さわひらき Listening Exhibition “Can the most important things be listened??” レコードリスニングとスクリーニングイベント開催

株式会社 POLARISのプレスリリース

金沢とロンドンをベースに制作活動を続ける現代アーティストさわひらきが、この夏、金沢にオープンさせる新しいスタジオ空間を使い、8000枚近くにのぼるレコードコレクションのリスニングと、映像作品のスクリーニングによる展示を開催いたします。20年以上前に渡英した当初から、友人と共にコレクションしてきた貴重なレコードコレクションと、彼らの交友にまつわる映像作品を合わせて公開する初めての試みです。これまであまり見せてこなかった作家の作品製作背景を知る貴重な機会となります。
あわせて、今後会員制での運用となる新スペース fishmarket 初のオープンイベントとなります。

 

大学進学と共に渡英し、大学院修了と同時にアーティストとしてロンドンをベースに制作活動を続けているさわひらきの『記憶喪失』をめぐる映像作品の連作と、彼の作品のモチーフとなった『記憶喪失』の友人のレコードコレクションを併せて見せるリスニングエキシビションを開催いたします。

 

【展示概要】
展示タイトル:Listening Exhibition “Can the most important things be listened??” J’s Vinyl Collection & Works of Hiraki Sawa
作家名:さわひらき
日程:2022年7月23日(土)~7月31日(日) 14時~19時
定休日:水曜・木曜
場所:金沢市里見町42番地8 里見町APARTMENT303号室 fishmarket

 

Lineament, 2012Lineament, 2012

Memoria Paralela, 2019Memoria Paralela, 2019

【展示背景】

日本の地方都市、金沢に生まれ育ったさわは、18歳で渡英しロンドン中心部の古本屋でアルバイトを始めます。初めての異国での生活において、未だ日本人としての自我、オトナとしての自我も不確定であった頃に、ひとまわりほど年上で、自分同様に日本から渡英し生活するJ氏と古本屋のバイト仲間として出会い、共に食事し、旅に出かけ、主にロンドン市内のレコード屋さんをホッピングし、街を感じ、人を知り、異国としてのイギリスの多様な文化を肌で感じ、自身のアイデンティティを確立していきます。J氏はさわとのレコード屋ホッピングで1万枚を超えるレコードをコレクションし、さわ自身も4000枚ほどのレコードコレクションを築き、それと共に、二人の日本人の関係性、そして彼らとイギリスの歴史/文化そしてイギリスに暮らす多くの方々との関係性という他の何物にも替えがたい資産が形成されます。

Installation View; flown, 2022, parafin, LondonInstallation View; flown, 2022, parafin, London

 

その後アルバイトを終えても、J氏とさわの交流は続く中で、ある日、J氏はランチの後に仕事場のカウチで昼寝から覚めた時に、それまでのすべての記憶を失ってしまいます。住んでいる場所、自分の名前も仕事も、家族も友人も、そしてもちろんさわとの交流のこともすべてが彼の中から、ものすごい速さで欠落してしまいます。さわにとっては、その出来事は大きな衝撃であり、それでも一緒に写る写真を見せ、(J氏は覚えていないけれど)自身とJ氏との想い出を語り、イギリス人の友人らと共に何度もJ氏のもとを訪れます。ある日、J氏が彼の所有物だと言われているレコードのコレクションをさわに預けたいと言い出します。さわにとっては、自身の英国生活の礎となるJ氏との交友が詰まったコレクションを『J氏がそれを思い出すまでのしばしの間』預かることにし、それと同時に彼らの間で起こった出来事に着想を得た記憶や時間『記憶喪失』をめぐる3部作を、2010年、2012年、2019年と連作として発表していきます。

 

本展示では、日本を離れイギリスにわたったさわと友人のコミュニケーション、彼らをとりまく環境の変化を時間軸/空間軸を交差させ再構成することで、現実と虚構、見えるものと見えないもの、覚えていることと覚えていないことの間に横たわる『違い』(違いが本当にあるのか否か含め)について、想いを巡らせます。

 

 

 

fishmarketfishmarket

【展示プログラム】
リスニング
 2022年7月23/24/25/26/29/30/31 14時~19時
スクリーニング
 2022年7月23/24/30/31 15時~ 18時~
 スクリーニング作品
  Memoria Paralela / 2019 (11:35 color video with sound), Hiraki Sawa
  Did I ? / 2010 (9:54 monochrome video with sound), Hiraki Sawa
  Lineament / 2012 (19:09 monochrome video with sound), Hiraki Sawa
  record / 2010 (5:09 monochrome video / silent), Hiraki Sawa
  Sleeping MachineI/ 2011 (7:08 color video with sound), Hiraki Sawa
  Sleeping MachineII/ 2011 (5:37 monochrome video with sound), Hiraki Sawa
  For Saya / 2011 (3:16 monochrome video / silent), Hiraki Sawa
 *その他、詳細イベントなど適宜SNSにて更新予定

【アーティスト】

さわひらき 
1977年石川県生まれ。

高校卒業後渡英。2003年ロンドン大学スレード校美術学部彫刻科修士課程修了。ロンドン在住。

友人の手伝いでコンピューターのアニメーションソフトを扱ったことをきっかけに、ビデオ作品を手掛けるようになる。現在は映像・立体・平面作品などを組み合わせ、それらにより構成された空間/時間インスタレーションを展開し、独自の世界観を表現している。自らの記憶と他者の記憶の領域を行き来する反復運動の中から、特定のモチーフに光を当て、そこにある種の普遍性をはらむ儚さや懐かしさが立ち上がってくる作品群を展開している。

 

主な展示に「Memoria paralela」Museo Universidad de Navarra (2019, スペイン・パンプローナ「Latent Image Revealed, KAAT Exhibition 2018」神奈川芸術劇場 (2017,横浜)「Under the Box,Beyond the Bounds」東京オペラシティアートギャラリー/ Art Gallery of Greater Victoria (2014,東京/カナダ ビクトリアBC)など。主なコレクションにHirshhorn Museum and Sculpture Garden, Smithsonian Institute (ワシントン)、Art Gallery of New South Wales (シドニー)、国立国際美術館(大阪)、東京都写真美術館(東京)、金沢21世紀美術館(金沢)など。
 

dwelling, 2002dwelling, 2002

SouvenirⅣ, 2012SouvenirⅣ, 2012

【展示会場について】

展示会場となるfishmarketの椅子などもさわひらき自身の制作によるもの展示会場となるfishmarketの椅子などもさわひらき自身の制作によるもの

共にロンドンで活躍するアーティストさわひらきと、建築家AB Rogersの協創により生まれる新しいスタジオスペース。2022年夏に、金沢にオープン予定。

 

さわやABが自身の制作スペースとしてスタジオを占有するのではなく、そこを開いていきながらクリエイティブな態度で生きる人々をチアアップする、会員制の新しい空間に。

8月以降、順次メンバー募集予定。

https://fishmarket-kanazawa.com

主催:fishmarket

助成:大和日英基金

 

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