【調査データ公開】きこえない・きこえにくい観客への「台本貸出」に関する調査実施

ポールトゥウィンホールディングス株式会社のプレスリリース

グローバルにサービス・ライフサイクルソリューション事業を展開するポールトゥウィンホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:橘鉄平、証券コード:3657)の傘下で、映画の日本語/多言語字幕制作、音声ガイド制作、バリアフリー字幕・音声ガイド制作、字幕付き音声ガイドアプリ「UDCast(ユーディキャスト)」の開発・運営等を手がけるPalabra株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:山上庄子)は、2024年12月に「きこえない・きこえにくい方を対象にした台本貸出についてのアンケート調査」を実施しました。

この意識調査は文化庁委託事業「令和6年度障害者等による文化芸術活動推進事業」にて運営するUDCast鑑賞サポート相談窓口が実施しています。

https://udcast.net/support/

【調査の背景】

2022年に舞台芸術の事業者向けに実施した鑑賞サポートの意識調査では、2024年4月よりスタートする「合理的配慮の義務化」については、知らなかったと答える事業者が約半数に上りました。

https://udcast.net/feature/theater-accessibility-survey-2022/

一方で「条件が整えば実施したい」との回答が9割に上り、鑑賞サポートについて前向きに捉え始めていきたいという意思が感じられたものの、一番の課題は資金面の問題という結果が浮き彫りになりました。

義務化された現在、きこえない・きこえにくい方への鑑賞サポートとして、資金面で比較的手軽に導入ができる「台本貸出」を実施される作品が増えてきました。

しかし、相談窓口には実際にサポートを受けたお客様から様々な声が届いている状況です。

そこで、今後、「合理的配慮」としてきこえない・きこえにくいお客様へのサポートを実施される事業者の方に、まずはお客様の声を知っていただきたく、このたび、アンケートの結果を特集記事にて公開しました。

前編では、「台本貸出」における ①貸出期間 ②提供方法 ③内容 ④周辺情報 について、きこえない・きこえにくい観客のデータを実際の声とともに、まとめました。

後編では、実際に鑑賞サポートの対応をうけて、良かった点・改善してほしい点について寄せられた声をなるべく原文のままで掲載しています。

鑑賞サポートについて考える

きこえない・きこえにくい人への「台本貸出」とは?

◎前編(2024年12月25日公開)

https://udcast.net/feature/stage-accessibility-script-survey-20241225/

◎後編(2025年1月10日公開)

https://udcast.net/feature/stage-accessibility-script-survey-20250110/

【実際の声より】

●公演決定当初は情報保障の予定はなかったが、お問い合わせ窓口に代理電話してもらったら台本タブレットを貸し出してもらえるようしてくださった。さらには、公演サイトにもタブレット貸し出しの用意があると公表し、自分以外の人も借りれるようにしてくださった。(40代女性、難聴)

●問い合わせ先がメールアドレスだとメッセージを送りやすいですが電話しかない企業だと電話リレーサービスを使用するしかなく、伝える内容をあらかじめ考えておかなくてはならないのが難点だと思います。(30代女性、ろう)

●終わった後に事業者から「どうだった?」と声をかけられたことがあるのですが、その場で鑑賞後の気持ちを伝えられて良かった。声をかけてくれて嬉しかったです。(40代女性、ろう)

この調査により、多くの方に「台本貸出」とは何かイメージしてもらい、より喜ばれる鑑賞サポートが増えるきっかけとなれば幸いです。

【調査概要】

                                                                              

調査方法:Google Formを利用したアンケート調査

調査期間:2024年11月21日から12月9日

回答数 :76

回答者のきこえの状況:ろう者 51.4%、難聴者25.7%、中途失聴者14.9%、
・その他自由記述「デフ(聞こえにくい、聞こえない。上記の3件を経験しているので)」、「聴覚障がい者」、「両耳完全失聴後の片耳人工内耳利用」、「部分難聴(高音)」、「突発性難聴」

回答者のきこえなくなった時期:生まれつき 38.7%、幼少期~20歳頃37.3%、20歳以降18.7%、

・その他自由記述「2年前」、「45歳」、「聞こえにくくなったのは幼少期、それから聴力低下。」、「20代くらいから30代後半の40前、障がい者認定を受けたのは40半ばです。」

◎「鑑賞サポート」とは

舞台や映画作品など文化芸術のアクセシビリティを担保するサービスを「鑑賞サポート」と呼ぶ。「鑑賞サポート」には、字幕、手話通訳、音声ガイド、舞台説明、台本貸出などがある。

◎「台本貸出」とは
きこえない・きこえにくい方や、みえない・みえにくい方に対して、作品の内容を理解するため、音声情報や視覚情報のサポートとして、作品の台本を貸し出すこと。紙の台本だけではなく、台本データの貸出、客席に持ち込むことができる「台本タブレット」の貸出など、多岐にわたる方法がある。

◎「合理的配慮」とは
障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が示されたときには、負担が重すぎない範囲で対応することが求められます。

(内閣府 リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」より引用)

https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo2/print.pdf

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