男女の垣根を越え、カルーセル麻紀が毎日映画コンクールで「助演俳優賞」受賞! 快挙で再注目されるその波乱万丈な人生を、直木賞作家・桜木紫乃が描いたモデル小説『緋の河』『孤蝶の城』で読む!

株式会社新潮社のプレスリリース

映画「一月の声に歓びを刻め」(三島有紀子さん監督・脚本)に出演したカルーセル麻紀さんが、第79回毎日映画コンクールで助演俳優賞を受賞しました。「マキ」という役名でカルーセル麻紀さんが演じたのは、過去に性転換手術を受け、「母親」になった女性。その半生と役が重なってみえてきます。直木賞作家の桜木紫乃さんは、カルーセルさんをモデルにした長篇小説『緋の河』と『孤蝶の城』(いずれも新潮社刊)を書き、この映画への出演を薦めたそうです。今回の受賞をきっかけに、カルーセルさんの歩みと桜木さんの小説が注目を集めています。

毎日映画コンクールは、日本の映画産業の振興に寄与し、国民に映画の楽しさを広く伝えることを目的に1946年から始まった国内最高峰の映画賞です。この賞には、演技や作品、撮影、美術、録音などのスタッフ、一般映画ファンが選ぶ賞など、幅広い部門を設けているという特徴があります。

これまでは、主演賞・助演賞については男優、女優に分かれていましたが、ジェンダーレスの観点から、今回から「俳優賞」として見直されました。そして、その初めての助演俳優賞を受賞したのが、「一月の声に歓びを刻め」にてマキ役を演じたカルーセル麻紀さんです。

そんなカルーセルさんをモデルにした長篇小説が、桜木紫乃さんの『緋の河』と『孤蝶の城』。

ある対談をきっかけに親しくなったカルーセルさんと桜木さん。二人の故郷はともに釧路で、出身中学校が同じという縁もありました。桜木さんが、「麻紀さんのことを小説に書きたいです」とお願いしたところ、「いいわよ。そのかわり、あたしをとことん汚く書いてね」とカルーセルさんが答えたというエピソードも。こうして、釧路に生まれ、家を飛び出して札幌、東京、大阪の夜の街、そして芸能界へ道を切り拓いていくまでを描いた『緋の河』、その後モロッコにわたって女の身体を手に入れ、芸能界での生き残りをかけ奮闘する姿を描いた『孤蝶の城』が生まれました。

■ 書籍内容紹介

『緋の河』

釧路に生まれた秀男は、色白小柄で人形のように愛らしく、幼少期から「女になりかけ」とからかわれた。父に殴られ兄に蔑まれ教師に抑圧されても男らしくなどできず、優しい母と姉、初恋相手の同級生男子が支えだった。やがて家を飛び出し、札幌、東京、大阪の夜の街、そして芸能界へ道を切り拓いていく。秀男からカーニバル真子へ――。自分らしく生きるため逆境で闘い続けた先駆者が放つ、人生の煌めき。心奮う傑作長編。

『孤蝶の城』

モロッコへ旅立ったカーニバル真子は、生死をさまよう性別適合手術を受け、日本で初めて「女の体」を手に入れた。帰国後、待ち構えていたのは雑誌のグラビア撮影と日劇での凱旋ショーの大喝采だった。が、「性転換お色気路線」だけでは芸能界で生き残れそうになく、歌手、地方興行などに打って出るものの追い詰められていく――。小説でしか描けない実在の人物の孤独と苦悶に迫る大傑作。

■ 著者紹介

桜木紫乃(さくらぎ・しの)

1965年、北海道釧路市生まれ。2002年、「雪虫」でオール讀物新人賞を受賞し、2007年、同作を収録した単行本『氷平線』でデビューした。2013年、『ラブレス』で島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で直木賞、2020年、『家族じまい』で中央公論文芸賞を受賞。ほかの著書に『硝子の葦』『起終点駅(ターミナル)』『裸の華』『ふたりぐらし』など多数。現在「週刊新潮」にて『異常に非ず』を連載中。

■ 書籍データ

 【タイトル】緋の河

 【著者名】桜木紫乃

 【発売日】発売中

 【造本】新潮文庫

 【定価】1,045円(税込)

 【ISBN】978-4-10-125485-2

 【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/125485/

 【タイトル】『孤蝶の城』

 【著者名】桜木紫乃

 【発売日】発売中

 【造本】四六判変型(単行本)

 【定価】2,090円(税込)

 【ISBN】978-4-10-327726-2

 【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/327726/

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