三島由紀夫や石原慎太郎、井上ひさしなど一世を風靡した作家による芝居『文士劇』が現代に復活日本を代表する一流作家が揃い、今回限りの特別な舞台が幕開け
株式会社サンライズプロモーションのプレスリリース
日本文藝家協会の創立百周年を記念した文士劇『風と共に去りぬ』が、2026年5月23日(土)に、紀伊國屋ホールで開幕いたしました。

かつて文藝春秋が主催し、三島由紀夫や石原慎太郎、井上ひさしなど一世を風靡した作家による芝居『文士劇』が、日本文藝家協会の創立百周年を迎える2026年に復活。マーガレット・ミッチェル原作による『風と共に去りぬ』を、訳に鴻巣友季子、脚本に道又 力、演出に五戸真理枝を迎え、阿部公彦、井沢元彦、岩井志麻子、荻野アンナ、岳 真也、川口則弘、河原啓子、鴻巣友季子、佐伯順子、佐川光晴、笹 公人、島田雅彦、辛酸なめ子、蝉谷めぐ実、谷口桂子、夏山かほる、林 真理子、三田誠広、宮尾壽里子、村上政彦、村山由佳、山内マリコ、綿矢りさといった日本を代表する一流作家が出演。今回の公演では、主人公のスカーレット・オハラを、蝉谷めぐ実、綿矢りさ、辛酸なめ子、村山由佳、レット・バトラーを、島田雅彦、三田誠広が、場面ごとに演じます。出演者からのアイデアを取り入れながら、日本文藝家協会の創立百周年を記念した文士劇という趣向を凝らした五戸真理枝による演出にも、ぜひご期待下さい。
公演開始に寄せ、出演者よりコメントが到着。文士劇『風と共に去りぬ』は、24日(日)まで同所にて上演中です。昭和の始まりから平成を経て、令和へと至るこの100年を寿ぐ、今回限りの特別な舞台に、ご注目下さい。
■なぜ、いま『風と共に去りぬ』なのか? ※2/13 解禁済み
この小説が出版されたアメリカでは、近年の黒人の人権運動の盛り上がりもあり、ハリウッド映画版は「解説」を付けて再配信されています。現代のポリティカル・コレクトネスに合わない部分があるためですが、そうした理由で何でもキャンセルするのではなく、批評的な目で古典に接しようという姿勢の表れかと思います。
では、原作はどうでしょうか? マーガレット・ミッチェルの書いたこの大河小説がじつは映画版とはほとんど正反対の世界観を持っていることはあまり知られていません。映画の大ヒットによって大いに名声を確立すると同時に誤解された名作とも言えるでしょう。この小説は古き良き南部社会を賛美し、白人優位主義の差別組織を称揚するものではありません。むしろ正反対なのです。
この大作を全編通して翻訳した者として、以下のことを挙げておきたいと思います。
・『風と共に去りぬ』は奴隷制の南部を美化する小説ではなく、南部人の目から南部を痛烈に批判した小説でもあること。
・戦争の本質を見抜き、反戦への強かなメッセージを持っていること。
・自己中心的なヒロインが他愛に目覚めていく「介護小説」でもあること。
・女性同士のきずなと友愛関係を描く「シスターフッド小説」でもあること。
いま英米には古典作品のリライト(浄化)の動きがあります。現代の価値観と合わない表現を書き換えてしまうのです。しかし文学の継承とは果たしてそれでいいのでしょうか? 日本文藝家協会はこのたび、作家が書くこと、読者が読むことをめぐる自由も含め、このような問題と真摯に向き合いながら、『風と共に去りぬ』 の上演に取り組むことにいたしました。
文士劇広報委員長 鴻巣友季子
■コメント
・林 真理子(日本文藝家協会理事長)
作家というのは本当にすごいものだとつくづく思った。ギリギリまで台本を離さず、不安そうにしていたものの、後半に入ると誰もが、自分の世界を作り出してしまう。上手い人はさらに上手くプロっぽくなり、棒読みの人は、不思議なユーモアを醸し出すようになる。
