巨人からポスティングシステムでメジャーリーグ移籍を目指していた岡本和真内野手(29)が、トロント・ブルージェイズと4年総額6000万ドル(約94億円)で契約合意したことが2026年1月3日(日本時間4日)に明らかになった。45日間の交渉期限が米東部時間1月4日午後5時(日本時間5日午前7時)に迫る中での電撃合意となった。巨人の野手がメジャーに挑戦するのは、2002年オフにヤンキースへFA移籍した松井秀喜以来、実に23年ぶりとなる。
交渉期限直前の決断
岡本は2025年12月28日(日本時間29日)に渡米し、各球団と交渉を重ねていた。契約には500万ドル(約7億8000万円)の契約金が含まれ、オプトアウト(契約破棄条項)は入っていないという。記者会見は現地時間1月6日(日本時間7日)に行われる予定だ。
ブルージェイズは2025年シーズン、32年ぶりにワールドシリーズに進出。ドジャースとの頂上決戦では3勝3敗の第7戦まで持ち込み、9回1死までリードを奪いながらも惜敗した。主砲のウラジーミル・ゲレロJr.が一塁に君臨する一方、三塁は2025年シーズンに70試合以上先発した選手がおらず、固定できなかったポジションの一つだった。巨人時代に三塁を主戦場としていた岡本にとって、即戦力として期待されるポジションといえる。
史上最年少で「打率3割・30本塁打・100打点」達成
岡本は奈良県出身で、智弁学園高では3年春夏の甲子園に出場。高校通算73本塁打を記録し、2014年ドラフト1位で巨人に入団した。
一軍に定着した4年目の2018年6月、高橋由伸監督(当時)から巨人軍89代目の4番打者に指名されると、史上最年少の22歳で「打率3割・30本塁打・100打点」を達成して大ブレイク。2018年から2023年までは史上9人目となる6年連続30本塁打を記録した。
2020年、2021年には2年連続で本塁打王と打点王の2冠に輝き、2023年には自己最多の41本塁打で3度目の本塁打王を獲得。日本を代表するスラッガーへと成長した。守備面でも一塁と三塁でゴールデングラブ賞を計3度受賞しており、打撃だけでなく守備力も高く評価されている。
WBC決勝でアメリカから本塁打
2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表に選出され、全7試合に出場。打率.333、2本塁打、7打点、9四死球、出塁率.566と活躍した。特に決勝のアメリカ戦では4回に追加点となる本塁打を放ち、日本の3大会ぶりの優勝に貢献。「OKAMOTO」の名を世界にアピールした。
2025年シーズンは開幕から32試合連続で4番として出場していたが、5月6日の阪神戦で左肘靱帯を損傷。約3カ月半の離脱を経て8月16日に復帰し、最終的に69試合で打率.327、15本塁打、49打点を記録した。シーズン終了後の10月22日、球団がポスティングシステムによるMLB移籍を容認する声明を発表していた。
村上に続く日本人スラッガーのメジャー挑戦
今オフ、ポスティングシステムを利用した日本人野手では、ヤクルトの村上宗隆内野手(25)がホワイトソックスと2年3400万ドル(約54億円)で契約。岡本と同じくスコット・ボラス氏が代理人を務める西武・今井達也投手(27)も、出来高を含めて3年最大6300万ドル(約99億円)でアストロズと合意していた。
通算248本塁打の大砲・岡本も、2人に続いてメジャーへの切符を手にした。契約総額では村上の約1.7倍となる高評価を得た形だ。
「ジョニー・デップ」から11年、新天地で勝負
2015年9月、巨人の高卒新人として1993年の松井秀喜以来となるお立ち台に上がった岡本は「奈良県から来ましたジョニー・デップです!」と自己紹介し、場内を沸かせた。あれから10年が経ち、29歳となった岡本は11年ぶりに「ルーキー」として新たな舞台に立つ。
30球団で唯一カナダに本拠地を置き、2025年はワールドシリーズまで進出したブルージェイズ。頂点まであと一歩だったチームに加わる日本の大砲が、2026年シーズンにどんな活躍を見せるのか。巨人の4番から世界へ、岡本和真の挑戦が始まる。