テレビ大阪株式会社のプレスリリース
【番組概要】
元受刑者の就労を支援するため、関西に拠点を置く会社が日本財団と協定を結んで始めた”職親プロジェクト”。再犯率を下げるには職に就けない元受刑者たちに仕事と住む場所を提供することが必要と考え、関西の中小企業の社長たちがまさに”親”となって雇用を続けてきた。今回の主人公の兄もその一人。しかし、実際に更生して社会に貢献できる元受刑者はほんの一握り。何度裏切られても元受刑者に親のように接する姿をカメラで追った。なぜそこまで元受刑者に尽くすのか?そのすさまじい闘いぶりを描くドキュメンタリー。
【番組内容】
- ~妹を殺された兄の葛藤~
妹を殺した男がまもなく釈放されると聞いた、兄の草刈健太郎さん。15年前、犯人をどうにかして殺したいと本気で思っていた。あれから月日が流れ、今は建設会社の社長。7年前、震災でお世話になった人から犯罪加害者の更生を支援する活動”職親プロジェクト”に誘われ、気の進まない中始めたが、今では精力的に活動を続けている。刑務所や少年院を出た人が再び犯罪に手を染めないために。
- ~被害者を作らないために~
刑務所にいる受刑者のおよそ半分が再犯者。再犯する多くの理由は、家族から見放されて住む場所がなく、そして仕事も見つからないこと。草刈さんは、働きたいという人がいれば全国どこにでも出かけていき、採用している。塀の中での就職フォーラムや、受刑者たちに建設業の技術指導まで率先して携わってきた。社会に居場所ができれば再犯は減るはず。
- ~裏切られても見捨てない~
職と住居が満たされていても少年院から出た人たちは、3か月も経つと窃盗や薬物、詐欺などの犯罪に再び手を染めることも少なくない。支えたそばから裏切られることも日常茶飯事。加害者の少年の話を聞くと、幼少期に親からの愛情が薄かった経験の人が多いということもわかってきた。彼らは犯罪に走る自分を抑えられない不安を抱えていた。その中で奔走する草刈さん。中には更生し、職人や社員として真面目に仕事を続ける人もいる。そのことに、草刈さんは救われている。
- ~加害者と被害者の間で揺れる~
草刈さんは、少年犯罪で娘を殺されたある遺族の会に招かれる。繰り返される犯罪、自分も”被害者”でありながら、”加害者”を支援しているのではないか。被害者の親たちは自分の子供を殺した少年たちと真正面から向き合い、常に更生について考えている。「二度と被害者を出さないために、加害者の再犯を止めたい!」
- ~妹を殺した犯人との対峙~
15年前、アメリカに移住した妹を殺した犯人が妹の夫。なぜ殺したのか彼は裁判で何も語らなかったが、まもなく仮釈放されることがわかった。2019年11月、刑務所内で仮釈放をめぐって彼の審議が行われる。その審議会に、被害者遺族も出席できるという。草刈さんは複雑な想いを胸に、アメリカに行くことを決めた。夫はこの15年間、たったの一度も謝罪がない。彼が反省し、更生していることを心のどこかで期待していた。霧の濃い朝、刑務所の中で夫と対面。ところが、彼が語ったのは反省の弁ではなく…。
- エピローグ
年が明け、草刈さんを頼って来た子が再び罪を犯し、逮捕された。縁が薄くなっていた実の親も巻き込んで、更生への長い道を一緒に歩もうとする草刈さん。妹との約束…更生への道。被害者と加害者の間で、草刈さんの闘いの日は続く。
- 番組情報
【番組名】 「おまえの親になったるで ~加害者と被害者の間で~」
【放送日時】2020年8月11日(火)深夜1時35分~2時35分
【HP】https://www.tv-osaka.co.jp/sp/omaenooya3/