カルチュア・エンタテインメント株式会社のプレスリリース
『ツタロックフェス 2022』オフィシャルHP
http://tsutaya.jp/tsutarockfes2022/
【オンエア情報】
「ツタロックフェス2022」ライブの模様をフジテレビNEXT/フジテレビNEXTsmartにて独占放送/配信決定!
■番組概要
『ツタロックフェス2022』
日時:2022年5月3日(火・祝)19時~
放送:フジテレビNEXT ライブ・プレミアム
配信:フジテレビNEXTsmart
出演:秋山黄色/ゲスの極み乙女。/Saucy Dog/sumika/Tempalay/04 Limited Sazabys/マカロニえんぴつ / ユアネス(オープニングアクト)
番組URL:https://otn.fujitv.co.jp/TSUTA22/
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【フジテレビ有料チャンネル インフォメーションセンター】
TEL:0570-088-818 受付時間:10:00~20:00
【開催概要】
公演名:ツタロックフェス2022 supported by Tポイント
公演日:2022年3月20日(日)
会場名:幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール
主催:CCCミュージックラボ(株)/ライブマスターズ(株)
企画:CCCミュージックラボ(株)
制作:ライブマスターズ(株)
運営:(株)ディスクガレージ
特別協賛:(株)Tポイント・ジャパン
問い合わせ:
http://tsutaya.jp/tsutarockfes2022/
「ツタロックフェス2022 supported by Tポイント」が3月20日、幕張メッセ9・10・11ホールにて行われた。この記事では当日の模様をレポートする。
註:以下文章はRolling Stone Japan WEBに掲載したレポートを再編集したものです。
【ライブレポート】
◆ユアネス
(オープニングアクト)
ユアネス photo by 西槇太一
オープニングアクトを務めるのは福岡発のロックバンド、ユアネス。昨年12月に1stフルアルバム『6 case』をリリースし、全国7カ所をまわるツアー「ONE-MAN LIVE TOUR 2022 “6 case”」を経て、進化を続けるバンドの「今」を体現。1曲目は疾走感のある「凩」。抑制されたトーンで情熱的に歌い上げる黒川侑司(Vo, Gt)。多彩なアプローチで変化を加える古閑翔平(Gt, Programming)らが、バンドサウンドの醍醐味を伝える。2曲目は「日照雨」。黒川の歌に寄り添うギター、ベース、ドラムの演奏も自然体でいい。この仕上がり具合は、バンドの現在の勢いを表していると言ってもいいだろう。3曲目に披露したのは「籠の中に鳥」。1曲目とはまた異なり、2曲目・3曲目で見せた深みと広がりが、これからのバンドの進化のカギを握るだろう。
◆秋山黄色
秋山黄色 photo by 藤川正典
楽曲の全てを手掛ける1996年生まれのソロアーティスト、秋山黄色はギタリスト、ベーシスト、ドラマーとともに登場した。シーケンスを含め、ギミックを駆使したエキセントリックなアレンジを、バンド・サウンドで再現した「見て呉れ」、ギターのみならずベースも歪ませ、轟音の演奏で圧倒したロック・ナンバー「PUPA」。どの曲でも轟音のリフがガツンと鳴る。駆け抜けるように演奏した「ナイトダンサー」から一転、秋山がラスト・ナンバーに選んだのは、バラードとも言える「モノローグ」。
「時間なんて、考え方次第でなんぼでも余裕で戻ってきます。みなさん、今日は全力で取り戻してください」そんなメッセージを込めながら、最後の最後にメランコリックな楽曲をじっくりと聴かせ、観客の心の奥底にズドンと強烈な印象を残した。
◆MY FIRST STORY
MY FIRST STORY photo by 西槇太一
