株式会社パシフィックボイスのプレスリリース
オンライン会場から全国への発信、オンラインQ&A で世界のフィルムメイカーたちとつながる新たな挑戦と共に、映画祭開催にこぎつけられたことを感謝しております。
本日、明治神宮記念会館で行われたアワードセレモニーでは、10のアワードの受賞発表・授与が行われました。
およそ3300本の中から選ばれた、世界で唯一のジョージ・ルーカスの名を冠したグランプリには、チャーリー・マントン監督による『11月1日』(制作:イギリス)が選ばれました。
翌年のアカデミー賞短編部門ノミネート候補となる、オフィシャルコンペティション supported by Sonyの各部門(インターナショナル、アジア インターナショナル、ジャパン)およびノンフィクション部門の各優秀賞も発表されました。
「ブレを許さない短時間勝負の作品の中には、時間の感覚を狂わせるほど濃密な名作がたくさんありました」(公式審査員 和泉元彌)、「なにより感じたのは「世界に対して無知であることは罪である」という深い自戒の念でした。このような大変な状況の中で映画を撮り続けている世界中の仲間たちに心より敬意を表します」(公式審査員 筒井真理子)「映画表現が象牙の塔になることなく刷新されていくためには常に世界と地続きであることは必須であることを再確認させられた思いです」(公式審査員 深田晃司)と評された今年のオフィシャルコンペティション supported by Sonyほか、各部門の受賞結果を以下にお知らせいたします。
なお、各受賞作品は、10月15日(木)~18日(日)に東京都写真美術館ホールで開催するSSFF & ASIA 秋の上映イベントにて特集上映いたします。詳細は後日プレスリリースにてご案内いたします。ぜひご紹介いただけますと幸いです。
SSFF & ASIA 2020 グランプリ「ジョージ・ルーカス アワード」受賞作品
オフィシャルコンペティション supported by Sony インターナショナル部門 優秀賞
【第93回アカデミー賞短編部門ノミネート候補】
『11月1日』(November 1st)
監督:チャーリー・マントン(Charlie Manton)/24:42/イギリス/ドラマ/2019
息子を殺した男の死刑執行を見届けに向かう母親。彼女は男への復讐心と、娘との関係の溝に苦しんでいる。
【チャーリー・マントン監督】
ロンドンを拠点に活動する脚本家兼監督。リンゼイ・ダンカンが主演を務めた本作は学生アカデミー賞で入賞した。現在は初長編映画の開発中。
【受賞理由】25分という尺を感じさせない力強さがあり、ストーリー、演出、キャスティングなど総合点の高い作品であった。登場人物たちがそれぞれリアルで人間臭く、感情がヒリヒリと伝わってくる作品。伏線の張り方やエンディングまでのストーリー展開も素晴らしかった。
アジア インターナショナル部門 優秀賞 / 東京都知事賞 【第93回アカデミー賞短編部門ノミネート候補】
『授業の後で』(After Class)
チャールズ・シウジー・ドン(Charles Xiuzhi Dong)/15:01/中国、アメリカ/ドラマ/2018
中国のある都市に母と2人で暮らす8歳の少女、ミンミンの夢は学校に通うこと。娘の夢を叶えるため、母は仕事場である学校で盗みを働いてしまう。
【チャールズ・シウジー・ドン監督】
ニューヨークを拠点とする監督。
ニューヨーク大学ティッシュスクールオブアーツで学士号を取得し、最近、アメリカン・フィルム・インスティチュート(アメリカ映画研究所)の監督特別研究員に受け入れられる。本作はサンタバーバラ国際映画祭でプレミア上映され、長編ドキュメンタリーのデビュー作を製作予定。
【授賞理由】互いに想い合う母娘を通じて中国における無国籍児問題と貧困問題の持つ悲劇性をショートフィルムらしい表現方法で見事に描いた作品であった。
ジャパン部門 優秀賞(東京都知事賞)【第93回アカデミー賞短編部門ノミネート候補】
『緑の雪』(Birdland)
古川原壮志/0:20:00/日本/ドラマ/2019
ベッドの上で一日を過ごす寝たきりの老人。ある冬の夜、老人は窓の外に降る雪を見て思い出す。それは先立った妻との最後の時間。
【古川原壮志(こがはら たけし)監督】
1982年長崎県佐世保市生まれ東京育ち。
カリフォルニア州 Art Center College of Design を卒業。2015 年から CluB_A 所属。 ミュージックビデオ、CMディレクターとして活動。カンヌライオンズ、釜山国際広告祭、Adfestをはじめとした広告祭で受賞、入賞多数。
