『普通に死ぬ~いのちの自立~』  完成のお知らせと劇場公開のご案内

マザーバードのプレスリリース

『あいち国際女性映画祭2020』で招待上映された、ドキュメンタリー映画『普通に死ぬ~いのちの自立~』が、10月17日より、名古屋のシネマスコーレを皮切りに、キネカ大森他にて劇場公開が決定いたしました。

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■いのちを尽くして生き合う人たちの記録
年齢を重ねてゆく重い障がいがある人とその家族…。在宅生活の中心的ケアラーが病に倒れると残された医療的ケアの必要な人が、生まれ育った“地域で生ききる”ことはなぜこれほどまでに困難なのか。
前作『普通に生きる~自立をめざして~』から10年をかけて、希望を見出すドキュメンタリーが完成しました。家族と支援者の葛藤や気付き、一緒に“生き合う”取り組みを追い、厳しい現実から希望を見つけます。

■作品クレジット
製作         :マザーバード/cinema Sound Works
著作・配給      :マザーバード
録音         :中山隆匡
音楽         :木 -Kodama- 霊
プロデューサー    :梨木かおり/貞末麻哉子
監督・撮影・構成・編集:貞末麻哉子

【ナレーター:余貴美子】

ナレーター:余貴美子

神奈川県出身。演劇活動を経て、映画、テレビへと活動の場を広げる。
2008年第63回毎日映画コンクール田中絹子賞受賞。『おくりびと』(08)『ディア・ドクター』(09)『あなたへ』(12)で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。主な出演作に『武士の献立』(13)『寄生獣』(14)『映画 深夜食堂』『繕い裁つ人』(15)『シン・ゴジラ』『後妻業の女』『続・深夜食堂』(16)『ブルーハーツが聴こえる ハンマー(48億のブルース)』(17)『榎田貿易堂』『おもてなし』(18)『AI崩壊』『Red』『ステップ』(20)など。公開待機作に『ホテルローヤル』(11/13)『泣く子はいねぇが』(11/20)が控えている。

■作品紹介:イントロダクション
前作『普通に生きる~自立をめざして~』では、「どんなに重い障害を持っていても、本人もその家族も普通に生きる」という理念のもと、重症心身障害児者と呼ばれる人たちの家族で起ち上げた社会福祉法人が、静岡県富士市と富士宮市にふたつの通所施設(生活介護事業所)<でら~と>と<らぽ~と>を開所させる5年間を追いました。法制度の改革の波に揉まれつつも「福祉の受け手から担い手となる」発想で行政に働きかけて、理事である親たちは、自分たちのニーズに合った制度やサービスをつくりあげてゆきました。

続編となる本作『普通に死ぬ~いのちの自立~』は、その後、グループホームの開所や設立十年を迎えて次第に変わりゆく運営方針や3つ目の事業所建設という流れの中で年齢を重ねてゆく本人とその家族を8年にわたって撮影しました。その途中、「医療的ケア」を必要とする人の在宅生活の中心的ケアラーであった母親が病に倒れます。残された子の母亡き後の地域生活…そこには厳しい現実がありました。なぜ、医療的ケアが必要だと「地域で生ききる」ことが難しいのか。なぜこの人たちの生活や人生を社会が障害することになってしまうのか…。

映画は厳しい現実を見据えつつ、後半、家族と支援者、医療者の葛藤や気付きを物語の軸に、兵庫県へと希望を探して旅に出ます。
そこには、伊丹市で<しぇあーど>を率いる李国本修慈さんと、西宮市で<青葉園>を率いる清水明彦さんらの重ねてきた地道な活動がありました。軽快でしなやかで、しかしとても健やかに人生を賭けて、真正面から繰り広げられている「一緒に生き合う」取り組みがありました。

■主な登場人物と大まかなあらすじ
重い障がいがある小澤美和さんは、富士市にある通所施設<でら~と>に通いながら民間のグループホームで自立生活を始めていたが、心筋梗塞のために突然亡くなってしまった。残された親は…。
次第に変わりゆく運営方針や3つ目の事業所建設という流れの中で年齢を重ねてゆく本人とその家族の逡巡…。<でら~と>を運営する社会福祉法人でもグループホームが完成する中、重い障がいのある我が子を置いてなかなか治療に踏み切れず、気づいた時は卵巣がんを宣告される母 向島宮子さん。在宅生活の中心的ケアラーであった母親が治療に専念するため共に暮らせなくなると、医療的ケアの必要な三男 育雄さんは施設入所を余儀なくされてしまう。残された子の母亡き後の地域生活…そこには厳しい現実があったのだが、<でら~と>の設立代表でもあり障がいをもつ子の母でもある小沢映子さんは、自宅に育雄さんを引き取って一緒に暮らす決意をする。