左右の巨大スクリーンにリアルタイムで歌詞が浮かんでは消えていった「I’m a mess」では、Hiro(Vo)が歌い上げる美しいメロディラインと唸りを上げるベースがラウドなハーモニーを奏でた。続く、「Dreaming of you」や「大迷惑」もそうだが、モッシュやダイブに駆り立てるというより、MY FIRST STORYというバンドの楽曲のよさをじっくり堪能させる流れがうれしい。
“音楽で世界を変えるなんて綺麗事なんだと思いました。でも、それを信じて誰よりも大きな声で叫び続けるのがロックバンドの役目なんだと思う”
こういう力強いメッセージを乗せられるのが「不可逆リプレイス」というビッグアンセムが持つ力であり、Hiroというフロントマンの力なんだろう。今日は全体的に若い観客の姿が目立つが、ここでガツンとやられた人は多いはずだ。
◆マカロニえんぴつ
マカロニえんぴつ photo by 藤川正典
2曲目「はしりがき」で“ただ無駄を愛すのだ!”とはっとり(Vo,Gt)が歌い放つ中、1万2000人ものオーディエンスがレインボー色に照らされたステージへと手のひらをかざす光景は、とても美しかった。それぞれが様々な規制のある日々を過ごしている上に、ライブや音楽が「不要不急なもの」とされた時代に、だだっ広い会場で音楽を愛する者たちがその言葉に手を伸ばす景色が、とても切実なものであり希望を掴もうとしているように見えたのだ。
最後のMCで、はっとりはこう語った――「信じたり祈ったりすることしかできないかもしれないけど、それだけできれば、みんなが一個ずつ信じれば、消せない絶望はないような気がしています」。そして演奏したのは「ヤングアダルト」。マカロニえんぴつは奏でる、絶望を打ち消すための曲を。
◆ゲスの極み乙女。
ゲスの極み乙女。 photo by 西槇太一
最初から総立ちになっている観客の歓迎が、バンドの変わらぬ人気を印象づける中、彼らの楽曲にはメンバーそれぞれの超絶テクニックも楽しませる一方で、観客の期待に応えるようにサビではしっかりとキャッチーになるという安心感がある。川谷絵音(Vo,Gt)が言った「音楽を鳴らせる」歓びを観客の情緒に訴えかけるのではなく、音楽そのもののおもしろさを楽しんでもらう中で表現したかったのではないかと思わせるステージだった。「キラーボール」の中盤では、札幌をはじめ日本各地にあるTSUTAYAの支店それぞれのイメージで、ちゃんMARI(Key)に即興のピアノ・ソロを弾いてもらうという遊び心も織りまぜた。4つ打ちのリズムで観客を踊らせるだけがゲスの極みの乙女。のライブの醍醐味ではない、と改めて思った。
◆Tempalay
Tempalay photo by 藤川正典
1曲目「脱衣麻雀」からJohn Natsuki(Dr)が叩くパッドのビートがずしんと会場に響き、サイケデリックで摩訶不思議なTempalayの世界へと一気に誘い込む。途中で、小原綾斗(Vo,Gt)が左手でお札を数えるような仕草を見せた瞬間がステージ隣のスクリーンに映る。音も、言葉も、パフォーマンスも、ファッションも、隅々にまでユーモアを散りばめるTempalayらしい。この日、小原いわく「喉の調子が悪い」とのことで、最後の曲「そなちね」では何度か言葉を詰まらす場面も。この曲はJohn Natsukiの子どもが生まれるときに書かれたものであるが、そんな小原の今日の歌い方が、親が子どもに想うどんな言葉にもならないような、親が命がけになってでも、子が美しい光のように生きていくことを切実に願う気持ちが表現されているかのようだった。
◆Vaundy
Vaundy photo by 西槇太一
TempalayがエギゾチックでサイケデリックでSF的な色に染め上げたステージに登場し、一気に自分色に塗り替えたのはVaundy。「不可幸力」「踊り子」と、1万2000人もの音楽ラバーたちが今まさに聴きたがっている曲をド頭からぶっ放す。「不可幸力」では会場全体が揺れて、「踊り子」では自然とクラップが湧き起こる。「不可幸力」ではBOBO(Dr)のリバーブがかかったスネアの音が気持ちいい。最後は「怪獣の花唄」を演奏し、オーディエンスが飛び跳ねて大団円を迎える。そしてステージが終了した瞬間、会場全体がどよめきに似た声に包まれる。各々がステージを見終えた後の感動を口にしているのだろう。フェスにおけるVaundyのポテンシャルは、凄まじい。現在21歳の彼が多くの他者と自分にまつわる愛を知って綴る言葉や作る音楽がどう変化していくのかが、非常に楽しみだと思う。
