エイベックス・アライアンス&パートナーズ株式会社のプレスリリース
「知って、肝炎プロジェクト」は、2012年より、肝炎に関する知識や肝炎ウイルス検査の必要性を分かりやすく伝え、あらゆる国民が肝炎に対する正しい知識を持ち、早期発見・早期治療に向けて自ら積極的に行動していくことを目的として活動しております。
また肝炎ウイルスの感染予防、ウイルス感染の早期発見・早期治療を進めるためには、健康の大切さについての意識向上が必要であることから、健康全般についての 意識向上を図るため 、「健康一番プロジェクト」を展開しています。
この度、12月19日(火)にその一環として、統計が始まって以来、患者報告者数が過去最高を更新し続け社会問題になっている「梅毒」の感染拡大問題について、桜美林大学の学生と「個人で出来る事」「社会で出来る事」をディスカッションいたしました。
【イベントレポート】
■「2023年には感染者数が過去最多の1万人を超えて更新している」
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 国際感染症センターの奥村暢将(おくむらのぶまさ)氏は、冒頭の梅毒の説明で「2013年以降の「梅毒」感染者数はうなぎ登りで増えており、2023年は12月時点ですでに1万人を超えて過去最多を更新している」と述べ、「男性は、20代から50代まで比較的幅広いが、女性は圧倒的に20代が多い」とお話されました。続けて「まさに大学生の世代にとって、自分達が直面している問題だという事を認識して欲しい」と訴えました。
■「風俗で働いている人の話?風俗で遊んだ人の話? そうではありません!」
奥村氏は、「風俗で働いている人や風俗で遊んだ人の話だと思ってしまいがちだが、女性の梅毒患者の半分以上は風俗店勤務歴がなく、男性の梅毒患者の半分以上は風俗店利用歴がありません」と説明されました。
また、東京都の4つの医療機関で調べたところ、女性の梅毒患者のうち17%が学生との報告があります。
■「梅毒は感染したことに気づきにくい」
さらに奥村氏は、「必ずしも性器に症状がでるとは限らず、感染から発症まで数週間から数か月かかるため、非常に自覚しにくく、さらに症状が出ても自然に消えてしまうため、病院に行かなくても治ったかのように思ってしまう」と注意を呼びかけました。
■「赤ちゃんにうつる先天梅毒が大きな問題です」
奥村氏は、梅毒に感染している母親から赤ちゃんに移る先天梅毒が大きな問題だと訴えました。
先天梅毒にかかった赤ちゃんは、早産、流産、死産、様々な臓器障害につながるため、何としても防ぎたいと述べられました。
■「ディスカッションを経て出た様々な意見」
<個人で出来る事>
・不特定多数の人との性交渉をしない
・パートナー意外との性交渉をしない
・感染が分かったらパートナーへ打ち明ける
・定期的に検査をうける
・少しでも異変を感じたら検査を受ける
・1人1人が自分事として問題意識を持つ
・パートナーへの愛や思いやりを持つ
<社会で出来る事>
-環境-
・誰でも気軽に検査をしやすい環境つくり
・健康診断の採血検査に入れていくと定期的に検査が可能に
・すぐに打ち明けられる場所の提供
・学校での半強制的な講義の実施
・もっとラフに梅毒の話を聞けるイベント等の機会を増やす
-プロモーション-
・性感染症に対する支援をもっと広める
・海外のタバコのパッケージのようにコンドームに梅毒の写真を載せる
・学校での授業の実施
・リスクを強調して社会へ周知する
・検査が無料でできる場所がある事をもっと若い人に知ってもらう
・検査のハードルの低さをアピールする
・性感染症に関する教育を一般化する(よりポピュラーな話題にする)
・著名人を起用してCM等のプロモーションする(社会への周知)
・SNSやYouTubeで積極的な告知を行う
-支援-
・性感染症に対する支援をもっと広める
■香川沙耶氏「自分に起きててもおかしくない話」
香川氏は、ディスカッションを経て「アイデアを出すだけではなく、それを実際に行動に移せるか皆で協力しながら自分でできる事をやっていきたい」とお話をされました。
また、イベントを終えた感想として「多くの割合で風俗とは関係ない経路で感染者が増えているということは、つまり、自分に起きててもおかしくない話」と述べられ、「自分を守るため、大切な人を守るため、自分が出来ることから勇気を出すこと。大きいことが出来なくてもいい、小さいことから確実に。本当に心から自分を愛すること。今日からもっと健康に気をつけて、自分を大切にしませんか?」とお話をされました。
■Maasa 氏「アメリカは性感染症に関するコミュニケーションが活発で、恋人だけでなく友人同士でも、気軽に話すことが普通なんです」
米国を拠点に活動しているダンサーのMaasa氏は、イベントを終えた感想としてアメリカと日本のコミュニケーションの違いについてお話されました。
「アメリカではお付き合いを始める時に、“あなたのことを本当に大切にしようと思っている”と意思表示するために性感染症の検査を受けて、陰性証明書を渡し合う文化がある。必ずそうするわけではありませんが、真剣な交際を考えている場合はお互いへのリスペクトとして証明し合うことがよくあります。日本では性感染症について話しにくい空気があるが、社会としても個人としても変えていけるところがまだまだある。 」と述べられました。
■参加した学生へのアンケート(一部抜粋)
■開催概要
■日時 : 2023年12月19日(火)
■催事名 :「梅毒」感染拡大問題ディスカッション in 桜美林大学
■開催場所 :桜美林大学 新宿キャンパス
■出席者 :香川沙耶 氏
「健康一番プロジェクト」サポーター Maasa 氏
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 国際感染症センター 奥村暢将 氏
桜美林大学 学生11名