不易流行実行委員会のプレスリリース
「古典芸能が本来持ちうる芸術性と娯楽性を、現代人が楽しめる形で提供する」をテーマに、イベントの企画・運営を行う不易流行実行委員会(運営:有限会社オフィス拓 代表者:市川弘太郎)は、2021年7月31日、8月1日に東京建物 Brillia HALL (豊島区立芸術文化劇場)にて市川弘太郎 歌舞伎自主公演「不易流行(ふえきりゅうこう) 遅ればせながら、市川弘太郎の会」(以下、本公演)の開催を決定致しました。
■自主公演開催の背景
幼少の頃の弘太郎からのバトンを繋ぎ「いつかを待つ」のではなく「いま作る」
今回の自主公演についての説明は、36年前までに遡ります。市川弘太郎は、2歳でスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」を観て歌舞伎役者を志しました。12歳で三代目市川猿之助(現・市川猿翁)の部屋子となり、主役を演じることはありませんが、あらゆるタイプの役を演じることで歌舞伎役者として充実した生活を送っていました。そんな中、以前より交流があった同年代の役者仲間である中村七之助氏、尾上松也氏より思いがけない一言が。「本当にやってみたい役はないか?」その言葉に幼き頃の憧れであった「狐忠信」を鮮明に思い出しました。子ども部屋の二段ベッドで家族を観客にして夢中で演じた「四の切ごっこ」。あのときの感情がそのまま胸の中にあることに気が付きました。
「四の切をやりたい」思わぬ出てきた本音に弘太郎自身も戸惑いを感じました。38歳で自主公演を開催することは同門の部屋子の先輩と比較すると遅く、また収益設計にも不安があったからです。それでも、七之助氏はその場で共演を約束し、2年後の2021年7月31日・8月1日の2日間を押さえ弘太郎を後押ししました。コロナ禍にあってもその情熱は変わらず、むしろ「いつかと言っていたら、その時はいつまでも訪れない」可能性を一番のリスクと捉えました。38歳の弘太郎が同年代の仲間との約束を力として子供の頃の夢を叶えようとする姿に、歌舞伎界外からも有志が集まり「表現の場を創る」プロジェクトとして「不易流行実行委員会」が始動。
席数を半減し、感染予防策を徹底することでご来場の方々の安心安全を最大限追求するのはもちろんのこと、様々な企画をご用意して劇場に足を運ぶことが叶わない方々にも楽しんでいただける施策となっております。
■本公演の見どころ
市川猿翁の部屋子である市川弘太郎が、師匠への想いを胸に演じる義経千本桜
弘太郎の師匠である市川猿翁が1,000回以上演じた演目で、親子の情愛を描いた、現代にも通じる恒久的な作品です。歌舞伎は同じ演目でも一門で表現方法が違い、また劇場の形や上演時間に合わせて柔軟に表現が変わることもあります。市川弘太郎が師匠への想いを胸に演じる佐藤忠信、そして源九郎狐。歌舞伎ファンの方にも喜んで頂ける舞台であり、歌舞伎の特殊な演出や見どころも多く歌舞伎デビューの方へもおすすめの作品です。
■四代目 市川猿之助氏よりコメント
この度、澤瀉屋の一門である市川弘太郎が自主公演を開催せていただく運びと相成りました。これも日頃からご贔屓くださる皆様、そして、ご協力いただく七之助さんをはじめ共演者、スタッフ一同のお陰と心より御礼を申し上げます。
まだまだ、新型コロナウイルスの感染が収まらない状況ではありますが、「客席数を半分にしてもなんとか、自主公演を実現させたい」との本人の強い希望から、今日この日を迎えました。
思いますれば、私も自主公演を約十年間にわたり続けて参りました。現在の状況での開催は並々ならぬ苦労があるものと思っておりますが、得るものは計り知れないものと確信しております。どうか本公演が無事に開催できますよう祈るばかりです。
この勉強会を機に、いよいよ研鑽に励み、役者として大成することを願うと共に、今日ご来場の皆様におかれましては、彼の自主公演が回を重ねられますよう、末永くご声援を賜りますよう、不肖、私よりもお願い申し上げる次第でございます。※「澤瀉屋」の「瀉」のつくりは、正しくは「わかんむり」
市川猿之助
■古典芸能プロジェクト「不易流行」とは
古典芸能プロジェクト「不易流行」は、どのような状況下でも今できることのなかで縁を起こし「表現の場を創る」プロジェクトとして2020年8月に不易流行実行委員会を結成し始動しました。結成以来「古典芸能が本来持ちうる芸術性と娯楽性を、現代人が楽しめる形で提供する」をテーマに掲げ、2020年12月に狂言と歌舞伎のオンライン公演「不易流行」の配信に挑戦いたしました。当時は出演機会を持てずにいた同門の歌舞伎役者と表現の場を創り、多くの反響を得ました。第二弾として、2021年4月より猿翁一門の歌舞伎役者たちによるオンライントークイベント「部屋子の部屋」を企画。毎月継続的に配信を続け、「御福分け企画(プレゼント企画)」も恒例となり500を超えるメッセージを集める人気番組となっております。第三弾として2021年5月より歌舞伎を構成する三大要素である「音楽」に焦点を当てた邦楽の音楽番組「音楽驛」を開始するなど、様々なコンテンツを提供しています。プロジェクトは上述のテーマに基づき、今後も若手実演家の実現可能性やマーケットの拡張に向けた様々な施策の企画実施を行います。
2020年12月狂言と歌舞伎のオンライン公演「不易流行」
2021年5月邦楽の音楽番組「音楽驛」
- 公演概要
【公演名】
市川弘太郎 歌舞伎自主公演「不易流行(ふえきりゅうこう) 遅ればせながら、市川弘太郎の会」
【公演日時】
第一回:7/31(土)19時開演
第二回:8/1(日)13時開演
【場所】
東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
https://toshima-theatre.jp/
【上演作品】
三代猿之助四十八撰の内 義経千本桜
1,吉野山
2,川連法眼館の場
※出演者は都合により変更になる場合がございます
市川弘太郎、中村七之助、市川團子、中村鶴松 他
【チケット料金】
一等席 10,000円(税込)/二等席 6,500円(税込)/三等席 3,500円(税込)
※豊島区民割引有
※7月1日よりイープラス、としまチケットセンターにて販売開始
【主催】
「不易流行(ふえきりゅうこう) 遅ればせながら、市川弘太郎の会」製作委員会
【協力】
松竹株式会社
- 団体概要(不易流行実行委員会)
【運営】 有限会社オフィス拓
【公式HP】 https://fueki-ryuko.org
【公式SNS】 https://twitter.com/ichikawakohtaro
【お問合せ】 不易流行事務局(press@fueki-ryuko.org)