【受賞理由】介護というテーマに正面から向き合い、演出に迷いを感じない作品であった。キャスティングや台詞も素晴らしく、映像の美しさも際立っていた。
■オフィシャルコンペティション supported by Sonyの応募数と上映数(米国アカデミー賞短編部門ノミネート選考対象部門)
・インターナショナル部門 応募数:2,452作品(80の国と地域) 上映数:32作品
・アジア インターナショナル部門 応募数:660作品(24の国と地域) 上映数:21作品
・ジャパン部門 応募数:195作品 上映数:18作品
■優秀賞賞金:60万円
■公式部門審査員(五十音順/敬称略):和泉元彌、犬山紙子、筒井真理子、Jeffrey Bowers、深田晃司
Cinematic Tokyo部門 優秀賞(東京都知事賞)
『グッピー』 (Guppy)
監督:チャールズ・リチャードソン(Charles Richardson)
オーストラリア/ 13:12 / ドラマ / 2017
外国の地、東京で若いカップルの片方が最終電車に乗りそびれ、
二人はバラバラになってしまう。コミュニケーションだけが二人を引き戻せる唯一の手段だったが、携帯電話の充電と共に緊張の糸も切れてしまった二人。彼らの関係はどうなるのか。
【チャールズ・リチャードソン監督】
オーストラリアのメルボルンで13歳から映画制作を始める。
2017年ビクトリア芸術大学での学士号((映画テレビ)を取得、卒業後は世界中で映画制作に携わる。現在はFoundrのビデオ制作部責任者として働いており、次回作はプリプロダクション中である。
【受賞理由】シンプルなストーリーの背景に、映画的な東京の街、主人公の繊細な感情が最もうまく表現されている作品。
■Cinematic Tokyo 部門 応募数:236作品(41の国と地域) 上映:7作品
■優秀賞賞金:100万円
CGアニメーション部門 優秀賞
『宇宙の恋』 (Cosmic Fling)
監督:ジョナサン・ランガガ―(Jonathan Langager)/
10:13/アメリカ/アニメーション/2019
小惑星で一人、スタンは宇宙ゴミを銛で取り、体に取り込み栄養にしている。魂を満たすために、夢見るのは愛だけ。ある日スタンは、彗星に取り残された仲間の宇宙飛行士、ベアトリスが通り過ぎていくのを見つける。彼女と一緒になるため、スタンは思い切った行動に出る。
【ジョナサン・ランガガー監督】
USCの卒業生で、Student Academy Awardを受賞したフィルムメーカー。 短編映画『Josephine and the Roach,』は、学生エミー賞の最優秀短編コメディ賞と最優秀監督賞、USC学部賞最優秀監督賞、ナラティブ部門の学生アカデミー賞など数多くの映画祭で賞を受賞。
【受賞理由】パペット・実写・CG が上手く組み合わされたオリジナルの表現が素晴らしい。CG の新たな可能性を感じられる作品であり、その技術の高さや労力も含め評価したい。またストーリーに内包されたメッセージ性の高さや編集方法にもクリエイターのセンスを感じた。
■CGアニメーション部門 応募数 :755作品(72カ国) 上映:22作品
■優秀賞賞金:60万円
■審査員 (五十音順/敬称略):上坂すみれ、熊坂出、杉山知之
第5回ひかりTVアワード
『多日想果』(Tapioca Diary)
監督:大門 嵩 & Jon Cox(ジョン・コックス)/19:19/台湾/日本/ドラマ/2019
台湾に留学するタカシは、日本では味わえなかった友情や恋心に日々の楽しさを見つけることができる。しかし、自分の気持ちを率直に伝えることの難しさを身をもって感じているうちに時は流れていった。
【 大門 嵩 (おかど たかし)& ジョン・コックス監督】
大門崇 奈良県生まれ。テレビ、 映画、CMと活躍。近年はカメラ マン、 監督としても活動。 Jon Cox 韓国生まれ。大門氏の初監督作品「殻の無いカタツムリと水掻きの無いカエル」と「COCKROACH」の撮影と脚本に協力。今回の短編映画「多日想果」も撮影と脚本、そして共同監督として参加。
【受賞理由】台湾の高雄市で撮影された本作品。台湾に語学留学中のタカシと屋台で働いているフェンとの交流が非常に微笑ましく、異文化間での交流、そしてロケーションである台湾の魅力が作品に奥行きを与えていました。タピオカドリンクを飲むような刹那な時間に訪れる甘いひと時。短い時間に凝縮された内容に満場一致で、本年のひかりTVアワード受賞作が決定致しました。
バイオジェン・アワード
『最後の試験』(Final Exam)
