『初心者でも分かりやすい能を上演する』をコンセプトに活動する、佐久間二郎能の会「三曜会」 第10回「安達原」上演決定! 人間国宝・野村万作、野村萬斎も出演。 カンフェティにてチケット発売

ロングランプランニング株式会社のプレスリリース

第10回 佐久間二郎能の会「三曜会」が2021年12月4日(土) に国立能楽堂(東京都渋谷区)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 ⼤剛)にて10月8日(金)より発売開始です。

カンフェティで10月8日(金)10:00よりチケット発売開始
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=62471&

公式ホームページ
http://www5e.biglobe.ne.jp/~hanamiti
 

『初心者でも分かりやすい能を上演する』ことをコンセプトに、ストーリーも明確で、かつドラマ性の高い演目を上演してきた「三曜会」。第10回目となる今回の能は「安達原」を上演します。陸奥・安達ケ原の荒野に住む一人の女。実はその正体は、旅の人間を取って食べる鬼であった。人間の業の深さを抉り出す、哲学的な内容の能。また狂言は、猿と人間の心の交流を描いた「靭猿」を上演。同じく人間の持つ深い心理を描いた、楽しくて感動的な内容の狂言です。また、佐久間二郎による「能の見どころ」解説や、笛方・一噌幸弘師による「笛独奏」など、今年も盛りだくさんの内容をお届け! 10年の節目を記念した「三曜会」ならではのラインナップを存分にお楽しみくださいませ。

【狂言】靭猿

長く都に逗留の大名は、気晴らしに太郎冠者と狩りに出かけると、そこで毛並みの良い猿を連れた猿曳に出会う。大名は、自身の持つ靭(うつぼ=矢を入れる筒)を猿の皮で飾ろうと思いつき、目の前の猿を寄越せと猿曳に言う。弓矢で脅してくる大名に、猿曳はやむなく自分で猿を殺すことに決め、いざ杖を振り上げると猿はその杖を取って舟をこぐ物真似の芸を始める。あまりのいじらしさにこの上は自分も共に殺してくれと大泣きする猿曳に、大名も遂にはもらい泣きし、猿の命を助けることにする。喜んだ猿曳は助命の礼にめでたい猿歌をうたって猿を舞わせ、大名も上機嫌でともにはしゃいで見せる。

能『安達原』

山伏・阿闍梨祐慶(ワキ)と供の山伏(ワキツレ)は、旅修行の途中、陸奥の安達原に辿り着く。折からの夕闇に足止めを喰らい途方に暮れていると、ふと原野の真中に小さな明かりを見つける。そこには一人の女(シテ)が寂しく暮らしていた。一夜の宿を求める山伏。老婆は一度は断るが、あまりに山伏が懇願するので結局は中に招き入れる。粗末な造りの庵。その部屋の片隅には「枠桛輪(わくかせわ)」と呼ばれる糸車が置いてある。興味をもつ山伏に老婆は、せめてもの持てなしにと、糸尽くしの歌を歌いながら糸繰る様を見せる。
夜も更け、いよいよ寒くなる庵の中。ひと時の暖をとるため老婆は、山へ薪を採りに行こうとするが急に足を止め「その閨(ねや)の中は決して見るな」と言い残し、山へ消えて行く。
それを聞いた山伏の次男坊(アイ)は、主人の言うことを聞かずに祐慶たちが寝静まったのを見届け閨の内を覗いてしまう。果たしてそこには、かの老婆に殺されたと思われる無数の惨殺死体が、天井に届かんばかりに積み重なっていた。驚く山伏たちは、足に任せて逃げていく。そこへ、先刻の女が山伏たちの裏切りに怒りの鬼女(後シテ)となって現れ、凄まじい勢いで襲い掛かるが、結局は山伏に祈り伏せられ、闇の中へと消えて行く。

男の裏切りによって女が鬼と化す能は、他に「道成寺」などがある。本曲同様、『般若』の面をつけるあたりも、共通点の一つと言えるが、始終、女の持つ凄まじい恋の情念の描写に一貫される『道成寺』に比べ、『安達原』は、むしろ仏教哲学的な面白さがあると言える。しかしそれだけに、物語の背景にある数々の事象が、悉くベールに包まれているのも、特徴の一つと言えよう。
寂寞の荒野に暮らす一人の女。果たして、彼女は何のためにここに身を置くのか。何故に人を取り殺し、喰らうのか。なぜ鬼になったのか、一切が謎である。それだけに、能以外の戯曲や物語に於て、この荒野の鬼女に関しては実に様々な解釈が為されている。
昔話風なストーリー。もの寂びた風情。凄惨な死骸の描写。全般を通してホラー的な要素を持つ能であるが、その背景には、人間の持つ生々しい罪業の深さを表現している曲と言える。禁じられたものを見てしまう欲望。罪と知りながらも人を喰らい続ける鬼女の心理。女のひた隠す閨に積み置かれた死体のように、生きていく上で重ねられていく人間の宿業を描いた異色の能である。

【番組】

・舞囃子「高砂」~八段之舞~
佐久間二郎

笛  一噌 幸弘
小鼓 田邊 恭資
大鼓 柿原 弘和
太鼓 林 雄一郎

・能の見どころ紹介
佐久間二郎

・仕舞「箙」
観世 喜正

・狂言「靭猿」
シテ(大名)  野村 万作
シテ(猿曳)  野村 萬斎
アド(太郎冠者)中村 修一
アド(子猿)  三藤なつ葉

・一管「笛独奏」
一噌 幸弘

・仕舞「卒都婆小町」
観世 喜之

・能「安達原」~黒頭~
シテ(里女・鬼女)佐久間二郎
ワキ(阿闍梨祐慶)野口 能弘
ワキツレ(従者) 野口 琢弘
アイ(能力)   高野 和憲

笛  一噌 幸弘
小鼓 田邊 恭資
大鼓 柿原 弘和
太鼓 林 雄一郎

地謡 観世 喜正  他
 

■ タイムテーブル
14:00~舞囃子「高砂」八段之舞
14:20~能の見どころ紹介
14:30~仕舞「箙」
14:35~狂言「靭猿」
15:15~休憩
15:35 ~一管「笛独奏」
15:50~仕舞「卒都婆小町」
15:55~能「安達原」
17:10 終了予定
※開場は、開演の60分前です。

■ 上演時間
約3時間10分

■ チケット料金
SS席(正面席前列):9,000円
SS席(脇正前列):9,000円
S席(正面席):7,000円
A席(脇正面):6,000円
B席(中正面):5,000円
GB席:4,000円
※学生席各2,000円引き
(全席指定・税込)
※前売りにて完売の場合は当日券の扱いはありません

【カンフェティ席取扱公演】
S席 7,000円 → カンフェティS席 6,000円!
A席 6,000円 → カンフェティA席 5,000円!
B席 5,000円 → カンフェティB席 4,000円!
(全席指定・税込)
 

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