コロナで失った学生たちの1年間、青春の1コマを取り戻す世界初の『全国学生オンライン演劇祭』大盛況にて閉幕最優秀賞は立教大学生の『劇団ふむふむ』

劇団ノーミーツのプレスリリース

2020年4月の第一次緊急事態宣言時に旗揚げしたフルリモート劇団「劇団ノーミーツ」は3月28日(日)、全国の学生を対象にした『全国学生オンライン演劇祭』の決勝生配信を開催しました。最優秀賞を獲得したのは、立教大学チームの『劇団ふむふむ』。一画面の中で聞こえる音のみで展開していく演出で多くの人の心をつかみ、技術部門賞・俳優部門賞・観客賞も同時に受賞しました。SNSでは「どの作品も素晴らしくて引き込まれた」「食い入るように全部見た。本当に全員学生…?」と、レベルの高い5作品の戦いに圧倒される声が多くみられ、大盛況のうちに幕を閉じました。

▶決勝生配信アーカイブURLhttps://za.theater/events/online-theater-contest

決勝生配信開催レポート
■「今年は文化祭も中止になってしまいました」学生の声から2020年10月にスタート
 2020年10月に始まった『全国学生オンライン演劇祭』。始まりは「今年は文化祭も中止になってしまいました」という学生からの一通のメッセージでした。コロナ禍に生まれた劇団ノーミーツだからこそ、こんなときだからこそ失われた青春の一コマをオンライン演劇という形でサポートすることはできないかと考え、学生たちの有志メンバーとともに企画し実施してきました。予選では87作品・総上演時間1500分を超える学生たちの作品が集まり、それぞれが想いを持ってこの世界初のオンライン演劇祭にぶつかってきてくれました。その中から厳正な審査のもと5チームを決勝に選ばせていただき、優勝チームを決める決勝生配信をオンライン劇場ZAにて実施しました。審査員には、劇団「柿喰う客」代表の中屋敷法仁さん、CMディレクターの中島信也さん、企画屋・インフルエンサーのぶんけいさん、映画監督・写真家の枝優花さんで、優勝したグループは特典として、劇団ノーミーツと共に作品制作する権利が与えられます。

■半年間の練習成果をぶつけあう各劇団。学生生活最後の行事となったチームも
 決勝生配信では、劇作家の平田オリザさんと劇団ノーミーツメンバーによる「平田オリザさん、これから演劇ってどうなるんでしょうか?~オンライン演劇に見る演劇の新たな可能性~」と、劇団ノーミーツメンバーによる各チームを全力でプレゼンする「決勝生配信直前記念ノーミツライブ」で大いに盛り上がって幕を明けました。『法政大学I部演劇研究会』による記者と犯人のインタビューから物語が始まる“インタビュー”、岐阜県でコロナ禍に結成した『on-line自宅部』の高校生たちが名作落語を現代風にアレンジした“死神”、今回全員地方出身者で結成した『劇団地方民』による東京に生きる地方青年にしか分からない不安定な感情を込めた“なりひとの成人式”、最年少の奈良県の中学生たちによる『NEW SPROUTS』の会話の中で死を考える友達を引き止める“今日は誰かの最後”、立教大学生による『劇団ふむふむ』の一画面でカスタマーセンターに来る会話で物語が繰り広げられる“ふむふむ家電カスタマーセンター”の学生たちの本気が詰まった5作品が披露されました。それぞれ、終了後は半年間の挑戦を終えて多くの方の前で演劇を披露できた高揚感を見せ、感極まって涙するメンバーも多くいました。

 最優秀賞を獲得したのは立教大学生チームの『劇団ふむふむ』。一画面の中で聞こえる音のみで展開していく演出で多くの人の心をつかみ、技術部門賞・俳優部門賞・観客賞も同時に受賞しました。また、唯一敗者復活から這い上がったチームでもあり、メンバーの8割が大学4年生ということからメンバー全員で最後の想い出ができたと涙ながらに喜び、「夢のような時間だった。これからもたくさん演劇をやっていきたい。」とコメントしました。『劇団ふむふむ』にはオリジナルのトロフィーが付与され、今後劇団ノーミーツと一緒に作品を制作し、公演を行う予定です。SNSでは「どの作品も素晴らしくて引き込まれた」「食い入るように全部見た。本当に全員学生…?」と、レベルの高い5作品の戦いに圧倒される声が多くみられました。

【『劇団ふむふむ』脚本・演出/橋脇ななみ】
 私は負けず嫌いで、予選で落ちた時は寝込むくらい悔しかったです。まさか優勝させていただいて、人生は分からないなと思ったし、このメンバーだったからできた作品で、生きてて良かったなと。
リアルで会えたらハグしたいんですけど、エアハグで我慢します。メンバーのみんな、劇団ノーミーツの皆さん、観客の皆さん、みんなにお礼を言いたいです。ありがとうございました!

【『劇団ノーミーツ』広屋佑規さんコメント】
約5ヶ月間に渡る熱き大会が無事に閉幕しました。”わたしたちは、諦めない”決勝の舞台にたった全てのチームが昨年からの困難を乗り越え、堂々とPC前にたち、芝居を楽しみ、熱く涙を流す様子を見て、このお祭りを主催できた喜びを強く感じることができました。私たち自身も、負けていられません。もらった刺激を糧に、更に作品作りに励んでいきたいと思います。最優秀賞を受賞した劇団ふむふむさん、そして大会にエントリーした全ての学生の皆様、本当にありがとうございました!

