔

「演劇界のピカソ」とも称される87歳の劇作家キャリル・チャーチルが10年以上前に発表した本作の、日本初となる一般公演を手がけたのは、俳優兼プロデューサー・佐藤玲。エミー賞受賞の世界的ドラマシリーズ『SHOGUN 将軍 season2』にも出演する佐藤が、R Plays Companyを立ち上げてわずか3年でこの挑戦的な企画を実現させた。さらに100名以上の応募者からオーディションで選ばれた若手10名によるネクストチームを設けるなど、次の世代への目配りにも余念がない。自身もまだ33歳という佐藤の姿勢は、本公演のあり方そのものを体現している。

演出・桐山知也、翻訳・髙田曜子、美術・伊藤雅子をはじめとするスタッフ陣も充実し、リーディング公演としての完成度は高い。丁寧に言葉を紡ぎ、緻密に構築されたこの舞台が、いつかリーディングの枠を超え、新たな形で上演される日を心待ちにしたい。

 

■囲み取材 ~ 大野拓朗・演劇初挑戦の高橋大輔が意気込みを語る ~

ゲネプロを終え、メインチームのキャスト8名と演出の桐山が和気藹々と笑顔で囲み取材に応じた。

大石継太

ベテランとして座組を牽引した大石継太は、

『今日はいい緊張感の中でキャスト一丸となって上演できたと感じています。シーン自体はとても短いのだけど、素敵な作品だなと実感しています。メイン8人、ネクスト10人、スタッフのみんなでたくさん笑って過ごしてきました。僕らの紡いだ言葉を浴びに来ていただきたいです。』

とコメント。

阿南敦子

R Plays Company『海と日傘』に続いての舞台出演になる阿南敦子は、

「今回はリーディング公演ということで、台本を持っているのに、なんでこんなに緊張しているんだろうと自分でもびっくりしています。最後まで挑戦を重ねて、まだまだ進化していきたいです。」

と述べた。

エリアンナ

5月14日に稽古場で40歳の誕生日を迎えたというエリアンナは、

「最初に本を読んだ時、なんだ!この面白い本は!と思いました。さまざまなキャラクターとシチュエーションの連続で、みんなで読み解いていく作業は謎解きをしているような感覚でした。人によって何万通りの感想が生まれるんだろうなと思っています。」と答えた。

清水葉月

数々の演出家から信頼の厚い実力派女優・清水葉月は、

「観てくださる皆さんには私たちの声を通してこの作品を感じていただくけれど、私たちは台本で読んだので、書かれている言葉の情報の多さに圧倒されました。稽古でもパンクしかけた時に、改めてタイトルを思い出し、ハッとしました。この発見を皆さんにも楽しんでもらえたら嬉しいです。」と初日への思いを語った。

田中亨

若手実力派俳優として確固たる地位を固める田中亨は、

「桐山さんとのものづくりは今回が2回目で、前回と同様、俳優に自由にやらせてくれる演出家だなと感じています。俳優第一優先で考えてくれるので稽古場がとても楽しくて、安心していろんな可能性に挑戦できるのが嬉しいです。」と桐山氏のものづくりについて語った。

水江萌々子

今回、『レ・ミゼラブル』の大抜擢に続いて舞台出演が2本目となる水江萌々子は、

「メインとネクスト、一緒に意見を出し合いながら、言葉一つ一つに向き合ってきました。今日、初めてお客様の前で通してみてまた新たな発見もあり、自分自身でもクスッと笑ってしまいました。お越しくださるお客様の感想もとても気になります。ぜひ、どう受け取ったのか教えて欲しいです。」と笑顔で答えた。

