【国立映画アーカイブ】特集上映「生誕100年 映画俳優 三船敏郎」開催のお知らせ

文化庁のプレスリリース

国立映画アーカイブでは、三船敏郎の生誕100年を記念して、10月2日(金)より3週間にわたり特集上映を開催いたします。

 

 戦後の日本映画にギラギラとした活力を注ぎこみ、黒澤映画と共に世界へ羽ばたき、多くの映画ファンや映画人から愛された不世出の映画スター・三船敏郎(1920-1997)。本特集では、三船のデビュー作『銀嶺の果て』(1947)をはじめ、初主演作『醉いどれ天使』(1948)や『羅生門』(1950)、『七人の侍』(1953)といった代表的な黒澤作品はもちろんのこと、爽やかな青年医師や武骨な父親、乗客の人生模様を見つめるタクシー運転手、暗黒街を捜査する刑事、威厳のある軍人など、三船の俳優としての芸域の広さを示すさまざまな出演作品を上映。さらに、三船唯一の監督作品『五十万人の遺産 LEGACY of the 500,000』(1963)および、プロデューサーとしても手腕を発揮した『黒部の太陽』(1968)、『風林火山』(1969)、『赤毛』(1969)といった三船プロ製作の大作、そして最後の出演作『深い河』(1995)もラインナップに含み、計27作品(27プログラム)によって、この偉大な俳優の足跡を振り返ります。
 

  • プロフィール

 1920年、中国・青島生まれ。6年間の軍隊生活ののち、1946年に東宝第一期ニューフェイスに合格。1947年『銀嶺の果て』(谷口千吉)で俳優デビューすると、翌年の『醉いどれ天使』(黒澤明)では結核に侵されたやくざを熱演。以後、黒澤作品をはじめとして数々の映画に主演し、戦後の日本を代表する俳優となる。また、1961年の黒澤明監督作『用心棒』でヴェネチア国際映画祭男優賞を獲得するなど、世界中で熱狂的な人気を誇り、メキシコ映画やハリウッド映画などにも出演した。1962年に東宝から独立し、撮影所も所有する三船プロダクションを設立。プロデューサーとしても話題作や超大作を製作するなど活躍し、日本映画を活気づけ続けた。最後の出演作は1995年の『深い河』(熊井啓)。1997年死去。
 

  • 見どころ

デビュー作から遺作まで…膨大なフィルモグラフィから厳選した27作品を上映
生誕100年を記念して、27歳から75歳までの三船の映画人生をスクリーンで振り返る大型特集プログラムです。映画史上でも名高い代表作に加えて、再評価すべき秀作も取り上げて足跡を辿ります。時代劇・アクション映画・社会派ドラマでの精悍でエネルギッシュな熱演とともに、ホームドラマや恋愛映画での人情や優しさあふれる好演も特筆に値します。主演作の他、独特な存在感を示した助演作『男ありて』『妻の心』『この二人に幸あれ』も取り上げます。三船の豊かなキャリアを回顧するとともに、新鮮な魅力に触れる機会になればと願ってやみません。

三船と組んだ名匠たち
黒澤明、稲垣浩、谷口千吉、岡本喜八、本多猪四郎、成瀨巳喜男、木下惠介、熊井啓、山田洋次…
日本映画を代表する名だたる監督たちとの協働を重ねてきた三船の出演作には日本映画史のエッセンスが凝縮されています。

監督やプロデューサーとして日本映画を支えた “世界のミフネ”
1962年以降は、自身のプロダクション・三船プロダクションを率いて、監督やプロデューサーも兼ねながら精力的な映画作りを行い、日本映画を支えました。石原プロとタッグを組んだ超大作『黒部の太陽』や、本格時代劇『風林火山』は、当時の日本映画年間トップの興行成績を記録しました。三船プロ製作の5作品を上映し、俳優の枠にとどまらない日本映画への貢献をひもときます。

バリアフリー上映『暗黒街の対決』
三船のハードボイルド的な魅力が凝縮された娯楽アクション映画『暗黒街の対決』(1960、岡本喜八)のバリアフリー上映を行ないます(10月17日(土)1:30PMの回)。聴覚障害の方向けの日本語字幕と、映画の音声を増幅するヒアリングループシステム座席をご用意しています。また、視覚障害の方向けの音声ガイドをFM配信し、ラジオ貸出もいたします。詳細はHPをご覧ください。
HP:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/mifune202009/#section1-6
協力:社会福祉法人 聴力障害者情報文化センター、Palabra株式会社
 

  • 上映作品リスト

1『銀嶺の果て』 (新版):1947年、谷口千吉監督
2『醉いどれ天使』:1948年、黒澤明監督
3『婚約指環(エンゲージ・リング)』:1950年、木下惠介監督
4『羅生門』[デジタル復元版]:1950年、黒澤明監督
5『馬喰一代』:1951年、木村惠吾監督
6『港へ来た男』:1952年、本多猪四郎監督
7『吹けよ春風』:1953年、谷口千吉監督(※英語字幕付き上映)
8『七人の侍』:1954年、黒澤明監督
9『顔役無用(男性NO.1より)』:1955年、山本嘉次郎監督
10『男ありて』:1955年、丸山誠治監督
11『妻の心』:1956年、成瀨巳喜男監督
12『蜘蛛巣城』:1957年、黒澤明監督
13『この二人に幸あれ』:1957年、本多猪四郎監督
14『暗黒街の対決』:1960年、岡本喜八監督
15『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』:1960年、松林宗惠監督
16『用心棒』:1961年、黒澤明監督
17『どぶろくの辰』:1962年、稲垣浩監督
18『五十万人の遺産 LEGACY of the 500,000』:1963年、三船敏郎監督
19『大盗賊』:1963年、谷口千吉監督
20『侍』:1965年、岡本喜八監督
21『黒部の太陽』:1968年、熊井啓監督
22『連合艦隊司令長官 山本五十六』:1968年、丸山誠治監督
23『風林火山』:1969年、稲垣浩監督
24『赤毛』:1969年、岡本喜八監督(※英語字幕付き上映)
25『日本の首領(ドン) 野望篇』:1977年、中島貞夫監督
26『男はつらいよ 知床慕情』:1987年、山田洋次監督
27『深い河』:1995年、熊井啓監督
 

  • 企画概要

企画名:生誕100年 映画俳優 三船敏郎  Toshiro Mifune Retrospective at His Centenary
会期:2020年10月2日(金)-10月22日(木)*月曜休館
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU[2階]
主催:国立映画アーカイブ
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
ホームページ:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/mifune202009/
チケット:
新型コロナウイルス感染症予防のため、前売指定席券のみとし、当日券は扱いません。
(障害者及び国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズを除く)

◆前売指定席券
一般・シニア・学生の方は前売指定席券をご購入ください。
9月18日(金)10時amより、チケットぴあにて全上映回の前売指定席券(全席指定席・通常90席)を販売します。[Pコード:551-139]
〈料金〉一般:520円/高校・大学生・シニア:310円/小・中学生:100円
◆障害者・キャンパスメンバーズ等券
障害者(付添者は原則1名まで)ならびに国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズを対象に、各日の開館時より1階受付にて障害者・キャンパスメンバーズ等券(21席)発券をします。
〈料金〉障害者(付添者は原則1名)、キャンパスメンバーズ:無料

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。