結果一覧
最優秀賞
ふむふむ家電カスタマーセンター(劇団ふむふむ)

審査員特別賞
中屋敷法仁賞:死神(on-line自宅部)
中島信也賞:今日は誰かの最後(NEW SPROUTS)
ぶんけい賞:なりひとの成人式(劇団地方民)
枝優花賞:なりひとの成人式(劇団地方民)

部門賞
俳優部門賞:小川理沙さん(劇団ふむふむ)
脚本部門賞:なりひとの成人式(劇団地方民)
演出部門賞:なりひとの成人式(劇団地方民)
技術部門賞:ふむふむ家電カスタマーセンター(劇団ふむふむ)
観客賞:ふむふむ家電カスタマーセンター(劇団ふむふむ)

【法政大学I部演劇研究会】

 こんにちは、法政一劇です!今回は残念ながら受賞ならずということでしたが、Twitterやチャット欄でみなさまの温かいコメントを拝見し、とても清々しい気持ちでいっぱいです。言葉にしてなにかを伝えたくなる作品を作れた、ということは、何物にも変え難い財産です。エラそうな言い方になってしまいますが、演劇人冥利に尽きます!他4作品のみなさま、受賞おめでとうございます! 良いお芝居、見せてくださり有難うございました。また、ご観劇くださったみなさまも誠に有難うございました!今はまだ悔しい気持ちもありますが、この経験を新たな作品づくりに役立てていきます。これからもどうぞ応援、よろしくお願いいたします!

【on-line自宅部】

 私たち岐阜県の高校生は、今年、コロナウイルスの関係で、地区大会が開催されませんでした。そんな中で、オンライン演劇祭で演劇をやらせていただけたことは、本当に嬉しかったです。また、私たちの尊敬する中屋敷さんから特別賞をいただき光栄に思います。

【劇団地方民】

 このたびは私たちにお芝居をする機会をくださり、そして多くの感動や学びを与えてくださり、大変ありがたく思っています。私たち地方民が抱える微妙な葛藤を、画面の向こう側の多くの方々に共感いただけたことが、何より嬉しかったです。互いの意見交流や議論は本番直前まで続き、こだわりをもって作り上げたので、思いも一入です。
 いざ決勝が終わってみると、達成感だけでなく「もっと演劇がやりたい」という熱意も、同時に湧き上がってきました。劇団地方民はどうなっていくのか。これが終わりではなく、始まりだと言えるように、これからもたくさんの感動を届けたい、地方民の輪を広げていきたい。そうした希望を胸に、歩み続けていきます。

【NEW SPROUTS】

 本番を終えた夜一番思ったのは、「もうみんなで稽古しないんだ」という寂しさでした。
この四人で作品を作れたこと、さらに、中島さんの審査員特別賞を取れたこと、全てが本当に幸せです。直前までとても緊張しましたが、本番は予想の10倍以上楽しかったです!本当によい経験をさせてもらえたと思いました!本番後、コロナが落ち着いたら絶対皆でユニバにいこう!と決めました笑。そして、また、新しい作品を作っていけたらいいなと思っています。
 NEW SPROUTSを応援してくださった皆さん、審査員の皆さん、そして演劇祭の運営をしてくださった皆さん、劇団ノーミーツの皆さん、協力してくれた家族!本当に有難うございました!

【劇団ふむふむ】

 墓場から蘇り、無事成仏しそうな劇団ふむふむです。生配信のあの一発勝負のヒリヒリ感、久しぶりでした。たまりません。やっぱりビールと演劇は生がいいですね。仲間たちとずっと一緒に、共に成長痛を味わい、共に余興に興じ、意見を出し合えたこの約半年間は夢のようでした。
 八人寄れば文殊の知恵ですね。素晴らしい文殊案をありがとう。素晴らしい作品にしてくれてありがとう。この稽古場の八割はこれから社会の荒波に漕ぎ出す訳ですが…強く漕いでいこうな。そして見てくださった皆さまに胸いっぱいの感謝を。本当に、ありがとうございました!
今度は天竺でお会いしましょう!それまでどうか、お元気で。

第1次緊急事態宣言から1年間、オンラインで活動し続けた「劇団ノーミーツ」
 「NO密で濃密なひとときを」をテーマに、オンライン演劇を主軸に活動するオンライン劇団。昨今の状況下で新たなエンタメの形を模索すべく、一度目の緊急事態宣言直後の2020年4月9日に結成。演劇、映画、広告、イベント業界の若手クリエイターが結集し、これまでTwitterをはじめとするSNSに20作品以上の「140秒Zoom演劇」作品を投稿、累計再生数は3000万回を突破。長編リモート演劇として『門外不出モラトリアム』『むこうのくに』『それでも笑えれば』の3公演を上演し、有料チケット制ながら14,000人以上を動員。60th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSクリエイティブイノベーション部門ACCゴールド、文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞受賞。

公式HP:https://nomeets2020.studio.site/
公式Twitter:https://twitter.com/gekidan_nomeets
 

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