大野拓朗

本作ではアシスタントプロデューサーとしても名を連ねる大野拓朗は、「今回、メイン・ネクストともに分け隔てなく意見交換をし、一緒に稽古を重ねてこられたのは、桐山さんの元だからこそできたことだと感じています。桐山さん主導のもと、それぞれのチームで、僕たちの『Love and Information』 が出来上がったので、この作品を丁寧にお客様に手渡していきたいです。そして、是非とも皆さんの感想をたくさん聞きたいので、SNSや公演後のアンケートなどでシェアしていただいて、一緒にこの作品を楽しみ尽くしましょう!」と語った。

髙橋大輔

そして、今公演でとりわけ大きな注目を集めるのが、フィギュアスケート界のレジェンド・高橋大輔だ。本作が舞台演劇への初挑戦となる高橋は、「声だけで届けるということにすごく緊張していました。氷の上で体を動かしてきた僕にとって、長時間体を動かさずに机に向かって稽古を重ねることはとても新鮮でした。本を読んだばかりの頃は、本の内容も全くよく分かっていなかったのですが、稽古ではみんなで一緒に作り上げるという楽しさを体験できましたし、共演する皆さんの取り組み方も間近で見ることができて毎日が勉強になっていますし、キャストだけでなくスタッフの皆さんとも一緒に創り上げるという作業が本当にとても楽しかったです。演劇がこんなに楽しいんだということを知ることができたので、今後も機会があれば板の上のお仕事を続けていきたいです。」と、新たな表現の場に立つ心境を意気込んだ。

演出家 桐山知也

今作の演出家である桐山は、「(作家であるキャリル・チャーチルは)時期によって書いている作品のスタイルや、扱っている題材に変化がある印象の作家さんでした。この作品への挑戦は、作家に試されているなと感じています。世の中の捉え方、演劇の考え方など、様々な分野で自身を問われているような気がしていて、リーディング形式で俳優の言葉だけで勝負をする中で、彼女の問いかけに答えようとするとそのハードルが高いことに圧倒されつつも、その高さこそが面白い部分なのではないかと思っています。このゲネプロでさえも作品の構造上の発見がまた新たにあったことが面白いですし、様々な可能性を探りながら、作家の”言葉”を届けるために、俳優の身体を通しすぎず、演技をしすぎないで、構築していきたいと考えています。メインチームの俳優さんたちについては、それぞれの表現に安心してお任せしていますし、ネクストは人数が変わって10人のキャストで挑みますが、その勢いやエネルギーが魅力的です。ネクストチームはメインチームとの稽古ではじめの頃すごく緊張してみんなモジモジしていたのに、今は稽古場でも劇場でも活発にメインチームとも意見交換していて、そのエネルギーを本番でも期待しています。」と締めくくった。

田中亨
清水葉月

(2026年5月15日 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ)

■ 公演概要

作品名 『Love and Information』

作        キャリル・チャーチル

翻訳     髙田曜子

演出     桐山知也

上演時間 約90分

出演     【メインチーム】大石継太 大野拓朗 高橋大輔 田中亨 阿南敦子 エリアンナ 清水葉月 水江萌々子/【ネクストチーム】井上陽向大 岡佳詩乃 倉元奎哉 佐藤響 佐野亜沙南 多々良岳 濱屋拓斗 三橋英夢 山中こころ ユーリック永扇

【神奈川公演】提携

KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

2026年5月16日(土)〜 5月24日(日)

神奈川県横浜市中区山下町281

みなとみらい線 日本大通り駅(3・4番出口)より徒歩5分

【愛知公演】

穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース

2026年6月5日(金)〜 6月7日(日)

愛知県豊橋市西小田原町123番地

豊橋駅(南口直結)より徒歩3分

■ チケット情報

メインチーム(全席指定)

S席 8,000円

A席 6,500円

B席 5,000円

ネクストチーム

全席自由席 2,500円

チケット購入:カンフェティ、チケットかながわ にて発売中

詳細は公演特設サイトからご確認ください。

■ 公演情報・お問い合わせ

公演特設サイト:https://r-plays.com/produce/L_and_I

プロデューサー:佐藤玲

主催:株式会社R Plays Company・株式会社児原

info@r-plays.com

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