またもうひとり、がんを告知されて2ヶ月で母を亡くした沖茉里子さんも、主たる介護者を亡くして生活の場を失う。さまざまな支援上の限界を乗り越えられず、通所施設では地域生活に対する支援は不可能と判断。これに立ち向かう医療者(副所長でもあった坂口えみ子看護師)がいた。坂口看護師を通して描く医療者の葛藤や気付きを物語の軸に、映画は兵庫県へと希望を探して旅に出る。
そこには、伊丹市で<しぇあーど>を率いる李国本修慈さんや、西宮市で<青葉園>を率いてきた清水明彦さんらが居た。ここでは驚くべき支援とその支援哲学が展開されていた。富士市では入所せざるを得なかった重度の人たちが、ここでは普通に地域生活を繰り広げていたのだ。そのシステムや権利擁護の実際を見事に構築し、障がいのある人たちと心を震わせ、地域で共に“生き合う”取り組みを繰り広げる支援者の姿は…。富士に戻った坂口さんは、茉里子さんの新しい地域生活のために奔走する。小沢映子さんも、地域での訪問医療・訪問看護の道づくりを模索しながら全力で坂口さんをバックアップする。そして春、ついに法人が運営する3つ目の通所施設も開所し、茉里子さんは…。

■プロダクションノート
~いのちの自立~に取り組む人たち 監督 貞未麻哉子

前作のテーマは「自立」でしたが、本作のテーマにも「自立」があります。「自立」とは「従属や支配から離れて他者の助力なしで、自分の力で独り立ちすること」と一般的には理解されていますが、では重い障がいのある人の「自立」とは?
人が、ほんとうの意味で「自立」するとは、「いのち」として立つ、立たせる、立ち合うことなのではないか。それは、互いの「いのち」を骨身から尊重し合ってこそはじめて成し得るのではないか。この映画にはそんなふうに「生」を支える人たちが登場します。支えられる障がいのある人たちもまた、多くの人々の人生を支えています。誰もが対等に「生き合う」ことができる場所。そんな場所をこの映画では探しました。

【前作ドキュメンタリー映画『普通に生きる~自立をめざして~』について】
マザーバード制作の前作は、2006年秋に撮影を始め、2011年、東日本大震災直後の6月に産声を上げた。富士宮イオンシネマでの地元先行封切を経て、2012年ポレポレ東中野を皮切りに全国での上映を開始した。
劇場公開のあとは、全国各地300ヶ所以上で自主上映会が行われ、50,000人近い動員を果たしている。2018年秋にはマザーバードよりDVDも販売されているが、この作品による地域での自主上映会で果たしてきた役割は大きい。
http://www.motherbird.net/~ikiru/

■監督:貞末麻哉子 – Mayako Sadasue – プロフィール
「マザーバード」代表。映画作家。
1986年完成の35mm劇映画『ゴンドラ』(伊藤智生監督・1988年公開)で本篇プロデュースデビュー。1990年には大阪で制作した35mm劇映画『あーす』(金秀吉監督)をプロデュース。この2作は、1987年、1991年にそれぞれ日本カトリック映画賞大賞を受賞している。
それ以降は精力的にドキュメンタリー映画の制作に移行し、2001年に本作の共同プロデューサーである梨木かおりらと共働制作プロダクション マザーバード(杉並区)を起ち上げて、『晴れた日ばかりじゃないけれど』(2005年)、『普通に生きる~自立をめざして~』(2011年)、『ぼくは写真で世界とつながる~米田祐二22歳~』(2014年)を制作。各作品の全国上映にはその後数年にわたり奔走しつつ、同時に撮影を続けてきた本作『普通に死ぬ~いのちの自立~』(2020年)が監督・プロデュース最新作となる。
当初、完成予定は2020年春であったが、コロナ感染拡大により活動を自粛し、完成は夏となった。

■『普通に死ぬ~いのちの自立~』当面の上映日程一覧
2020年10月17日(土)~11月6日(金) 劇場公開
名古屋市中村区 シネマスコーレ にて
2020年10月30日(金)~2週間予定 劇場公開
東京都品川区 キネカ大森 にて
2020年10月25日(日) 一日2回上映会(イベントあり)
兵庫県西宮市 西宮市プレラホール にて
2020年11月3日(火祝)~11月5日(木) プレミア上映
第21回 宝塚映画祭にて会期中
2020年11月13日(金)~終了未定 劇場公開
静岡県富士宮市 イオンシネマ富士宮 にて
2020年11月28日(土)~終了未定 劇場公開
大阪市西区 シネ・ヌーヴォ にて
2020年内日程調整中 劇場公開
京都市南区 京都みなみ会館 にて

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