◆sumika
sumika photo by 藤川正典
sumikaは爽やかなバンドというイメージだったけど、実は泥臭さもある。ジャジーにスウィングする「Strawberry Fields」では飛び散る汗が見えるかのような演奏を繰り広げ、かと思えば、同期をメインに据えた大胆なアプローチの「Babel」でビート感たっぷりに攻めてくる。で、その直後に放り込んでくるのが鍵盤モリモリの直球バラード「願い」である。この日は総勢7名でステージに上がった彼らだが、自由自在に編成を変え、次に何が出てくるのか予想がつかないパフォーマンスを40分という決して長くはない時間を濃密なものにしていった。
「グライダースライダー」をプレイする前、片岡健太(Vo,Gt)は「今日が最後のライブになっても後悔しないぐらい命をかけてライブをします」と言っていた。「Shake & Shake」で幕張が今日イチの多幸感に包まれるなか、自分の心もあらゆる意味で弾んだ。
◆Saucy Dog
Saucy Dog photo by 西槇太一
石原慎也(Vo, Gt)、秋澤和貴(Ba)、せとゆいか(Dr, Cho)の3人がアイコンタクトでしっかりと呼吸を合わせ、「結」から始まった演奏は、「この曲知ってる人?」という石原の問いかけに無数の手が挙がった「雀ノ欠伸」、秋澤と石原がソロをリレーした「ナイトクロージング」と曲が進むにつれ、どんどんと熱を上げ、それに手拍子で応える観客とともに序盤から大きな一体感を作り上げていった。
ギターをかき鳴らしながら、時折、気持ちが先走る石原、ギターをかき鳴らす石原の代わりにベースでメロディも奏でる秋澤、そしてどしっとドラム・プレイで演奏を支えながら、ハーモニーも加わえるせと――3人だけの音色で彼らが演奏するのは、青春のセンチメントが滲むフォーキーなところもあるギター・ロックだ。Saucy Dogが今、どんなふうに期待されているかが伝わって来た。
◆04 Limited Sazabys
04 Limited Sazabys photo by 藤川正典
コロナ禍を受けてモッシュやダイブ、声出しが禁じられたことで多くのバンドが大きな壁にぶち当たったが、パンクバンドはその影響を最もまともに喰らったのではないだろうか。歴戦のバンドが試行錯誤している姿をこれまでもあちこちで見たし、04 Limited Sazabysもきっとそうだったはずだ。
明るい未来を見据えたショートチューン「message」から「fiction」「fade」「mahoroba」と矢継ぎ早に音をつなげていく。しかし、4人はただ前のめりになっているだけではない。よくよく注意を払ってみると、以前よりもグッと演奏に入り込んでいるように見える。ステージ上で暴れまわることなく、たとえステージングが地味に見えたとしてもしっかりと音を届ける。序盤中盤よりもテンポダウンした「Letter」「hello」あたりでその様子がより顕著に見受けられた。口には出さない4人の強い想いが音の隙間から語りかけているように感じられた45分間だった。
◆クリープハイプ
クリープハイプ photo by 西槇太一
冒頭、尾崎世界観(Vo, Gt)が笑いを取りながら、アーティストとしてのアティテュードをアピールしてから、セックスの歌だというたたみかけるようなロック・ナンバー「HE IS MINE」で演奏を始めたクリープハイプは、そこから約1時間。今年、メジャーデビュー10周年を迎えるバンドらしいスキのないプロットを持つ全10曲を披露して、最後まで残った観客(がほとんどだったと思う)を楽しませた。
「本当に遅くまで残ってくれてありがとう」(尾崎)
その感謝を伝えるという意味で、別れた恋人への未練を歌い上げるこの曲ほどラスト・ナンバーにふさわしい曲はなかっただろう。そのビターな味わいは、まさにクリープハイプの真骨頂。さっきまであんなに盛り上がっていた観客が息を殺すようにじっと尾崎の歌に聴きいっている光景は、クリープハイプらしい見事なフェスの締めくくり方だった。
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