国立音楽大学、公益財団法人東京オペラシティ文化財団のプレスリリース
1. 発表のポイント
●同時代音楽とそれに取り組む若い音楽家の育成を推進する事業を実施します
●とりわけ、挑戦的かつ実験的要素の高い同時代音楽の振興を軸に、若手音楽家育成および青年層への音楽文化の普及に取り組みます
●大学の授業の一環として、東京オペラシティ コンサートホール、同リサイタルホールで開催される同時代音楽関連の企画に参加し、その知見を有した若手音楽家を社会に輩出します
2. 発表内容
公益財団法人東京オペラシティ文化財団は例年実施する「コンポージアム」(注1)やその他の主催事業を通じて、同時代作品の紹介と若手音楽家の育成に力を注いでまいりました。一方、国立音楽大学では、現代に生まれ、現代に生きる作品と向き合う音楽活動を積極的に行っており、創立80周年を記念して2005年から始まった「聴き伝わるもの、聴き伝えるもの ~20世紀音楽から未来へ向けて~」(注2)の演奏会シリーズにおいて、意欲的な作品群を教員と学生が一体となって取り組んでまいりました。2017年にはピエール・ブーレーズ:レポン~6人のソリスト、電子音響装置とアンサンブルのための~(1981-84/2005/改訂版 日本初演)に挑戦し、内外からの高い評価を受け、第16回佐川吉男音楽賞《奨励賞》を受賞しています。また、同大学主催の「打楽器アンサンブル定期演奏会」や「シンフォニック ウインド アンサンブル定期演奏会」では必ず邦人作曲家に新曲を委嘱するなど、その振興に力を注いでいます。
2019年6月11日に、東京オペラシティ文化財団・国立音楽大学共催公演「コンポージアム2019関連企画 フィリップ・マヌリ室内楽作品演奏会」が成功裡に開催されたことをきっかけとして改めて両者協議の上、このたび連携・協力に関する協定を締結いたしました。今後は公益財団法人東京オペラシティ文化財団が企画する各催事、また国立音楽大学の教育に関する諸活動において、音楽文化促進・人材交流・人材育成へ寄与することを目的としてさらに両者の連携を深め、発展させていく予定です。
3. 用語解説
(注1)「コンポージアム」について
世界中の若い世代の作曲家に創作を呼びかける「武満徹作曲賞」を核とした、東京オペラシティの同時代音楽企画が「コンポージアム COMPOSIUM」(造語:Composition + Symposium)です。「武満徹作曲賞」は、ただ一人の作曲家が審査員をつとめるというユニークさと、受賞者のその後の活躍などにより、世界的に知られているオーケストラ作品作曲コンクールです。
(注2)「聴き伝わるもの、聴き伝えるもの ~20世紀音楽から未来に向けて~」について
本シリーズは2005年国立音楽大学80周年記念行事として始まり、2020年で15回を数えます。20世紀以降の音楽世界を築いてきた現代作品「聴き伝わるもの」と、創造の新たな可能性を切り拓く新作「聴き伝えるもの」により未来を展望することをコンセプトとし、毎回異なるテーマによる多様な音楽作品を紹介しています。
4. 添付資料
調印式にて
東京オペラシティ文化財団 理事長:松山 保臣(左)、国立音楽大学 学長:武田 忠善(右)