株式会社集英社のプレスリリース
また、村山さんが阿部定事件を描く最新作『二人キリ』が、小説すばる10月号(9月16日発売)にてスタート。村山さん流の視点で、阿部定という女性の真実に光を当てる挑戦作です。
ますます注目される村山由佳作品を、この機会にぜひご一読ください。
村山由佳・著『風よ あらしよ』/集英社
■『風よ あらしよ』あらすじ
明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で3人の男と〈結婚〉、7人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺される――。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして2番目の夫でダダイストの辻潤、3番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を雑誌「青鞜」に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の大作。
https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/kazeyoarashiyo/
■プレミアムドラマ「風よ あらしよ」番組情報
<出演>吉高由里子、永山瑛太、松下奈緒、稲垣吾郎 ほか
NHK BSプレミアムにて2022年9月4日(日)夜10時放送スタート(全3回/3週連続)
https://www.nhk.jp/p/ts/46GRNGJ8Y6/
■村山さんコメント
『風よ あらしよ』を書いていた間は、身のうちから自分が消えて、かわりに伊藤野枝が乗り移ったかのようでした。苦しかったけれど、たまらなく愉しかった。このたびNHKでドラマ化して頂き、素晴らしい俳優さんたちが登場人物それぞれを演じて下さることで、ようやくほんとうに物語を手放せた気持ちでいます。
次なる挑戦は、あの阿部定。『二人キリ』というタイトルは、彼女が例の事件現場に指で書き残した血文字からとりました。
かりに野枝が、男を〈愛し抜いた女〉だとするなら、定は〈愛されたかった女〉──自分の内側を照らしてみればどちらもが棲んでいます。
彼女はなぜ、あのような凶行に及んだのか。
こんどは阿部定に乗り移ってもらうとしましょうか。
■村山さんプロフィール
村山由佳(むらやま・ゆか)
1964年東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て作家デビュー。1993年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で直木賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、島清恋愛文学賞、2021年『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞を受賞。『雪のなまえ』『てのひらの未来 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season:アナザーストーリー』『星屑』など著書多数。
小説すばる10月号/集英社 ※表紙デザインは、一部変更になる場合があります。
■小説すばる 媒体情報
1987年に創刊された月刊小説誌。北方謙三さん、村山由佳さんなど人気作家の連載、気鋭の新人の意欲作を掲載。近年では西條奈加・著『心淋し川』、今村翔吾・著『塞王の楯』など直木賞受賞作を連載。毎月17日発売、定価960円(10%税込)。
http://syousetsu-subaru.shueisha.co.jp/
■小説すばる10月号 掲載内容 (抜粋)
【新連載】村山由佳『二人キリ』
【好評連載】北方謙三『チンギス紀』、馳 星周『フェスタ』、大島真寿美『うまれたての星』 など
【読切】新川帆立 など
【インタビュー】奥田英朗、月村了衛 など
【対談】島本理生×松井玲奈、みうらじゅん×宮藤官九郎
【写真コラム】石田衣良