かつてはサッカーといえば、他のスポーツ同様に男子がメインでしたが、近年は女子サッカーの盛り上がりも負けてはいません。7月20日からオーストラリアとニュージーランドで共同開催されている女子サッカーのワールドカップでも毎日熱戦が繰り広げられていますが、女子選手たちの活躍に新たにファンになったという方も多いのではないでしょうか。最近ではこうしたスポーツ観戦の楽しみ方も、オンラインで試合を観戦しながらサッカー 賭けに参加できるようになったりと、日々様々に変化しています。
強豪国や優勝国とされていたドイツやアメリカが早々に敗退した今回の女子ワールドカップ。対して、日本チーム『なでしこジャパン』の活躍や、弱小チームと予想されていたモロッコが大活躍を見せた大会でもあります。このように、世界的に見ても勢いにのっている女子サッカーの変遷について、ここでは見ていきたいと思います。
女子サッカーの世界歴史
サッカーというスポーツが誕生して以降、男子サッカーがメインに扱われることが多かったこともあってか、女子サッカーの歴史は浅いと思われがちですが、昔からサッカーをプレーする女性は存在していました。1895年にはイングランドで女子選手が参加するサッカーの試合が行われた、という記録も残っています。また、第一次大戦中には、男性の多くが戦場へ向かったこともあって、代わりに女子サッカーの人気が盛り上がり、フランスでは世界初となる女子サッカー連盟が創設されたりもしました。さらに第二次大戦後は、欧米におけるウーマン・リブの運動の影響も受け、1971年にはFIFA(国際サッカー連盟)が初めて公認した女子サッカーチームの国際試合が行われるまでに至りました。こうして徐々に公民権を獲得していった女子サッカーは、1991年に初めてFIFA主催でナショナルチームによる女子サッカーの世界選手権『FIFA女子サッカー・ワールドカップ』が開催されました。当初は12チームだけが出場する大会でしたが、世界的な女子サッカー人気の広がりを受け、2011年の第6回には16チーム、続く2017年の第7回には24チーム、そして第9回となる今大会では32チームが出場するなど、回を増すごとに出場チームを増やしていきました。そして初代王者に輝いたアメリカをはじめ、ドイツ、ノルウェーだけでなく、南米やアジア、アフリカなどの各国でさらに広がりを見せていくこととなります。
なでしこリーグ
世界的な女子サッカーの潮流の影響を受けているのは日本も同じです。日本で最初に女子サッカーチームができたのは1966年、兵庫県の神戸と言われています。それから少しの時を経て、1980年には第一回全日本女子選手権(のちの皇后杯)も開催され、徐々にその活動と共に選手の競技レベルもアップしていきます。そして1989年には『日本女子サッカーリーグ』が誕生することとなったのです。現在、『なでしこリーグ』と呼ばれるようになったこの全国リーグは、現在2部制を導入しており、12チームからなる1部、8チームからなる2部によって構成されています。加盟チームは日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)傘下のクラブチーム、実業団チーム、市民クラブ(NPO法人、株式会社等)、学校法人等、様々な形態をとっているのが特徴です。また、日本における男子のトップリーグであるJリーグがほぼプロ選手で構成されているのに対し、日本女子サッカーリーグは選手の多くがアマチュアとして活動しています。
2011年大会優勝
こうした長い努力の末に実力をつけてきた『なでしこジャパン』は、FIFA女子ワールドカップには第一回目から出場していましたが、ついに、2011年第6回サッカー女子W杯において強豪国・アメリカを破り、初めて世界王者に輝きました。年齢制限のないフル代表が世界一を争う大会で、日本が優勝したのは男女を通じて初めてのことでした。3度のオリンピックと6度目のワールドカップ出場の末に、なでしこ達が日本スポーツ史を塗り替える偉業を成し遂げた瞬間でもありました。また、チームとしてだけでなく、2011年度のFIFA年間表彰式において澤選手が『バロンドール』とも呼ばれるFIFA女子最優秀選手賞を、佐々木監督がFIFA女子最優秀監督賞を、どちらもアジア人として初めて受賞するという快挙も成し遂げました。