一般社団法人 キッズポートのプレスリリース
プロジェクトの初年度となる今回は直島の小学1〜6年生9名が、7月下旬から2ヶ月半にわたりお稽古に励んできました。「わが星」は第54回岸田國士戯曲賞を受賞した柴幸男氏による戯曲で、東京を拠点に日本全国の子どもたちと創作活動をしている越智氏が、直島の子どもたち用に台本を制作、オリジナルの演出をしています。子どもたちは出演者として演じるだけでなく、小道具の制作や台詞のアイデア出しも行いました。
当団体は、幼児期より気心の知れた仲間の中で成長していく島の子どもたちにとって、人間関係を構築する機会や客観的な意見に触れる機会の乏しさが課題であり、演劇は、これらの課題解決や自己肯定感を高める良いきっかけになると考えています。
「がんばってれんしゅうしたセリフを、みんなにきいてほしいです!」by ごおう(小1)
「1人じゃなくて、みんなで演劇をできることがとても楽しいです!」by むく(小5)
「いろいろなやくができるのでうれしいです!」by ゆな(小2)
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直島子ども劇団 2023 「わが星」公演概要
日時:2023年10月9日(月・祝)14:30〜15:30 ※開場14:00
会場:NAOSHIMA SAILORS CLUB(直島町3652-7)
観劇料:無料 ※赤ちゃんからご来場いただけます。
定員:75席 (椅子席60席、親子席15席の予定)
※定員になり次第締切
取材・観劇方法:専用予約フォームより申込
申込フォームURL:https://forms.gle/SgqXcPqToTik3Eeb7
【公演までの主なスケジュール】
自主練 9/24 日 13:00 – 16:00
お稽古 10/2 月 17:30 – 19:30
自主練 10/7 土 15:00 – 17:30
リハ日 10/8 日 10:00 – 17:00
公演日 10/9 月 10:00 – 17:00
(本番 14:30 – 15:30)
会場:NAOSHIMA SAILORS CLUB
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背景となる離島の社会課題と演劇の魅力
当団体が活動する直島は瀬戸内海に浮かぶ離島です。当団体は、 離島で育つ子どもたちの様々な課題の中でも、特に次の2つの課題を解決したいと考えています。
・非認知能力の向上等につながる、様々な体験機会が少ない
・限られたコミュニティで成長するよさはあるが、人間関係の構築経験や切磋琢磨する機会に乏しい
この度の演劇プログラムは、学年約20人、幼児期から気心の知れた仲間の中で成長していく直島の子どもたちにこそ、演劇のプロセスがもたらす力が大きいと考え、実施しました。特に、子ども園から中学校までメンバーが変わらないため、友達づくりなどコミュニケーションの機会に乏しい中、「自分とは違う他者の考え方や感じ方を擬似体験すること」「普段とは違う関係性でお互いと関わること」は新たな気づきやコミュニケーションの広がりにつながると考えています。また、制作を通して、「誰かと一緒にモノを作りあげることへの責任感・自発性」「完成に向けての切磋琢磨」「最後までやりきる達成感」、これらによる「自己肯定感の高まり」も期待できます。
実際に2ヶ月半の活動から、子どもたちの変化、成長が見られ保護者の皆様も驚いています。公演が楽しみです。
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演出家のコメント・略歴
劇作家・演出家 越智 良江氏
「直島の子供たちの”子どもらしさ”は群を抜いています。瀬戸内特有の気候や環境もあるのかもしれません。素直に喜んで楽しんで泣いてわらって。そんなことが自由にできる場所も、今では少ないのかもしれません。演劇をするにはそれが頼もしく、少し難しくもありました。
今回は「わが星」という、演劇界では大変有名で、難しくて、素晴らしい戯曲に、取り組んでくれました。観劇された方はびっくりすると思います。彼らの頑張りを、ぜひお楽しみください。」
略歴
演劇とダンスを学び、2009年広島で「劇団 Tempa」を創立。2017年まで代表・作演出として年2本のオリジナル公演、広島の演劇文化向上・創客に奔走。その他、演劇、コンテンポラリーダンサー、ベーシストとの作品「With One’s」、広島の伝統芸能・神楽をモチーフにした「贋作・三年目」、広島地区高校演劇連盟・夏季講習講師など、地域の特色・産業・地形を素材にオリジナル作品創りを得意とし活躍。
2016年から、広島県未来創造財団広島佐伯区民文化センター主催 人材育成事業「さえき キッズ」指導・脚色・演出 通年開催。
2017年に東京移住。地域の特色・人材・素材を生かした作品創りの場を、全国に展開し始める。
瀬戸内国際芸術祭2019選出アーティスト。直島にてクリエーションと公演「僕らが生まれる7日間の舟歌」(直島 八幡神社)
2022年8月、新潟 越後妻有 大地の芸術祭2022。津南町にてクリエーションと公演「あしたのあしあととあしおととあたし」(上郷クローブ座)
2024年〜 一般財団法人 地域創造 リージョナルシアターアーティスト
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施設・事業・団体情報
【施設概要:「NAOSHIMA SAILORS CLUB」とは】
小学生の預かり事業、遊び場事業、体験プログラムを通して、様々なヒトモノコトに出会うきっかけ作りを行う、子ども第三の居場所事業。文化、多様性などを大切にしている。直島町唯一の小学生の居場所であり、学童保育のような役割を担っている。焼きドーナツのカフェ「Baiten by NAOSHIMA SAILORS CLUB」を併設。
直島町の子育て支援拠点事業「なおしまキッズポート」を母港とし、母港で育った子どもたち自ら舵を取る「船乗り」となり、大海原へ出ていく後押しをしている。2023年3月開設、日本財団の助成事業。
【⼦ども第三の居場所事業とは】
「子ども第三の居場所」は、すべての子どもたちが将来の自立に向けて生き抜く力を育むことを目的として、日本財団が中心となって2016年より全国に開設しています。「子ども第三の居場所」では、特にひとり親世帯や親の共働きによる孤立や孤食、発達の特性による学習や生活上の困難、経済的理由による機会の喪失など、各々の置かれている状況により困難に直面している子どもたちを対象に放課後の居場所を提供し、食事、学習習慣・生活習慣の定着、体験機会を提供しています。同時に、学校や地域、専門機関と連携し、「誰一人取り残されない地域子育てコミュニティ」のハブとしての機能を担っていきます。現在全国に178ヵ所設置されています(2023年8月末時点)。https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/child-third-place
【運営団体:一般社団法人 キッズポートとは】
直島町で子育てをしている4名が課題感を共有し、発足。「ひトりヒとリが航海を愉しめる未来へ」をビジョンに、子育て支援拠点事業「なおしまキッズポート」、子ども第三の居場所事業「NAOSHIMA SAILORS CLUB」を運営する他、体験活動を企画運営し、様々なヒトモノコトと交流できるきっかけづくりや場づくりを通して、子どもも大人も自分らしく暮らせるまちづくりを行っている。2020年3月設立。
法人ページURL:https://kids-port.org