そもそも、作家はおしなべて芝居好きだ。毎日自分の頭の中で、誰かを作り出して誰かのセリフを作っている。そういう人たちが演じる芝居が面白くないはずはない。奇妙な魅力ある空間を、ぜひお楽しみくださいませ。
・三田誠広(文士劇実行委員長/レット・バトラーB役)
文士劇の責任者として
理事長のご指名で文士劇の責任者ということになってしまった。会員のなかから出演者を募集し、理事や評議員の皆さんからの推薦も受け付けて、人数が揃ったところで稽古が始まった。ぼくは出演するつもりはなかったのだが、責任者として稽古に参加するうちに、演出家のご指示で後半のレット・バトラーを演じることになった。実は子どものころ児童劇団に所属していたので芝居の訓練は受けている。後期高齢者のバトラーで大丈夫かと思ったのだが、大詰めの台詞で「さすがに歳をとりすぎた」というのがあるので、いまは適役だと思っている。
・鴻巣友季子(文士劇広報委員長/マーガレット・ミッチェル役 [5/23夜、24昼公演])
このたび『風と共に去りぬ』が日本文藝家協会の百周年記念文士劇の演目となり、翻訳者としても大変うれしく思っております。
一夜で消えてしまう演劇舞台は「風に書いた詩」と表現されるそうですが、みんなで書いたこの詩は「風」に乗って次の百年まで疾んでゆくでしょう。
・五戸真理枝(演出)
昨年末からコツコツ稽古を重ねてきました。出演者の皆様は、物語と役をつかみ、余裕が出てきたのか、言葉のエンターテイナーとしての本領をどんどん発揮されています。真面目でありながらユーモア満載の『風と共に去りぬ』です。本番では、作家の皆さまに、演じることを名一杯楽しんでもらえればと思っております。
日本文藝家協会創立百周年記念なので、日本の文芸文学の道を切り開き、守り育ててきた先人に敬意を表して演出しました。
共に歩んできた年月に思いを馳せ、今ここに舞台を共にする喜びを感じていただければ幸いです。
・蝉谷めぐ実(スカーレット・オハラA役)
作家や書物に関わる方々が舞台に立つ姿を一番近くで見てみたい…!と、そんな浮ついた心から参加した文士劇でしたが、ご指名をいただいたのはまさかのスカーレット・オハラ役…!
稽古に入っても時折顔を出していたミーハー心ですが、今や神妙な面持ちで固唾を呑みながら、舞台に臨む私を見守ってくれております。
ここまできたからには、最後まで楽しみ、晴れやかに幕を下ろしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
・綿矢りさ(スカーレット・オハラB役)
私はもともと『風と共に去りぬ』の話がとても好きでした。しかし、今回舞台で主人公スカーレットの役を演じてみて、彼女の気性の激しさに参りました。このような性格だから、彼女の周りからは少しずつ人が離れ始め、そして風と共に去ってしまったのだと思いました。しかしたとえ孤独になっても、めげずに立ち上がる彼女の姿は、なぜか感動を誘います。生命力の輝きが、どれだけ人々を惹きつけるかを知りました。
・辛酸なめ子(スカーレット・オハラC役)
今回、舞台に出演させていただくことになり、稽古中「あれ、私、今何をやっているんだろう?」という思いがよぎるほど、別世界に来てしまったような感覚です。結局、演技らしい演技はできていませんが、自分の中の殻を少しだけ破ることができた気がします。スカーレットを現代になぞらえたら、キム・カーダシアンやカイリー・ジェンナーみたいな存在かもしれません。自由奔放でわがままで貪欲で商才と自己プロデュース力に長けている女性。現代のセレブの原型のようなスカーレットのエネルギーに少しでもあやかりたいです。
・村山由佳(スカーレット・オハラD役)
ひとりでいるのが好きな子どもで、自分でおはなしを作り、すべての役を演じる遊びがお気に入りでした。作家になるのは当時からの夢でしたが、まさか同業の皆さんと一緒にお芝居までさせていただけるなんて!
