柳家喬太郎師匠が「健康保険の現状」をテーマに新作落語を初披露!9月20日(月・祝)「敬老の日」から公開開始

健保連のプレスリリース

― 健康保険組合連合会 新作落語 ― 柳家喬太郎師匠が「健康保険の現状」をテーマに 新作落語を初披露! ~#笑っちゃうけど笑えない健保の噺~ 新作落語動画「健保寄席」(全二席) 9月20日(月・祝)「敬老の日」から公開開始 特設サイトhttps://www.kenpoyose.com/

 

 健康保険組合連合会(以下、健保連)は、落語家の柳家喬太郎師匠が、「健康保険の現状」をテーマにした新作落語を披露する「健保寄席」(全二席)を、2021年9月20日(月・祝)「敬老の日」から特設サイト、公式YouTubeアカウントにて公開します。

 また、同日、日本経済新聞と読売新聞の朝刊にて、本件に関する全15段カラー広告を掲載します。1人でも多くの方々にご視聴賜りたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

新作落語動画「健保寄席」 『酒と恩返し』より

 

新作落語「健保寄席」で伝えたいこととは

 すべての人にとって、身近で大事な「健康保険」。その様々な課題や現状について、より関心を持っていただくため、この度、今、最もチケットが取りにくいと言われる落語家・柳家喬太郎師匠の新作落語動画(全二席)を制作いたしました。

 

 一席目のテーマは、「75歳以上の医療費窓口負担が、現在の1割から2割になる」こと。高齢化、少子化、医療技術の発達などにより、医療費は増え続けています。今後も国民皆保険制度を維持していくため、来年度後半以降に予定されているこの窓口負担増を前向きに理解していただきたい、という思いが込められています。

 

 二席目のテーマは、「かかりつけ医とオンライン診療の必要性」について。医療を現代にあった仕組みに変えながら1人ひとりが健康意識を高め、医療費を節約していくことが重要です。かかりつけ医を持ち、オンライン診療を活用することで、より賢い患者を目指していただく。それが、国民皆保険制度の維持・運営に役立つと考えています。

 

あらすじ

『酒と恩返し』

 物語の舞台は、主人公馴染みの焼鳥屋。ようやくお店を訪ねることができるようになり、久しぶりにやってきた、喜寿を迎えた主人公のおじいさんと、現役世代の常連客、店員の若い衆といった登場人物たちの間で世間話が始まります。「後期高齢者の窓口負担が2割になること」を嘆く主人公に対し、その必要性を説く常連客。会話の中で、大将が行っている子どもたちのための取り組みや、次代を担う若い衆を厳しくも温かく見守っていることを聞き、主人公は「なるほど。上から受けた恩は下に返すのだ」と思います。健康保険もそういうことかと合点がいき、次第にその必要性を感じ取っていきます。

 

『ばあちゃんとスマホ』

 在宅で配達サービスを受ける主人公のおばあちゃんと、配達にやってきた顔馴染みの若い女性スタッフとの微笑ましい会話劇。実は、おばあちゃんはマッチングアプリを使いこなすほどの(?)スマホユーザーであることが判明し、女性スタッフを驚かせます。ちょっぴりとぼけた雰囲気の主人公のおばあちゃんと、その言動に振り回されながらも、身の回りのお世話を手伝ったり、わからないことをいろいろ教えたりしてくれる親切な女性スタッフ、2人の掛け合いを通じて、かかりつけ医の大切さと、案外手軽にできるオンライン診療について、楽しみながら理解を深められる落語です。

 

 

新作落語の見どころと撮影裏話

4台のカメラで柳家喬太郎師匠の高座を収録

 撮影は8月下旬、神奈川県川崎市内のスタジオで行われました。喬太郎師匠の姿を、上手と下手に各1台ずつ、正面の寄りと引き各1台の計4台のカメラで収録。高座に上がった師匠は、早速、目前のカメラ群を見渡し、「これだけ沢山カメラがあれば、いつもより思い切って動けるね」とにっこり。「これぐらい首振っても大丈夫かな?」とアクションを確認しながら、本番への集中力を高めていました。

 

カメラが回っていなくても小噺で笑いを取る旺盛なサービス精神

 本番直前のマイクテストでは、通常ほんの数秒程度の発声で確認が済むにもかかわらず、アドリブで小噺を披露し始めた喬太郎師匠。熱のこもった噺に、監督やスタッフはどんどん引き込まれ、オチ(サゲ)を聞く頃には、これがテストだったことを忘れるほどすっかり夢中になっていました。残念ながらカメラを回していないため、居合わせた者だけが聞けた貴重な噺ですが、その特別感と師匠のサービス精神に盛大な拍手が沸き起こり、和やかなムードに包まれました。

 

新作落語「健保寄席」で発語した全ワードをテロップでわかりやすく可視化

 「健康保険の現状」をテーマに書き下ろした、喬太郎師匠渾身の新作落語を余すところなく記録し、より多くの方に視聴いただくために制作した本作品。メッセージ内容を落語の中に入れてあるため、高座の動画としては珍しい黒バックで撮影して師匠が語る落語を、テロップで画面に表示しました。わかりにくいテーマをわかりやすく伝えるため、このような映像設計にしました。

