株式会社文化放送のプレスリリース
野村邦丸アナ「文化放送のアナウンサーである斉藤一美が、アマゾンプライムビデオという他のメディアに出るっていうのは、どういういきさつだったの?」
斉藤一美アナ「完全に向こうからのお話で、今回アマゾンプライムビデオがWBCの中継をすると決まってから、先に解説を決めて行って、当然ながら解説は辻発彦さん。実況どうしようか?ってことになって、結構多くのフリーアナウンサーの方々がやらせてくれって……そりゃそうですよね?」
邦丸「ギャラ要らないからやらせて欲しいって人も多いだろうね」
斉藤「僕がフリーでもそう思います。だけど、それは全部違うってことになったらしくて、今までに無いものを出したい、作りたいと制作側は思って。あとで聞いたら結構な名前も出たんですけど、それはあまりにも現実的じゃないだろうと。でも同じ現実的じゃない方向なら局アナでどうかと。DJケチャップさんってご存じですか?」
邦丸「はいはいはいはい、以前『くにまるジャパン』の時に出てもらいました」
斉藤「あの方が裏方に回っていて、誰がいいかって考えた時に『あっ、斉藤一美がいる!』と思って、散歩中にプロデューサーに電話して『それならいいよ!』って」
邦丸「即決だったんだ!」
斉藤「僕に声がかかってきたのは箱根駅伝の最終打ち合わせをしている12月の末だったんですけど、びっくりしまして。こっちは箱根駅伝の総合実況を控えてて、完全に頭の中がテンパイ状態になってしまって。それでも『やらせてください!』と言いました。で、万が一、文化放送が、『局の人間が他のところで……』なんて言うことがあるかも知れない。そしたら僕は、絶対文化放送を辞めようと思ってました」
邦丸「退路を断ったんだ!」
斉藤「僕の中では。それぐらいWBCの実況は僕にとっての夢だったんで」
実際は、局内の反対も無く斉藤アナは無事WBC実況に就任。しかし、最初の中継で斉藤アナの実況に対しての批判がネットで巻き起こった。
斉藤「はっきり言って演出側も手探りだったんで『ハッピーな実況をしてくれ』っていうだけで、細かい指示は何も無かったんですよ(笑)」
邦丸「あっ、そうなの!?」
斉藤「何も無くて。僕も映像付きの実況だから、普段とは違う喋りをしなきゃいけないと思ったんですが、最初が3月4日のバンテリンドームでの日本代表対中日戦。マイクの前に座って、最初『どうぞ』ってキュー振られた喋り出しの時の『重み』っていうんですか、重圧感が、今までに無いものを感じてしまって(笑)、どうしたらいいんだろう?どう入ったらいいんだろう……自分の中ではある程度決めてましたけど、わからなくなっちゃって、頭の中が真っ白になっちゃったから、『いつものように』喋っちゃったんです」
邦丸「要するにライオンズナイターで喋ってる斉藤一美アナウンサーのまま……」
斉藤「ベラベラベラベラ……投げた打った走ったまで、全部言っちゃったっていう(笑)。そうすることで自分の中のプレッシャーがだんだん無くなってきて、『あ、いつもと同じじゃないか!』と思えるようになったんですけど、まあ観てる方からするとたまったもんじゃないですよね、見てわかることを全部言葉で言われる。あと僕も映像付きの実況に慣れてないんで、ちょっとタイミングがズレてる。『とにかくうるさい』っていうお叱りを後でSNSで見て、なるほどなあと(笑)」
その後、言葉を減らしていくことで徐々に視聴者に受け入れられていったという斉藤アナ。その後、アマゾンプライムビデオのWBC中継スタジオコメンテーターを担当された辻発彦さんも加わって、さらに詳しくWBCの舞台裏の話を伺った模様は、radikoのタイムフリー機能にて、放送当日以降7日間聴くことができます。
http://radiko.jp/share/?sid=QRR&t=20230420110000
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