北海道テレビ放送株式会社のプレスリリース
HTB北海道テレビが2020年2月2日に制作・放送したドキュメンタリー番組HTBノンフィクション「アイヌの誇り 胸に~受け継がれし エカシの言葉~」(英語字幕版)が、ドイツ・ハンブルグで開催されたメディア作品の国際コンペティション「World Media Festival 2022」のドキュメンタリー部門で銀賞を受賞しました。
アイヌの誇り 胸に~受け継がれし エカシの言葉~(C)HTB
World Media Festivalは2000年にドイツのハンブルグで始まった国際映像祭で、情報、教育、エンターテインメントなどの分野から優れた映像作品を国際的な規模で表彰しており、ヨーロッパで最も重要な賞の一つとなっています。2022年は40の国と地域から823作品の応募がありました。HTBからは2010年に開局40周年記念スペシャルドラマ「歓喜の歌」がエンターテインメント部門金賞を、2019年に特別クロージング「南平岸最後の放送~50年間の感謝と別れの想いをこめて…」がニュース部門銀賞を、2021年にはHTBノンフィクション「おっぱい2つとってみた~46歳両側乳がん~」がドキュメンタリー部門銀賞を受賞しており、今回が2年連続4度目の受賞となります。
今回、ドキュメンタリー部門の銀賞を受賞した、「アイヌの誇り 胸に~受け継がれし エカシの言葉~」(英題:NOTEBOOKS OF HERITAGE: RECLAIMING TRADITIONS OF THE AINU PEOPLE)は、2017年7月からアイヌ民族の苦難の歴史について継続的にニュースで取り上げてきたHTBが、先祖代々伝わるアイヌの精神と文化を日々の暮らしの中で実践し、後世に引き継ごうと模索するアイヌの父子に密着したドキュメンタリーで、第57回(2019年度)ギャラクシー賞テレビ部門奨励賞も受賞しています。
■World Media Festival WEB SITE
https://www.worldmediafestival.org/
この受賞について沼田博光プロデューサーは、「番組を制作した2018年は<北海道命名150年>の節目の年でした。独自の文化を持つ少数民族アイヌの人々にとって、北海道開拓の150年は、住んでいた土地や言語を奪われ、国の同化政策による偏見や差別に苦しむ150年でもありました。番組では長老として仲間から慕われた祖父、差別や貧困でアイヌ語を学べなかった父、大学でアイヌ文化の〝学びなおし〟をする息子の3代にわたるアイヌ民族の家族を取材しました。文化とは暮らしの中から生まれ育まれるものですが、国はアイヌ文化を切り離し、観光の目玉にする政策をとっています。4日間にわたって父とともに死者を送る儀式を執り行った主人公の若者は「アイヌ文化は博物館にあるものじゃない。実際に自分たちでやるものだ」と訴えます。海外で、今を生きるアイヌの人々を紹介する作品はわずかしかありません。受賞をきっかけに海外の多くの人がアイヌ民族について知る機会になればよいと願っています。」と語りました。
■HTBノンフィクション「アイヌの誇り 胸に~受け継がれし エカシの言葉~」
(英題) NOTEBOOKS OF HERITAGE:RECLAIMING TRADITIONS OF THE AINU PEOPLE
■初回放送日時
2020年2月2日(日)午前10時~10時55分※北海道ローカル
■放送内容
祖父が書き残したノートをなぞりながら、先祖代々伝わるアイヌの精神と文化を日々の暮らしの中で実践し、後世に引き継ごうと模索するアイヌの父子に密着した。一族の文化を引き継ぐ証として父が子に対して行う儀式、およそ20年ぶりに行われた土葬による弔いの儀式など、貴重な映像とアイヌの精神文化を紹介する。明治から続く日本人への同化政策で消えつつあるアイヌ文化を再び輝かせようと、アイヌの誇りを胸に前を向く親子を描く。
■番組ホームページ
https://www.htb.co.jp/hn/log/2020/02021111/
■HTB北海道onデマンド
https://hod.htb.co.jp/※HTB北海道onデマンドで無料配信中
■ナレーション
大橋 千絵
■制作スタッフ
プロデューサー 沼田 博光
ディレクター 藤島 保志(アウン)
取材 立田 祥久
撮影 浅野 光宏
編集 中川 大輔