1999年の放送開始から四半世紀以上にわたり日本の刑事ドラマ史に金字塔を打ち立ててきた沢口靖子主演のテレビ朝日系ドラマ「科捜研の女」が、2026年1月23日放送予定の新春スペシャルをもってテレビシリーズとしての歴史に終止符を打つことが明らかになった。通算24シーズン、解決した事件数は250件を超える日本最長寿の科学捜査ミステリーの完結は、多くのファンに衝撃を与えている。
日本ドラマ史上最長の連続シリーズが幕を下ろす
2025年11月17日、週刊女性PRIMEをはじめとする複数のメディアが「科捜研の女」のテレビシリーズ終了を報じた。報道によると、2026年1月23日に2時間スペシャルドラマとして単発放送が予定されており、これがテレビシリーズとしての最終作となる見込みである。テレビ朝日は公式コメントとして「今後の編成については決まっておりません」と回答し、明確な終了宣言は避けているものの、関係者の証言からシリーズの区切りが近づいていることは確実視されている。
「科捜研の女」は1999年10月21日に第1シリーズの放送を開始して以来、2003年と2007年、そして2025年を除いて毎年新シリーズまたはスペシャルドラマが制作されてきた。日本の連続テレビドラマ史上、最も長期間にわたって続編が制作され続けた作品であり、同一人物による主演・同曜日同時間帯での放送という面においても最長記録を保持している。
沢口靖子と榊マリコ、26年間の軌跡
主人公・榊マリコを演じ続けてきた沢口靖子にとって、この役は「人生の半分以上を共に過ごしてきた分身のような存在」である。1965年6月11日生まれ、大阪府堺市出身の沢口は、1984年に第1回「東宝シンデレラ」オーディションで3万1653人の中からグランプリに選ばれ芸能界入り。映画「ゴジラ」で第9回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、1985年のNHK連続テレビ小説「澪つくし」でヒロインを演じ全国的な人気を獲得した。
1999年に「科捜研の女」で榊マリコ役に抜擢されて以来、26年間この役を演じ続けている。作中のマリコは神奈川県横浜市出身、東亜大学大学院で犯罪学の博士号を取得し、FBIへの赴任経験を持つ法医研究員として描かれている。「科学は嘘をつかない」を信条とし、真実を追い求める姿勢は26年間一貫している。
内藤剛志演じる土門薫との名コンビ
「科捜研の女」を語る上で欠かせないのが、内藤剛志演じる京都府警捜査一課刑事・土門薫の存在である。1955年5月27日生まれの内藤は、2004年の第5シリーズから土門薫役として登場。以来20年以上にわたり、沢口演じるマリコの最良のパートナーとして物語を支えてきた。
ファンの間では二人の関係性は「どもマリ」と呼ばれ人気を博している。沢口は「事件を通しての信頼して尊敬できる関係で、恋愛感情は実はない。友達以上恋人未満みたいな感じ」と説明。内藤も「血のつながらない兄弟みたいな感じ。この関係でしかないものをつくりたい」と語っている。
視聴率低迷と制作費の課題
「科捜研の女」は長年安定した視聴率を維持してきたが、近年は低迷傾向にある。2024年のseason24では初回7.8%、第5話では5.5%とシリーズ史上初めて6%を下回り、全話平均視聴率は7.3%でワースト記録を更新した。視聴者層の高齢化や動画配信サービスの台頭によるテレビ離れが背景にあるとされる。
また、京都を拠点とした撮影体制による制作費の高騰も課題となっていた。東映京都撮影所を拠点に京都府内でのロケーション撮影を行うため、人件費や宿泊費、移動費がかさみ、近年のテレビ業界の制作費縮小傾向の中で維持が困難になりつつあったとされる。
映画版やスペシャルドラマの可能性
テレビ局関係者によると、2026年1月23日放送予定の新春スペシャルは「映画版などの製作ができるような可能性を残した構成になる」という。2021年に公開された「科捜研の女 -劇場版-」は興行収入約6億円を記録しており、テレビシリーズ終了後も単発スペシャルや劇場版という形での継続が期待される。
テレビ朝日関係者は「うちにとって沢口さんは多大な功労者。定期的にスペシャル版が放送されることになるだろう」と語っており、「科捜研の女」は形を変えながらも続いていく可能性が高い。26年間にわたって愛されてきた作品の新たな展開に、ファンの視線はすでに新春の京都へと向けられている。