 

 

柳家喬太郎師匠 インタビュー

――新作落語の制作というオファーがあった時の率直なお気持ちをお聞かせください。

本当のこと言っていいですか?ありがたい半分、厄介だなというのが半分でしたね。普段の新作落語の時は、何度もやっていくうちに育てていくんですが、今回は一発勝負でそれができない。その上で、僕という芸人、落語のツールを通じて、健保連さんのお伝えになりたい情報を、きちんとお伝えしなければならない、こりゃあ厄介だなと思いましたよ(笑)。

 

――「高齢者窓口負担引き上げ」というテーマを聞いた時、どう思われましたか?

おかげさまで、僕は今年58歳になって、まだ両親も健在です。なので、そういう意味では、75歳以上の医療費の窓口負担が1割から2割になるというのは、親世代の話になるので、全然関係ない話じゃない。僕自身、75歳まではまだまだ間がありますけど、例えば年金もらうまであと7年と考えると、そろそろ高齢者のカテゴリーに近づいてきていますよねと。20~40代前半がバリバリの現役世代だとして、僕もバリバリではあるんですけど、その間にいる感じだよなという気がします。だから、自分にとっても遠い話じゃないよね、という意味で、ひょっとしたら伝えやすいテーマだったのかもしれません。

 

――もうひとつのテーマ「かかりつけ医によるオンライン診療」について。

こっちはむしろ、我が身のこととして思いました。お恥ずかしながら、私はガラケーで、当然パソコンも使えませんし、週刊誌の連載も未だに原稿用紙で書いて、FAXで送っています。そういう人間からすると、「オンライン(リモート)診療」というのはどうすりゃいいんだよというのが、正直なところなんですけど、これができるようになると、本当にいいじゃないですか。オンライン診療など活用できるようにスマホを使えるようにならなきゃなと切実な思いに駆られた気がします。

 

――2つのテーマを落語に落とし込むにあたって、ご苦労されたところをお聞かせください。

「オンライン(リモート)診療」の方は、割と普段の新作落語を作る感じに近かったですね。ただ、もう一方の、医療費の窓口負担が上がるよ、というテーマで落語を作ってくださいと言われた場合、普通は、「やっていらんないよね、おばあちゃん」「そうだよね、払えるもんかい」という風になるはずなんです。でも、今回はそれを逆に作らなきゃ駄目でしょ。それが大変だったところですね。ただ、そういう話をいかに嫌味じゃなく、これを見てほしいお年を召した方に伝えられるかを考えるのは、やり甲斐もありました。あと気を遣ったのは、私が健保連の手先に見えちゃいけないということです。落語というのは台本作って終わりじゃなくて、噺家が言葉を使って、座布団の上で表現して、初めて落語が生まれます。だから、こいつ健保連の手先だなと思われた瞬間に、お客さまの気持ちに入り込めないんですよ。届かないんです。そこを届いてもらうために、話の作り方、演じ方を工夫しながら、芸人としての立ち位置をどこに置くかというのが、実は一番の苦労だったかもしれません。

 

――コロナ禍で増えた「無観客」「ライブ配信」という状況で寄席をやる難しさについて。

配信がこれだけ広がって、音楽にしても、演劇にしても、今はもう当たり前になってきたじゃないですか。最初の頃はやりづらかったです。ただ、何度かやっていくうちに、カメラの向こうにお客さんがいるんだよねというのが、綺麗事じゃなくて、実感できるようになってきたんですよ。また、配信は配信で、地方にいてなかなか生の落語に触れられない我々にはありがたいんです、という方もいます。海外の方にも楽しんでいただけるということも分かって、僕らに新しい方法を教えてくれたと思っています。配信より生のライブだよね、というのは当たり前なんですけど、そうは言っても、配信は配信で捨てがたいぞと。僕も、無観客の方が出来が良かったりする時があるんですよ。寝てる人がいないから(笑)。こういう状況はなかなかつらいんですけど、それを面白がれるようにならないと生きていけないので、そういう風に気持ちを切り替えています。

 

――健康維持のために心がけていること、健康の秘訣についてお聞かせください。

健康の秘訣をお話できない理由があって。不健康なんですよ(笑)。一つだけあるとしたら、偶然なんですけど、外へ飲みに行けなくなったじゃないですか。僕は元々お酒が好きで、表で飲む機会が多いので、家でまで飲んでたらキリがないなと思って、ずいぶん前から、1ヶ月の3分の1はお酒を抜こうと心がけていたんです。ただ、それを半分にできたらいいなと思っていても、なかなかできない。暑いっちゃあ飲むし、寄席が終わった後、なじみの店に行っちゃうし。そうしたら、コロナで飲みに行けない、家でも飲まないとなったら、年に半分抜くことができて。そのうち年に3分の2は抜けるんじゃないとなって、去年はその通り実践できたんですよ。酒が悪いという意味じゃないですよ。大好きだからこそ、一生飲みたいなと思って。飲みすぎて体を壊したくないんです。死ぬまで飲みたい。だから、ほどほどに飲む。その代わり甘いものをたくさん食べるようになって、それはいかんと思ったりするんですけど。とにかく今年の目標は、年の4分の3、お酒を抜くことです。この機会にこれからも、肝臓にやさしくしてみようと思います。