監督:カイ・シャンチャン(Kai Xiang Chang)/13:03/シンガポール/ドラマ/2019
テストでいい点をとることは思いやりよりも重要なのか?競争の厳しい学校で、成績上位3名の生徒がクラスメイトのニナのテスト勉強の手伝いをすることになった。3人は次のテストがニナにとって学校最後の試験になると気付く。
【 カイ・シャンチャン監督】
人間の精神に触れる映画を制作するシンガポールの映画監督。制作過程の中心にあるのは、あらゆる選択肢の中で、親切な行いと心無い行いをする動機は何なのかを探ること。それはショートフィルムを制作する上でさらに深めざるを得なくなったと感じている。
【受賞理由】クラスメートに希望を与えるために一生懸命工夫をこらした子どもたちの行動は「不可能を、可能に。」というバイオジェン社のビジョンに合致するものです。また、他の人のために何かを成し遂げ、希望をもたらすことは、「深く思いやる(Caring Deeply)、人生を変える(Changing Lives)」という同社のクレドにも通ずるメッセージが含まれる作品でした。
U-25プロジェクト優秀賞
『RETURN』
監督:山口 十夢 /4:59/日本/ドラマ/2019
この日常が、ずっと続くものだと思っていた。 アジア最大級の広告祭であるADFEST2019のコンペティション「FABULOUS FIVE」で「TOMORROW TODAY」をテーマに企画・制作。
【山口十夢(やまぐち とむ) 監督】
1995年京都市生まれ。小学生の頃より映像制作を始める。立命館大学映像学部を卒業後、(株)AOI Pro. 入社、企画演出部配属。
【受賞理由】5分という尺ながら、ストーリー構成・編集・演出が巧みで見応えがあり、ショートフィルムならではの面白さが詰まった作品。将来性を感じるディレクション能力に注目したい。
■U-25プロジェクト 応募数 :113作品 上映:13作品
■優秀賞賞金:30万円
ノンフィクション部門優秀賞
『カマリ』(Kamali)
サーシャ・レインボー( Sasha Rainbow )/23:47/イギリス/ノンフィクション/2019
娘のカマリは漁村で唯一の女子スケートボーダー。臆病なカマリの母スガンティは自分探しの旅に出る。初めて互いに離れた母と娘は、男性社会の中で自由を見つけなければならない。
【サーシャ・レインボー 監督】
映画、アートディレクション、写真、衣装など様々な分野で活躍する監督。ストーリーテリングは英雄的なロールモデルを見せることでコミュニティに光を当てることができ、それこそが世の中に必要なことだと信じている
【受賞理由】インドらしいカラフルな映像ながら、少女カマリとその母親の人生を通じて国が抱える社会問題を映し出している。また二人の感情の動きを見事に捉え、ドキュメンタリーとして今を描く、“生きた”作品であった。
■ノンフィクション部門 応募数 :301作品(56の国と地域) 上映:14作品
■優秀賞賞金:60万円
■審査員 (五十音順/敬称略):滝田洋二郎、パトリック・ハーラン、望月理恵
本年より、ソニー株式会社(以下、ソニー)が、オフィシャルコンペティションをサポート。テクノロジーに裏打ちされたクリエイティブエンタテインメントカンパニーとして多様な事業や人材、ノウハウを有する、世界でも類い稀な存在であるソニーが、映画祭とともに才能あふれる若いフィルムメイカーたちの支援・育成に参画することで、SSFF & ASIA 2020は更に1歩、日本発、世界レベルの映画祭へと近づきます。
【特設サイト】 https://www.shortshorts.org/sony/
また、9月28日(月)20:00~はソニー株式会社と、ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社が共同で、
新しい映像文化や潮流を次世代クリエイターと一緒に探求する「Creators’ Junction partnered with Xperia™(クリエイターズ ジャンクション パートナー ウィズ エクスペリア)」のオンライントークイベントを世界に向けて配信いたします。
モデレーターを映画祭代表の別所哲也(映画祭代表)がつとめ、『萌の朱雀』『あん』などの代表作をもつ河瀨直美監督がゲスト出演。さらに、スペシャルゲストとしてアーティスト/ミュージシャンの常田大希さん(King Gnu / millennium parade)をお迎えします。
配信URL https://youtu.be/5iPZHYUKjUY
※本トークイベントは事前収録の配信となります。