……というのは昨日までの呑気な感慨です。紀伊國屋ホールの舞台をまのあたりにした瞬間、緊張で心臓が背中から飛び出しそうになりました。
演劇というものが演出の妙によって、そしてスタッフの方々の尽力によって生きもののように変化してゆく過程を見られたことはこの上ない喜びでした。あとはもう、人事を尽くして天命を待つのみ。
作家たちのお芝居が本屋さんの真上で行われるとは、なんと素敵なことでしょうか。
・島田雅彦(レット・バトラーA役)
演じるという行為は他者の思考や行動と自分のそれをシンクロさせることである。俳優も小説家も多かれ、少なかれ、他者に憑依し、その人格を宿すシャーマンのようなものである。複数人格を使い分け、肉づけをし、鮮やかな感情を吹き込むこの商売は、一度始めたら、やめられない。普段から小説を書いていない時は、頼まれもしないのに、TPOに応じて、さまざまな他者を演じている。ある時は教師、ある時は誘惑者、またある時は通行人Aという具合に。今回はひねくれたトリックスター、レット・バトラーになる。共演者には性格がそっくりといわれている。
■公演概要
公演名:日本文藝家協会創立百周年記念 文士劇『風と共に去りぬ』
日程:2026年5月23日(土)13:00、17:30、24日(日)13:00
会場:東京・紀伊國屋ホール
演目 「日本文藝家協会100周年を迎えての口上」
「風と共に去りぬ」
原作 マーガレット・ミッチェル
訳鴻巣友季子
脚本 道又 力
演出 五戸真理枝
出演 阿部公彦、井沢元彦、岩井志麻子、荻野アンナ、岳 真也
川口則弘、河原啓子、鴻巣友季子、佐伯順子、佐川光晴
笹 公人、島田雅彦、辛酸なめ子、蝉谷めぐ実、谷口桂子
夏山かほる、林 真理子、三田誠広、宮尾壽里子、村上政彦
村山由佳、山内マリコ、綿矢りさ (五十音順)
入場料:全席指定8,000円(税込)
チケットのお問合せ:サンライズプロモーション 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
主催:公益社団法人日本文藝家協会
提携:株式会社紀伊國屋書店
公式HP:https://sunrisetokyo.com/detail/33760/
■『風と共に去りぬ』 あらすじ
<第一幕>
ジョージア州タラで大農園を経営するジェラルド・オハラの長女スカーレットは、貴公子アシュリ・ウィルクスに夢中だった。恋心を打ち明けるが、アシュリにはメラニー・ハミルトンという婚約者がいた。その会話を聞いてしまった悪党紳士レット・バトラーは、情熱的なスカーレットに興味を抱く。南北戦争勃発の報をメラニーの兄チャールズが知らせにきた。アシュリへの当てつけに、チャールズと結婚の約束をするスカーレット。戦場へ赴いたチャールズは、最初の戦闘であえなく戦死。未亡人になったスカーレットは、州都アトランタでメラニーと暮らし始める。物資不足で苦しむ南軍のためバザーが開かれ、二人は手伝いに駆り出される。会場に軍需品密輸で荒稼ぎするレットが現れ、喪服のスカーレットをダンスに誘って紳士淑女の顰蹙を買う。敗色はいよいよ濃くなり、アトランタも北軍に包囲された。初めての子供を生んだばかりのメラニーを世話していたスカーレットは、やむなくレットに助けを求める。脱出成功後、レットは北軍と戦うため去って行く。
<第二幕>
故郷タラの大農園は北軍に荒らされ、父のジェラルドは生きる気力を失い廃人同然だった。オハラ家の再建に疲れ果てたスカーレットは、メキシコへ逃げようとアシュリに懇願するが拒否される。北軍から課せられた重税を払うため、スカーレットはレットの金を引き出そうとして失敗。そこで妹スエレンの恋人フランク・ケネディを強引に奪って再婚する。スカーレットに尻を叩かれ借金取り立てに走り回るフランクは、懐の金を狙った街の無法者に殺されてしまう。またも夫を失ったスカーレットは、レットの求愛を受け入れる。レットに甘やかされ贅沢三昧に暮らすが、アシュリへの想いは断ち切れない。体の弱かったメラニーが、二人目の子供を流産して間もなく世を去る。亡骸にすがって泣き崩れるアシュリを見て、自分が本当に愛しているのはレットだと、ようやく気づくスカーレット。
























撮影:髙橋 祐功