 

――高齢者の方や若者の皆さんにメッセージをお願いします。

人生の先輩方には本当に申し訳ないと思います。僕たち人生の後輩を、叱咤激励しながら日本を作ってこられた方々に、これ以上甘えるのは心苦しいんですが、もうひと甘えさせてください。逆に言うと、それは皆さんにしかできないことなので、我々現役世代をもう少しだけ助けてください。そして僕より若い方々、みんな年をとります。今は高齢の方々にお願いしているので、僕らもそれができるように今を頑張りましょう。僕も20代30代の頃は、50代60代にはならないと思っていましたが、当然なるわけで、あと2年ちょっとで私も還暦です。まだまだ頑張れるので、頑張ります。だから、高齢の方々から頂戴したお気持ちに甘えることになるんですけど、決してそこで歩みを止めることなく、この情勢を生き抜きながら、いつかは自分たちのことだと思って、受け止めていただければありがたいなと思います。

 

 

2021920日(月・祝) 新聞広告掲載 概要

日本経済新聞と読売新聞の朝刊にて、本件新作落語動画「健保寄席」告知の全15段カラー広告を掲載します。

広告内のQRコードをスマートフォンやタブレットで読み込んでいただき、高齢者を始め、一人でも多くの方に動画をご視聴いただきたいと思います。

 

 

新作落語動画 概要

タイトル:「健保寄席」『酒と恩返し』/『ばあちゃんとスマホ』

出演:柳家喬太郎師匠

公開日:2021年9月20日(月・祝)「敬老の日」

公開先:「健保寄席」特設サイト https://www.kenpoyose.com/

動画URL:『酒と恩返し』 https://youtu.be/wB9jM4sfopw

     『ばあちゃんとスマホ』 https://youtu.be/jU6BxObafSY

     『「健保寄席」メイキング映像』 https://youtu.be/egJyrVo8Mfg

 

 

プロフィール

柳家 喬太郎(やなぎや きょうたろう)

落語家。東京都出身、1963年11月30日生まれ。

1989年10月、柳家さん喬に入門。00年、真打に昇進。05年、『国立演芸場花形演芸会』大賞、06年、『芸術選奨』で文部科学大臣新人賞(大衆芸能部門)を受賞と多数の賞を受賞。14年、落語協会理事に就任。『ハンバーグができるまで』や『夜の慣用句』、『午後の保健室』をはじめとする数々の新作落語で知られるが、師匠譲りの古典落語も巧みに演じる。エンターテインメント性に富んだ語り口で、年代問わず多くの落語ファンを魅了し続けている。また、9月10日から公開された映画『浜の朝日の嘘つきどもと』に出演するなど、その活動は多岐にわたる。

 

 

制作スタッフ                                           

CD:岡村めぐみ

PL:北尾俊輔 岩田泰河 串大輝

AD:永井淳也 小山千晴

Pr:中村拓人

PM:山田悠

演出:志真健太郎

撮影:金芳明

照明:小林暁

美術:遠藤信弥

ヘアメイク:木場みなみ

PRディレクター:徳永希

PRプランナー:玉井星音

 

 

参考

<後期高齢者の医療費窓口負担について>

 現在、75歳以上の窓口負担は原則1割で、現役並みの所得(単身世帯で年収383万円以上)がある人のみ3割負担となっています。新たに2割負担になるのは、単身世帯で年収200万円以上、夫婦ともに75歳以上の世帯では年収計320万円以上の人で、全体(約1,815万人)の2割に当たる約370万人が該当します。 

 窓口負担の引き上げ開始は、2022年10月から23年3月の間で、今後政府が決定します。また、引き上げから3年間は、外来の負担増を月3,000円以内に抑える緩和措置が導入されます。

 

<オンライン診療について>

 コロナ禍の中、院内感染を防止するための特例措置として、昨年、初診でのオンライン診療が解禁されました。本年4月末、対応可能な医療機関数は、全医療機関11万898施設のうちの15.2%で、令和2年10月末から0.2ポイントしか増えていません。

 在宅やへき地・離島への活用はもちろんのこと、通院に付き添いが必要な高齢世代、仕事が忙しく受診できない働き盛り世代、育児多忙の子育て世代などの方々にとって、医療へのアクセス方法が増えます。また、かかりつけ医のオンライン診療が普及すれば、感染防止だけでなく、医療資源の効率化も期待され、医療現場逼迫の回避にもつながります。コロナ禍では受診機会が制限されかねず、ネット上で情報検索するより、かかりつけ医からの適切な診断や助言が期待できます。

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